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深町珠

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田舎の暮らし

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「ふむ・・・」神流は、ちょっとした研究の合間に
「神隠し」現象を回想していた。


重力波は、普通は地球に遮られているから、あたかも地球に
重力があるように見えるが、宇宙空間では全方位から訪れている。
光速の「波」。 波だから、波長がある訳だ。

重力波 => 人 | 地球  <=重力波



この「地球」の代わりに、逆位相の重力波が得られれば

重力波 => 人 |<=逆位相重力波 |  <=重力波


制御次第では、この場合の「人」(物体でも良い)は、自由に移動が
可能な事になる。


NASAで研究されている宇宙船のようなものだ。


「理論上は可能ですね・・・・。」と、計算が進行しているシミュレータのディスプレイを眺めながら、そんな事を思った。



何故起こるかは不明だが。とりあえず、あのアーケード周辺で無ければ発生しないようだ。


何者かの意思か、偶然か。


「此方に来ていれば安全なのですから」と、神流は
現実的に考えた。


過去に、珠子の母もそうして「神隠し」にあったのか、
あるいは時空間をも飛び越えてしまったか。

理論上は有り得る。

なにしろ、重力場の周辺では空間が歪んでおり
光も曲がる事が観測されているのだから。

(その歪みとは、実は他の天体からの重力波の干渉なのだが)。

重力波の位相を変えれば、光速を超える事も可能である。



そんな神流の想いに関わらず、珠子はのんびりと
田舎の暮らしを楽しんでいる。

生まれ育った場所は都会であったが、母の実家は
郊外の農村である。

そんな、過去の記憶を思い出していたのかもしれない。
なんとなく安堵する珠子である。


ひろい空には電線もなく。
建物も見当たらず。


田畑が広がり、川は静かに流れていて
土のままの田んぼ道。

小川の岸には草が生い茂り、昼間でも虫の鳴き声が聞こえる。

「いいところね」と、あらためて思う。


こういうところなら、ずっと暮していてもいいな・・・・。と。
思ったりもする。

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