arcadia

深町珠

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ふたば

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その、双葉の事を神流は思い出していた。

「・・・・確か。応用物理だったような・・・。」

研究者名簿を見てみる。


研究者は有名人なので(笑)ある程度は分かる。



「・・・・大学院、研究専攻マテリアル工学MI-25
湊研究室・・・か。弥生門の近くですね」

と。

神流も、良く知っている場所だ。


「電話、してみようか」

夜8時だと、研究者はまだ、大抵は居るだろう。



そこに載ってた電話番号に掛けてみる。



コール・・・。

かちゃり。

「ハイ、湊研究室双葉です」

「あの、私、覚えてますか?高校で一緒だった。神流。」



「ああ、珠子の友達の。懐かしいな。ひさしぶり。」

双葉は、優しい。


「何か、僕に御用ですか?」


「実は、ちょっと込み入った話なのですが・・・。」と

超ひも理論の多次元宇宙で、並列時空間が重なっている時に
隣接空間に飛ぶ事が可能だろうか、阻止できるか、と。


双葉は黙って聞いていて「・・・珠子とお母さんの事ですか?」


「よく判りましたね。」と、神流も隠さない。





双葉は「それで、お母さんが失踪したのは・・・ありえますね。
帰ってくるのが20年後だとすると・・・・ここ暫く。」と。


神流も黙して聞く。


「阻止はできないでしょうけど・・・座標が遠ければ起きないかもしれない。
代わりに、他の人が飛ばされる可能性はありますね。
身体が飛ぶのではない場合もあるでしょう。量子理論みたいな、波動で移動。」



「それは私も考えました。」



「あの街のアーケード周辺だけ、そうなっている可能性はありますね。
800年昔から伝承があったみたいな、不老不死のお姫様の話みたいな。」



「それは、科学で解明が出来たようですね。不老不死は。」と、神流。


「でも・・・・お母さんが戻ってこれるチャンスだと知ったら、珠子は何て言うだろう?」


と、双葉。


「それですね。」

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