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[東京-西鹿児島1500kmロング・ラン〜寝台特急"はやぶさ"5列車〜(前編)]
ヒーター。
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ヒーター。
冷房設備のなかった頃でも暖房だけは装備されていたのはまあ
厳寒期などは健康を損なう可能性もあるだろうから必然、であろう。
客車列車では蒸気機関車時代より蒸気暖房が装備されていたが
これはまあ、熱源の統一という観点からも経済的な措置である。
その後無煙化、電化の時代を迎えたが、しばらくは蒸気暖房の
時代が続くことになり、電気機関車やディーゼル機関車に
蒸気ボイラー(SGという)を装備し、客車側の改造費用を
控えた。
蒸気が熱源なので、いろいろと苦労も多かったと聞く。
機関車からの蒸気が列車後部に至るまでに温度が下がり
最後尾の暖房が効かないとか、寒冷地では
客車の蒸気管が凍りついてしまって蒸気が通らず
朝の列車ではしばらくの間暖房が効かないとか、
電気機関車の蒸気発生装置の制御が巧く行かずに
電熱源が故障したり、または蒸気温度が安定しなかったりと
様々な問題が生じて乗務員の気苦労のタネであったそうだ。
現在のような電気暖房が普及するのはずっと後の事で
分散動力化、電車が旅客輸送の主力とされた時に
電車の普及に伴う形で普及した。
客車列車はまだマシだ、とは貨物列車乗務員の声で
暖房の無い緩急車で厳冬期、炭団の暖器の僅かな熱源で
電灯すらない夜間の乗務など本当に泣きたくなってくる、との談。
寒泣車と渾名されるほど貨物列車の車掌乗務は辛い、とか....
今では貨物列車車掌乗務もほぼ廃されたため、このような
過酷な労働条件で乗務が行われる事はない、との事ではある。
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