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[東京-西鹿児島1500kmロング・ラン〜寝台特急"はやぶさ"5列車〜(前編)]
[東京、定刻発車。]
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18時12分、夕闇迫る東京駅東海道線長距離ホーム10番線より5列車"はやぶさ"号は定刻発車、
これから東海道、山陽、鹿児島本線を経て西鹿児島まで1500kmあまりを
一気に駆け抜ける旅程にEF66は踏み出した。
ぐい、と貨物機らしく力強い引き出しに24系25形編成はゆらりと揺れる。
二階席からは通勤時刻の近郊電車、日常の風景が見て取れる。
いつもはそちらから見送り、今日は見送られる側であるのがどこか不思議な感覚。
近郊電車の窓から、日常の筆者のように見送りの視線を送る人の姿が見える。
彼も、過日は5列車の旅客であったのかもしれない。
ゆっくりとEF66はノッチを進めたようだ。
ロープで引っ張られるようにぐいぐいと引いて行き、長い、カーヴしているプラットホームは
彼方に消え去る。薄暮の高架線を東海道新幹線と並進してゆっくりと制限速度で
ゆるやかなカーヴを走る"はやぶさ"。
機関車には白いヘッドマークが輝き、都会の風を切っていることだろう。
「お待たせ致しました。ただいま東京を定刻で発車のこの列車は
特急寝台列車はやぶさ号、西鹿児島行きです....」
落ち着いた口調は先程の車掌長であろう、車内アナウンスはセレナーデのチャイムに序で。
経路、車内設備の案内、寝台指定券の要等々。手慣れた、という印象がいかにも頼もしい。
いかにも、と思っていると車掌はJR九州、博多車掌区の方だそう。
なるほど九州男児らしい口調(?)である。
さらりとアナウンスは終わり、変わってすこし音域の高い男声で..
また、セレナーデのチャイムの音もやや高い音。
「こちらは、日本食堂でございます...」
ああ、懐かしいな、と思う。食堂車がまだ連結されているのだ。
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