旅と鉄路

深町珠

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[東京-西鹿児島1500kmロング・ラン〜寝台特急"はやぶさ"5列車〜(後編)]

[瀬戸内晴海(笑)]

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[瀬戸内晴海(笑)]

瀬戸内の朝は清々しく、入り江と半島、小島を渡る舟...
と、どこかノスタルジックな山陽沿線である。
見通しが良いのは、架線ブームが眺望に配慮しているため、である。
最近は無線用のケーブルなども有ったりもするのだが
ここ山陽本線では、そのあたりの配慮も行き届いている。
さすが由緒正しい山陽鉄道である。
寝台車を走らせたのも、食堂車を作ったのもここが最初、
サービスを重視する姿勢のあらわれか。


下松停車、6時48分。
西国の朝は遅い。
のんびりとした駅ホームは閑散としていて人影も少ない。
赤さびが染みついている構内のレール、黒く沈んだ枕木...コンクリートではない。
7時前というと、大都市圏ではもう通勤通学時間だが
のどかな情景は微笑ましい....

先ほどの乗り越し客が、早足で降りて行った(笑)。


ゆっくりとスタート・ノッチを入れ、EF66は静かに引き出す。
さあ、ゴールまではもうすぐ。

そう言っているかのように、ぐい、とノッチを進め、衝動が伝わる。
直流機、抵抗制御のこの無骨さがまた良い感じに思えるのは
現在はインヴァーター制御の車両が増えてきたからである。
かつて、電化が始まった頃は蒸気機関車に比べるとずいぶん機械っぽいな、
と思ったものだった。





------memo-----
蒸気機関車は言ってみれば流体無段変速のようなものだから、気動車の
変速ショックや電車の起動衝動などは、随分と粗野だと当時は感じられたものだ。
この感想は正しく、同じようなことを感じていた技術者が多かったようで
それゆえ、電動機の制御方式が進化したし、気動車にしても変速機の改良、
電気式ディーゼル、ハイブリッド、などの各方式が開発され、
現在ではこの技術体系はそのまま自動車の低公害化に貢献している
現在、インヴァーター制御のなめらかな加速感に慣れてしまうと
この機械っぽさがとても懐かしく思える抵抗制御機の動作、である。
------*--------




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