タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
281 / 361

さかまゆちゃんの妹

しおりを挟む
「パティはさ、お仕事、これで終わり?」と、友里絵。

パティ、にっこり。「ハイ」

友里絵は「んじゃさ、あたしたちと一緒にご飯しない?由布院に泊まるんだけど」


パティ「えー、いーんですかーぁ、おじゃまでないかなー。」と、にこにこ。

菜由「パティ、あしたのダイヤは?」

「ハイ。おやすみですー。公休2なので」と、にこにこパティ。


由香「デートとかしないの?」

「ナイナイです」と、にこにこパティ。



友里絵は「じゃ、一緒に来てくれる。一緒に泊まれば?愛紗、大丈夫?」


愛紗は「由布院はふたり部屋だから。1人はゲストで大丈夫。それにパティは
職員だし」


と、詳しい。

菜由は「さーすがツアコン」



パティは、出発時間が近づいて。ワゴンを業務スベースに止めて。
安全確認。

そのうち、車掌補登用試験を受けるのかな?



さかまゆちゃんは「なんか、楽しいですね。お友達いっぱい」
と、にこにこ。
すっきりひとえ、さらっとした和風の、大正ガールみたいなお顔で
にこにこすると、とってもかわいい。


由香は「ともちゃんとさかまゆちゃんって、同じ高校?」

さかまゆちゃんは「ハイ。熊本高校です。」

友里絵は「あ、じゃ、ららちゃんと一緒だ!」と。


さかまゆちゃんは「ららちゃん・・・って、三芳ららちゃんですか?」

友里絵「うん。来るときね。高森線で会ったの。にゃんこが大好きで。
お家にもごまちゃんがいて」


さかまゆちゃんは「じゃ、たぶんそう。妹の友達です。かわいいお名前だから
覚えてました。」

愛紗は「妹さんも熊本高校?」

さかまゆちゃん「ハイ。奈緒美と言います。1年生」

友里絵「わー。なんか楽しいね。でもさ、坂倉家のお父さんは大変だねー。」

さかまゆちゃん「ハイ。煩いから早く出て行けっていいます」


菜由は「ハハハ。でもー、嫁に行ったら泣くな、それは。ふたりもねえ」


愛紗「ほんと。妹さんも可愛いんでしょうね」

さかまゆは「いーえ。ふんわり、もっちりで。お餅みたい」

由香「それはかわいいわ」

ともちゃんは「かわいいですよ」にこにこ。


そのうちに停車時間が過ぎ・・・・車掌さんは笛吹いて。


ホームに「荒城の月」が流れる。


菜由が「ほら、アレシロだよ、友里絵」


友里絵「しろって言われてもなぁ」と。ハハハと、笑う。


折り戸の空気シリンダーに空気が入り・・・「あそ3号」は
豊後竹田駅の、右カーブのホームを出発する。

左手の崖から、お水ちょろちょろ・・・。



友里絵は「ねね、奈緒美ちゃんもバレー部?」

さかまゆちゃん「ハイ。なんか・・・引っ張られたらしいデス。
私がいたので」

菜由「そっかー、じゃさ、国鉄に入ったらバレー部で
X攻撃できるね」と、にこにこ。

さかまゆちゃん「ハイ。時々家でマネしたり、バレーの。
父がうるさい、って怒るけど」


由香「ハハハ。でもお父さんも可愛いから・・・今のうちだよね」


菜由「ホントホント」




ともちゃんは「ウチの父もうるさいっていいますね。あたしが家で楽器吹いてたりすると。」


菜由は「楽器ってそれ?」


ともちゃんはかぶりを振り「いえ、サックスとかフルート。トランペットも吹きます」


友里絵「へー。かっこいいね。フルートはわかるけど。サックスかー。トランペットかー。
かっこいいね。ホント。」

ともちゃんは「もともとフルート志望だったの。中学の頃。でも、あふれちゃって。」


由香「そうそう。みんな好きだもん、あの楽器」


友里絵「なんだろね」

愛紗「なんか、お嬢さんっぽいものね。見た感じ。可憐だし。」


ともちゃん「そうでもないんですけどね。息が垂れるし、ぽたぽた。冬とか。


菜由は「まあ、女の子の息ならさ・・・。」


友里絵「ひっひっひ・・・おじょーさんのヨダレ・・?」ヘン顔。


ともちゃんは「いやっだー」と、笑う。

みんなも。

友里絵は思う。まゆまゆちゃん、どうしてるかな・・・・。








まゆまゆちゃんは、下り特急「あそ」5号で検札業務のお手伝い。

専務車掌さんは、グリーン車から前、
まゆまゆちゃんが後ろ2両。

指定席1、自由席1。

指定席は結構メンドい(^^;

席番は、今は携帯端末で出るのだけど
旧式なので、液晶画面でちょっと見づらい。

スマートフォンのような、カラー表示にならないかなぁ、なんて思ったり。

どこの席が売れてるか。確認だけれども・・・。
空席がある時、そっちで座る人も居たりする。

2人掛けシートで、知らない同士が並んだ時。

空いていれば、そちらに移りたい、なんて・・・希望もあるけど。


そういう時は、「車内ではできかねます」と、やわらかに言わないとならない。
結構、言い方とか緊張したりする。


別に、空席に座っていても、そこの券を持った人が来なければ
問題ないのだけども、便宜上。


そういう時、空いている席が確認できるの便利だ。


今日は木曜、午後なので・・・空いているから
そんなに気にしないでいい。

そういう人は、自由席に行ってしまうからだった。


仕事のことを考えていると、お兄ちゃんの縁談(?)のこととか
考えなくて良くて。

それは、それでいいことだったり。


下り「あそ5号」は、そろそろ八代だ・・・。



球磨川沿いの線路から、すこし開けた平野へと下った・・。








EF81-137の運転台で、お兄ちゃんは24系25形ブルートレイン編成、15両を
率いていた。

電源車1両、客車14両。


人が乗って居ないと軽い。ただ、密着連結器なので
一体で動くから、動き出しと止める時は重く感じる。

「独特」だと感じる、お兄ちゃんだった。


EF81も、普段のED76と似ているようで結構違う。
軽快な感じ。

不思議なものだと思ったり・・・。


本線、進行・・! 速度、95!

少し、指示速度が下がった・・・。








恵は・・・・部屋に戻って、また寝た(^^)。
寝る子は育つ。

ぐおー・・・・・・・。(^^;・・・・・。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...