タビスルムスメ

深町珠

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ごまたん

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同じ頃・・・・熊本高校では、6時間目の授業が終わって。

お勉強から解放された、坂倉奈緒美ちゃんは

「さて!」と、ショルダーにしているかばんを持って。

バレーの練習に、と。

椅子から立つ。

すくっ、と。
お姉ちゃんに似て、結構大柄だ。ただ、すらり、大正ガールふうの
お姉ちゃん、さかまゆとはちょっと違って
ふんわり。ぽちゃぽちゃ。でも、背丈は高い。

まるいお顔、にこにこ。セシールカット、みたいにしてるので
とってもキュートに見える。



廊下に出る。すっ、すっ、と歩く子。


「あ、ららー」と、手を振る。


廊下の遠くに、三芳ららちゃん。

ららは「あー、なおなおー」と、にこにこ。(^^)。「きょうもバレー行くの?」


なおなおは「うん。ごまちゃん元気?」


ららはにこにこ「げーんきげんき。おなかタプタプだよー。」

なおなおは「あー、さわりたーい!!ごまたんのおなかのかわー」

ららは「かわ、じゃなくて脂肪だよー。でろーん」って、マネしたりして。


なおなおと、ふたりでわらう「きゃはは」(^^)。


なおなおは「こんど、さわらせてー」と、にこにこ。


ららは「うん。ウチ来て?」



楽しい放課後ーーー。









大分駅6番線ホーム。
友里絵は、かぼすの形をしたベンチに座って。細い脚をぶらぶら。

「♪~あーなーたーにおんなー・・・♪」とか、ヘンな歌を歌いだした(^^)。


由香に「ねえ、女の子の一番大切なものってなんだろ?」


由香は「うーん。愛じゃない?」


友里絵は、吹き出して「ぎゃはは!愛だって。似あわねー!」と、ひっくり返って笑う。


菜由も笑う「真面目な顔して言うからなあ」


由香「受けたナー」(^^)。


菜由は「じゃ、友里絵はなんだと思う?」

友里絵は「おま・・・」
由香があわてて口を塞ぐ「バカ、やめろ!駅だぞ!」


少し離れて男子高校生たち、「なんか、オモシレーナあれ」


友里絵は由香の手を外して「もり」



愛紗はミミをふさいでいたけど「え?」

菜由「おまもり・・・」

愛紗「おまもり」

友里絵「おまもりだよ、ホレ」と、懐に吊るした
帝釈天のお守り。


由香「寅さんかよ、オマエ」と、後ろ頭をひっぱたく。


男子高校生たちは、ハハハ、と笑う「おもしれー」


友里絵は「へへ、受けちゃった」


菜由は「あんたら、やっぱ芸人になった方がいいよ」

愛紗「ホント」


階段から、とことこ。
パティが駆けてきて「ごめーん、お待たせ!」と。

友里絵は、ウエスターン・スタイルみたいなパティのジーンズ姿を見て
「おー、カッコイー」

パティは「へへ」と、にっこりウィンク。


髪を解くと、ブロンドだけにとても華やか。
やわらかなウェーブ。お下げにしてたから、すこしソヴァージュみたいに見える。


ともちゃんは「やっぱ、女優だよ、ホント」と、にこにこ。

ともちゃんも背は高い方だけど、パティの方がおでこひとつくらい高い。
脚も、すらっとしてて。腰のあたりはボリューム、ドン!(^^)。



友里絵は「こりゃー、ワゴン押してたら触るわね、お客さん」(^^)。

パティ「さわったのは友里絵だけ」

友里絵「はっはは」

さかまゆちゃんは「いいなぁ、華やかで」

パティは「さかまゆ、ステキよ、和風で」


さかまゆちゃんは、ほめられてちょっと恥ずかしい。



友里絵は「あ、列車来た」


別府の方から来たのは・・・・特急「ゆふDX」だった。

前がパノラマシートで、二階が運転台。

「船みたいだね」と、由香。


菜由「うん・・。」


愛紗は「長崎に行ってたんだよね、この列車」


菜由「そうなの?」


愛紗は「うん、電車とつないで途中まで走ってたと思う」


友里絵は「詳しいなー、さすがツアコン」



特急「ゆふDX」は、ごー・・・・と、言うエンジン音を響かせて。
排気ブレーキはしゅー・・・・。


機械ブレーキが、きききき・き・・・・。

きゅっ、と、停まる。

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