タビスルムスメ

深町珠

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ニホンゴ、ワカリマセーン

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愛紗たちは、お風呂から上がって・・・。

浴衣を着て。羽織って。
タオルを下げて。よくある温泉スタイル。

お風呂の、
すぐ目の前にあるエレベータで4階へ。


菜由は「友里絵ちゃんたち、2階の露天ね」

だいぶ、温まったので、ほかほか。


さかまゆちゃんは「のんびりしてますね」

ともちゃん「露天、すずしいから」



エレベータは、荷物用なのか
普通に、金箔なんて貼っていないから

菜由は「こっちの方がいい」

ともちゃんは「はい。なんか、金ぴかだと・・・落ち着きませんね」

うふふ、と・・・さかまゆちゃんも
口元をおさえて、笑った。

4階。


回廊から見える中庭は、もう、夕暮れの雰囲気。

由布岳も、夜、の様相。


菜由は「友里絵たち、呼んでこないでいいかな?」

愛紗は「そんなに入っていられないでしょ?茹でたまごになっちゃうし」


そうね、と・・・みんな、笑って。

お部屋に戻った。










友里絵は、お風呂から出て「あー、あったまった!」と。
全身ピンク(^^)。

由香は「あったまりすぎかも」

パティは、もともと白いから、ももいろ。

「あたたまりましたねー。」と、にこにこ。


友里絵は「みんな、ピンクだねー。」

由香は「動画撮れば」

友里絵「ピンク映画」

由香「ふっるー」


パティは「なんですか、それ?」


友里絵「じゃ、ももいろクローバー」

パティは「それはわかりますー」

とか、めいめい。

サンダルをゲタ箱から出して。コンクリートのテニスコートの上を

すっぺた、すっぺた・・・。歩いて。


友里絵が「結構、音響くね」


由香が「うん、ここのお部屋とか、気になるね、寝てたら」

パティは「静かにあるきましょ」


友里絵も、静かにあるこうとするけど、難しい。


ずるっ、ぺた。ずるっ、ぺた。


「あーん、難しい」(^^;


由香は「不器用なやつ」と、笑う。


そのうちに、階段のところまで来て。


「これは、仕方ないよね」と、友里絵は
サンダルで、ぺた、ぺた。

一段ずつ歩く。


由香は「つま先で歩けば音しないよ」


友里絵は「つま先で・・と。」
階段を上りきっているのに、もう一段足が空を切って。


「おっとと」(^^;


由香「不器用なやつ」

パティは「かわいいデスね」

浴衣の上に、羽織。でも・・・

ぼいん、ぼいーん(^^)。が、はみ出しそう。

由香は「出てるよ」

パティは「あ」と、羽織の前を押さえて。


友里絵は「日本の着物って、どーしてもねぇ」

由香「昔はさらしで巻いたとか・・・。」

パティ「痛そう」


友里絵は「その痛さが、いつかカイカンに変わるのだ」

由香「なんか、来たなぁ」

友里絵「怖がることはない。おじさんと一緒に危ない世界へ行こう」


由香「誰がおじさんなんだ」

パティは「ドクター秩父山ですか」



由香は「なにそれ?」



友里絵「ハハハ」と・・・・2階の吹き抜けを見下ろしながら・・・
「プラネタリウム、始まるのかな」

なんて。


言いながら、エレベータの△ボタンを押した。



エレベータ・ホールには
ビールの自販機がある。


友里絵「お」


由香「飲むのか」


友里絵「230円だって、結構高いな」


パティは「スーパーで買ってくれば」



由香は「ハハハ。菜由みたい」

友里絵「ここ、いいんだっけ?持ち込み」


パティは「ハイ。KKRですから。営利目的ではアリマセーン」


友里絵「なんか、そのカタコト日本語だと、似合うね」


パティ「ズット、コーシマショーカ」


由香「読みづらいから止めよ」


パティ「ハハハ」



友里絵「あ、エレベータ来た」


荷物用っぽいエレベータは、止まってから、ふわ、と
すこし位置がずれて。


友里絵は「なんか、ふんわりするね」

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