タビスルムスメ

深町珠

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ふっきれた

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同じ頃・・・・
人吉、日光さんのお家。
まゆまゆちゃんは、早めに寝ていた。

お布団、畳のお部屋。

まっくら。

雨戸をちゃんと閉めて寝る子(^^)。




就寝時間がその日で違うので、けっこうストレスである・・・が。

すやすやと眠っていて。
きょうは疲れたのだろう。


・・・・夢を見ていた。


人吉駅のピアノで、友里絵と一緒に弾いた、楽しい思い出の夢だった。

でも、曲が

「ラブ・ノウツ」ではなくて

「かわいいアイシャ」になっていて。


夢の中の、まゆまゆちゃんは・・・思う。


「愛紗さんのこと、気になっているのかな?」なんて。


お兄ちゃんのにせコイビトに、友里絵が作った写真。


まゆまゆは思う。

「愛紗さん・・・バスのお仕事を、どうしたのかな?」

すこし、コトバすくな、に
考えていたふうな愛紗のことを、気遣っている
やさしい、まゆまゆちゃんだった(^^)。


でも・・・・・・ニセ、でも
お兄ちゃんのコイビト、と言う、その設定(?)は
なんとなく嫌だったりする。フクザツな乙女ちゃんだった。



「お名前が、お洒落でいいなぁ」と、思う。
真由美、ってありふれてるし(^^)。なーんて、夢の中でもかわいい
まゆまゆちゃんだった。








屋上で、風に吹かれていた愛紗と菜由は


そろそろ戻ろうかな、なんて言って。


あたりを見回す。

回廊構造になっているから・・・・。屋上がぐるっと、中庭を囲んでいて。

川がよく見えたり。

「くしゅっ」と、愛紗がくしゃみをして。


浴衣に羽織だから、4月だとちょっと涼しい。
由布院、九州だから暖かいけど。


菜由は「湯冷めしたかな、もーいっかいあったまろっか」と。


愛紗は「うん」


なんか、ふっきれた。そういう感じだった。



「あ」

屋上に上がってきたのは、理沙だった。

サンダル、浴衣、羽織。
ボリュームたっぷりなボディ(^^)。



「ごめんなさい・・・あたし、ヘンなこと言っちゃったかな。
田舎もんだから。許してね」と、ぺこり。

にこにこ。まんまる。ふんわりの津軽娘ちゃん、理沙。



愛紗は「いいえ、わたし・・・無理してたの。誰かに許してもらいたかったの、
きっと。気に障ったとか・・・・・そういうデリケートな人じゃないし」

と、にっこり。


理沙もにっこり「それなら良かった!」と、笑って。
くるり。
踵を返して、屋上の扉を開けて・・・・。
階段をぱたぱた。



菜由は「颯爽としてるなぁ、やっぱ、機関士って。ああいう人じゃないと
勤まらないのかな」


愛紗のおじいちゃんも機関士だったから「そう・・・なんか、それでかな」
理沙が、祖父とのコトバのいさかいが原因で

人生を、その祖父への想いだけで、変えてしまった。
そういう潔さや、想い。

ステキだと思って。自分にはそれが無いんだと・・・。
そういう不甲斐なさを感じて、それで泣いたのも、少しはあった。


「鉄道員になれない、なんて決め付けていて、安易にバスのドライバーに
なろう、なんて・・・その気持がダメなんだ」と。

それを見透かされた気持もあった。


そのバスですら、大岡山ではダメ。


無力感。だろうか。



「でも・・・さっぱりしちゃった!なんか」と愛紗。(^^)。

菜由は「そう。よかったね」(^^)。



まっすぐ生きよう。思ったままに。
そう思う愛紗だった。





階段を下りて、408に行くと・・・・理沙の姿は無かった。


「あれ?」と言うと


由香が「ああ、理沙ちゃん?寝るって。明日乗務だから」
と、自分のベッドでごろり

まだ10時前だった。

愛紗は「乗務って、11時半でしょ?」
と、コーナー・ソファに手を掛けて。



友里絵は「いいなー、そんなに寝れて」と、実感。

自分のベッドに腰掛けて。



バスガイドだって、翌日が05:00点呼、なんて時でも

前日が22:00退勤、なんて事はあった。
まあ、ドライバーと違って、運転はしないけど。
それでも、眠いことは眠い。

22:00=>帰宅23:00=>風呂、メシ(笑)=>0:00。

4:30には出勤していないとならない。

由香は「帰ったら、またそれだよ」


友里絵は「夏休みの終わる日みたいな事いわないで」


愛紗は「宿題がないだけいいけど」


ホント、と、みんな笑った。

パティは「寝られないのはきついですね」
コーナー・ソファの窓際に座って。
電気スタンドの明かり、ゆらゆら。
ほんのりと、温かみのある灯り。



ともちゃんは「私も、明日が早い時とか・・・寝られないことあるなー」

と、浴衣の膝のところを、ほじほじ。




さかまゆちゃんは「一杯やったりして」と、冗談。


ともちゃん「ノンノン」と、手を振って「アルコール出たらタイヘン」


友里絵は「おしっこに?」


みんな笑って。

由香が「呼気だって」

友里絵「コキ?ああ、あれか」と、右手をしこしこ。


由香は「バカ」(^^)。


ともちゃんは「なに?それ・・・」と、同じマネ。


さかまゆちゃんは「なんだろね・・・」と。



菜由は「さ、オフロ行って寝よ」


パティ「そだね、あ、友里絵、朝、起きたら金鱗湖行く?すぐそこだから」


友里絵「うん!起きれたらね」

由香「それが問題だ」


と、みんな笑った。

由香「遅刻王だからなー」



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