ふたりのMeg

深町珠

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予定調和

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「天使さん、あなたは
傷ついてまで、命を落とされかけてまで
なぜ、めぐを助けて下さったのですか」と
わたしは、聞きたくなった。


「....いえ、そうなってしまっただけで
あぶないと、思ってはいませんでした、なぜか。
」と、天使さんは何気なく話す。

その、自然な言葉。

なんでもない事、と
言ってしまう、天使さんには
損得、と言う
人間のような、感覚はないのでしょうと
わたしは思った。


わたしだって、赤ちゃんが浚われそうだったら
咄嗟に助けるかもしれないけれど

そんなこと、と
天使さんはいうのね。





めぐは、そのおかげで
いま、生きながらえている。



わたしは、めぐの部屋を出てから

ルーフィに会いに、屋根裏部屋へ行った。



ルーフィは、まだ寝てた(笑)。


「こら!おきろ!」とわたしは
ルーフィを起こして


「天使さんに会ったわ」と告げた。

ルーフィは、寝ぼけたまま
「んー、なに?めぐちゃん、かわいいおっぱい」


なんて(笑)


「何いってんの!この。」と、わたしが言うを


ルーフィは「冗談冗談」と、誤魔化して(笑)



どこまで冗談だか(笑)




「それで、天使さんは何だって?」と聞くルーフィに


わたしは、おばあちゃんの話、天使さんの話を
伝えた。



「ねぇ、魔法使いが降臨するって、わたしたち?」



そう、神様が予言されたと言う、話。




「どうかなぁ?そこまで予定調和的じゃない、と
思うよ、僕らって違う時空から来てるし。」

でも、説明は付くね、とも
言った。




「神様」って言っても
それは、時空がひとつの場合の、その時空の「天界」を
司る者に過ぎないと言う事を、わたしたちは実感した事になる。

多次元宇宙であり、それぞれに神が存在するならば

八百万の神様、なんて言われてる頃と同じこと...。


それぞれの天界に、また、魔界も存在している。


わたしたちは、その中のひとつの世界、時空に居るだけ、だ。


でも、だから矮小と言う事でもない。


だれかを好きになったり、愛を感じて分かち合う時
わたしたちの感覚は、無限大の広さの空間になったようで

時間は、相対性理論のようにゼロ、つまり点に留まってしまう。










ふつうの朝


そう、この世界にも3年後に
わたしがそうしたように

この世界の、ルーフィと
めぐが、出逢うかもしれない。


でも、そのためには
3年後までめぐが生きている必要がある。


そういう可能性もあるのだろう。

現実の世界は、お話と違って
複雑なのね。

そんなふうに、わたしは思った。


「それで、隣町の気術使いさんに会うの?」と
わたしが言うと


「そうだね、会う前に電話してみようか」と
ルーフィは言った。





朝は、まだ始まったばかり。

きょうは、何が起こるだろう。




そんな;わたしたちの心配とは
かかわらず


時間は、淡々と過ぎてゆく。

いつものように、めぐは目覚めて
ブレックファースト。
天使さんとふたりぶんだから、いっぱい食べるのかと
思うと、そうでもなく(笑)
天使さんは、食べたりしなくてもいいのだそうだ。


今朝は、ミルクティをアイスにして。

それと、フランス生地のサンドイッチ。
さっぱりとしたレタス、それと
ルバーブのジャム。


フランス生地って、油ものと
よく合うのは

フランス料理って、こってりさんだから
なのかしら?


なんて、めぐは楽しそう。


フランスの風土に合った、お粉とお塩、と
酵母でできているフランスパンは、風土に合った
自然の中でできたもの。


その、さっぱりした気候なので
フランスのお料理は、こってりさんに
なった、とも言えそうで。


なので、気候を通して

パンとお料理は、相性が良くなっている。


それが、住む人の感性で
積み重なってきた記憶、だ。


そんな風に、歴史も重なっている。


わたしたちが、ちょっと違うのは
別々の時空から来たから。


でも、それぞれに似ているわ。


そう、わたしは思う。




制服が無いので、好きな服を選べて楽しいって
めぐはにこにこ。


きょうは、何を着ていこうかな....?






-----------------
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ささやかに願う


ハイスクールで制服があるのは
この地方では珍しく、宗教に関わった学校とか

そのくらいのものだったから
ちょっと、めぐは
着てみたい、なんて思ったけれど


「でも、毎日同じ服を着るのも」
ちょっと大変だし、お洗濯が間に合わないと
清潔に保つのも大変、なんて思ったり(笑)


実際、そういう理由で
制服を定めないハイスクールも多いので

自由な発想で、服飾のセンスも磨ける
いま、も
それはそれで良いと

めぐも納得したり。





「きょうは、ルーフィさん、おでかけになるのかしら?」と

めぐは、そんな風に思う。

思いが募って、愛を伝えてしまったけれど
やっぱり、言わない方がよかったのかもしれないと
めぐは、ちょっぴりだけ思ったりして。

でも、言ってしまったので
すこし、すっきりしたような

不思議な心持ちでもあった。


「ルーフィさんには、Megさんが
いらっしゃるのだから。」


とはいえ、めぐ自身の3年後と言う
変な存在なのだけれど(笑)

だから、ライバルは未来の自分自身(笑)


それって、ライバルって言えるのかしら?(笑)
なんて、めぐは可笑しくって

くすくす笑った。





めぐは、ルーフィたちが
今日は、一緒に出かけないので

ひとりで学校に行く事になって。



「....ちょっと、さびしいな」なんて思ったりもして。

さわやかな夏服の
白い袖を、ちょっと引っ張って直したりして
気分を整えた。


短く揃えた髪を、指で倣って。


路面電車の通りまでの、坂道を下る。



「3人一緒だと、楽しいのに」と
いつか、別れの日が来る、そんな事を
考えないように、した。



きらめく、夏のひざしを思わせる
こもれびの中

さわやかな気持ちでいよう、と
そんなふうに思ったり。



ただ好きなだけ、って
気持ちだけだった

ちょっと前の自分を


「すこし、恥ずかしいわ」って
思ったりするくらい、少し大人っぽくなったのかな


なーんて、じぶんで思ったり。

微妙なお年頃。







毎日、赤いお屋根のスクールバスに乗って
通った学校も

いつか、思い出になっちゃうなんて

そんな事、思いもしないめぐたったけど

その事を、ルーフィと未来の自分に
会ったことで、気にしてしまっためぐは


ちょっとだけ、おとなになったのかな?


「おはよ」って

スクールバスで毎朝会う、クラスメート。

何気ない事が、しあわせなんだって
ちょっぴり、思ったり。


「おはよ、めぐ」って


いつもなかよしのクラスメートは
きょうは、ちょっと聞きたくないニュースを
教えてくれたりする。

「もうすぐ、プール開きね。」


スクールバスが、石畳の道を

ゆっくり、ゆらゆら。

長いお鼻を持ち上げて

坂道を昇りながら。


めぐは、ちょっと水泳がニガテだった。

なーんとなく、水着になるのが
恥ずかしいから。

女子校だから大丈夫、と言う事でもなくて
ちょっと、子供っぽい体型が気になってる、
そんな感じだった。



それで今年は、Megに会って
3年後、自分がそのくらいに成長するのかしら、なんて
面白い想像をしたりした。



物理的な寸法に大差ないのだが(笑)

気持ちってそんなものだ。


「もう始まっちゃうの、やだなー」と
めぐは、クラスメートには
ちょっと乱暴な言葉を使ったりもして(笑)


「そう、わたしは好き、泳ぐの」と
クラスメートはにこにこしながら
髪を後ろで束ねて、Chou Chouで止め直した。


もう、夏なのだろう。


見上げた青い空は、みづいろ。

白い雲はもくもく。

なにか、楽しい事が起こりそうな夏休みも、もうすぐ。



学校はすぐそばなので、ポプラのそばに
バスは停まる。

にぎやかに学生たちは降りて。


めいめいに校舎に散っていく。


1時間目は物理。

なぜか、理科系を一科目取る事になっている
面白い学校なので、いろいろ悩んで
物理を選んだめぐ。

失敗したかなと思ったけれど
いまでは、ルーフィとの会話に
物理の話が出てきたりするので

物理を選択してよかった、と思っている。

それに物理は、生物よりも覚える事が少なくて
楽だった。


化学よりも単純な感じがした。


図書館司書になるつもりのめぐは
仕事がそんなにないので

就職先が見つかるまで、小学校の先生に
なるのもいいかな、なんて
夢もあったりもして。


その時、理科が分かると
就職にも有利、とか

そんな事も、一応考える
賢い子(笑)だったりして。



今日の授業は、物体と運動式、のおさらい。

S=vit+1/2at2 v2=v1+at v22-v12=2as


なんていう式で、未来が予測できたりするのは
不思議だったけど、理論を教えてもらうと

なるほど、その通りと

納得できたりするのは、ルーフィにあった事で
未来、に興味を持ったせいもあったり。


きっかけは、なんでもいいのだけど。


それで、運動方程式概論を述べてみせると

のんびりした感じの理科教師、おじいちゃんで
ヨークシャーテリアみたいな感じの
かわいらしい先生が
「はい、よろしい、よく理解してるね」と
にこにこ、ほめてくれると

なんとなく、うれしかったりもして(笑)


きょうは、いい子のめぐだった。



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