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魔法使いミランダの遊び
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街から外れた奥深い森に、古ぼけた廃墟状態の屋敷が一軒あり、屋敷の門は壊れた箇所が多くても、カラスが門番として集っていた。
屋敷の三階部屋にいた白髪でシワシワの老人ミランダは、自分の所有物である数百枚の絵に魔法にかけて、その絵に話かけていた。
「お前達が、美術館に飾られたら、人間のパワーを奪うのだ。そのパワーはミランダの生命となるのだ!」
響き渡る老婆の声は、屋敷中響き渡った。
小柄であるミランダの格好はラメ入りの赤と黒の混ざったドレスに黒いマントを羽織っていた。
「ミランダの声はいつも大きいのう……レンもそう思わないか?」
ミランダの自室である扉近くには、床に置かれている2枚の人物絵は、細々と小声で話をしていた。
「チップ、ミランダの悪口は言わない方がいいぞ。昔ミランダがフラント領国のルーディ城にいた頃、城の騎士であるビューを闇の世界に葬ったと聞いたよ。ミランダに怖いものは無い。彼女は闇の魔女なのさ」
「闇の魔女!」
青ざめた顔で怖がるチップは、それ以上何も話せずにいた。
そんな中『春の乙女』という絵の中から、泣き出す女の声をミランダは苛立ちながら彼女を見ていた。
「またお前か。シモーヌ……泣くな! ビューは、遠い所に絵として飾られている。泣いたって戻ってこないさ。」
「あの人は、元々私の絵の中にいる人よ。なんで別々にさせたの……ひどいわ」
彼女は、ミランダに訴えていた。
「アイツは私の仲間さ! なのに、ビューはお前に会ってから魔法使いをやめて、王付きの騎士として働いた。お前のせいで腑抜けになったのさ。私が別の絵に入れてやったが、その絵は今何処に有るのか分からなくなってしまった。そこでだシモーヌ。お前が、ビューの絵を持ってくることが出来たなら、シモーヌの絵の中に戻してやってもいいぞ」
「私は絵の中でしか過ごせないのよ。どうやって、彼を探すの? ミランダ!」
泣きながら訴えるシモーヌは、ミランダに言った。
「簡単さ。幽霊を知っているだろう。人に取りつく亡霊。シモーヌ、お前は他の人間に憑依すればいいのさ」
せせら笑いをするミランダは、シモーヌにそう答えたのだ。
「私が、人に憑依!そんなこと、私ができるわけないでしょ」
困惑しているシモーヌは、何で人間に憑依しなければいけないのか理解出来ていなかった。
「そう。八百年も私の魔法にかかった影響で絵の人物だけが、幽霊の姿で人に憑依することが出来るのさ。人に憑依すれば、ビューの絵を取り出せるだろう。お前が人に憑依できる時間を与えてあげよう。ただし、2か月間だ。それ以上見つからなければ……」
「見つからなければ何なの?」
「お前がいた絵は、私の魔法で自然燃焼するようにしておく。そうなれば、お前は闇の世界に旅立つ。ギャーハハハ面白くて、可笑しいわ」
狂うように大笑いするミランダの顔が歪み化け物みたいな悪人の顔をしていた。
その様子を見ていた床に置かれている2枚の絵の人物であるレンとチップは、シモーヌに同情していた。
屋敷の三階部屋にいた白髪でシワシワの老人ミランダは、自分の所有物である数百枚の絵に魔法にかけて、その絵に話かけていた。
「お前達が、美術館に飾られたら、人間のパワーを奪うのだ。そのパワーはミランダの生命となるのだ!」
響き渡る老婆の声は、屋敷中響き渡った。
小柄であるミランダの格好はラメ入りの赤と黒の混ざったドレスに黒いマントを羽織っていた。
「ミランダの声はいつも大きいのう……レンもそう思わないか?」
ミランダの自室である扉近くには、床に置かれている2枚の人物絵は、細々と小声で話をしていた。
「チップ、ミランダの悪口は言わない方がいいぞ。昔ミランダがフラント領国のルーディ城にいた頃、城の騎士であるビューを闇の世界に葬ったと聞いたよ。ミランダに怖いものは無い。彼女は闇の魔女なのさ」
「闇の魔女!」
青ざめた顔で怖がるチップは、それ以上何も話せずにいた。
そんな中『春の乙女』という絵の中から、泣き出す女の声をミランダは苛立ちながら彼女を見ていた。
「またお前か。シモーヌ……泣くな! ビューは、遠い所に絵として飾られている。泣いたって戻ってこないさ。」
「あの人は、元々私の絵の中にいる人よ。なんで別々にさせたの……ひどいわ」
彼女は、ミランダに訴えていた。
「アイツは私の仲間さ! なのに、ビューはお前に会ってから魔法使いをやめて、王付きの騎士として働いた。お前のせいで腑抜けになったのさ。私が別の絵に入れてやったが、その絵は今何処に有るのか分からなくなってしまった。そこでだシモーヌ。お前が、ビューの絵を持ってくることが出来たなら、シモーヌの絵の中に戻してやってもいいぞ」
「私は絵の中でしか過ごせないのよ。どうやって、彼を探すの? ミランダ!」
泣きながら訴えるシモーヌは、ミランダに言った。
「簡単さ。幽霊を知っているだろう。人に取りつく亡霊。シモーヌ、お前は他の人間に憑依すればいいのさ」
せせら笑いをするミランダは、シモーヌにそう答えたのだ。
「私が、人に憑依!そんなこと、私ができるわけないでしょ」
困惑しているシモーヌは、何で人間に憑依しなければいけないのか理解出来ていなかった。
「そう。八百年も私の魔法にかかった影響で絵の人物だけが、幽霊の姿で人に憑依することが出来るのさ。人に憑依すれば、ビューの絵を取り出せるだろう。お前が人に憑依できる時間を与えてあげよう。ただし、2か月間だ。それ以上見つからなければ……」
「見つからなければ何なの?」
「お前がいた絵は、私の魔法で自然燃焼するようにしておく。そうなれば、お前は闇の世界に旅立つ。ギャーハハハ面白くて、可笑しいわ」
狂うように大笑いするミランダの顔が歪み化け物みたいな悪人の顔をしていた。
その様子を見ていた床に置かれている2枚の絵の人物であるレンとチップは、シモーヌに同情していた。
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