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第1章 さぁ冒険を始めよう!
第4話 狂牛を啄む鴉
しおりを挟む地面を蹴る。
剣を抜き、『武技』を発動させる。
「『セイバー』」
青く光輝き、虫型モンスターの横腹を深く切り裂く。そして斬撃の残像と共に弾けて消えた。
Lv10なった武器系スキルはすべて『武技』が使えるようになる。武技はプレイヤーの姿勢、スキルの熟練度、発動のための言葉によって発動させる事ができ、威力が上がる。が、使用後数秒硬直し、クールタイムがあるため、使い勝手はそこまで良いと言えないらしい。
だがソロではこれを使いこなさないとかなりきつい。ということで今は練習しているのだ。かれこれ3日かかってる。結構疲れた。
「ま、だいぶできてきたし、タウロス狩りに行きますか」
♢ ♧ ♡ ♤
40分後、ポーションを買い、やっとボスである《タウロス•ヴァーサーク》と対峙する。
「4日ぶりだね」
マジメ、結構長かった。
ナイフを回しながら走り出す。
「『鴉』」
速く、強く、直線に。ただそれだけを極めた【投擲】単発『武技』。
【投擲】の『武技』の中で一番使い勝手が悪いが一番速度と威力が高い派生らしい。まず器用さが一定以上なくちゃ使えず、器用さ重視の僕でも【ペン回し】による補正も含めて30%の確率でしか発動させることができない。
運良く発動し、《タウロス》の顔面に当たる。
威力は普通の【投擲】の約5倍なのでぶっちゃけ『セイバー』より威力が高い。
いっきに20分の1が削られ、《タウロス》が吠えるが、気にせず【投擲】する。
《タウロス》は中•長距離が極端に弱かったため、僕の猛攻に耐えられず、およそ15分でその体を爆破させた。
同時にアイテムの回収の音がなり、戦闘を静かに終えた。
「ふぅ。結構楽勝だったわ」
いや~ここまで楽勝だとなんか嬉しい感じがする。
僕はこれから起こる出来事なんかに気付くはずもなく、ただ勝利を一人噛み締めるだけだった。
…
……
…………。
♤ ♡ ♧ ♢
街つく。
歩きながら《セカン》でのクエストについて考える。
《セカン》には街のどこかに運営プレゼントがあるらしい。
何やら“ドッキリ”的な感じのプレゼントでカップルで探すといいとか…。
ま、まぁ僕には関係ないけどね!?(泣)。
運営によると“場所”と“条件”が揃うとプレゼントが手に入れられるらしい。
というわけで今探しているのだが…
取り敢えずそれらしいところを回る。
「は~やっぱ“条件”がわからないとね~」
見晴らしの一番良い教会のベランダに続く坂を降りる。この教会は4階建てのかなり巨大な建物だったので下まで20mはある。下手したら死ねるたかさだ。と言っても1時間の行動阻害だが……
思ってたより眺めが良かった。
夕焼けに遠くに見える湖の水が乱反射してキラキラ光っていた。
「キレイだなぁ……
……案外ここが“場所”だったりしてね。」
街の何処かにいるNPCに聞けば場所はわかるらしい。がまだ見つかってないとか。
まぁしばらくここで休もう。
僕は特にする事もなく、一人静かに景色を眺めてた。
___________
ルナ
Lv15
持ち金:195300コル
HP:230/230
MP:276/276
筋力:265
速度:310
頑丈:201
魔力:278
器用:329
体力:235
スキル:【千里眼Lv15】【投擲Lv14】【剣術Lv14】【魔力Lv11】【水魔法Lv11】【ペンまわしLv12】【軽業Lv10】【限界突破Lv9】【祈りLv1】【手品Lv1】
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応援ありがとうございます!
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