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第19話 魔王、引き留められる
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このオレ、魔王ヴォルトは、勇者ユウと力を合わせ、人間たちを騙して魔界と戦争をしているヴァレンシュタイン王国の一部の人間に制裁をすることになった。
しかしここは、ヴァレンシュタイン王国とは遠く離れた場所だ。
「ところでユウよ。貴様はオレと同じで一文無しだろう?これからヴァレンシュタイン王国に向かうにあたって、路銀の用意はどうする?」
「何も考えてないし、稼ぐ方法も心当たりがねえな……」
「それでは、お前もオレと一緒に冒険者をやらぬか?」
「冒険者ぁ?」
「オレも転生して無一文だったため、冒険者として登録し、魔物退治などの報酬をもらって日銭を稼いでいる。お前も誰かの世話になってばかりもいられんだろう?」
「確かに自分で食う分くらい自分で稼ぎたいが、さっきも話したけど、俺は戦いは素人だぞ?」
「大丈夫だ。それなら稼ぎは少ないが、薬草採取とかのクエストだってある。冒険者ギルドに登録すれば、どこの国に行っても報酬を受け取れるらしい。便利なシステムがあるようだ」
「へえ……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!」
そこで新米騎士のサラが割り込んできた。
「どうした?というかお前、なんでここにいるんだっけ?」
「わ、私は、勇者様が現れたと聞いて、騎士団から遣わされてきたんです!何かの間違いだろうと思われてて、私みたいな新米が遣わされたんですが、ここまで話が大ごとだとは思いませんでした。上司に報告しなければならないので、お二人とも少しの間この街に滞在していてもらえませんか?」
「むう……」
あまり細かい行動指針は考えていなかったが、オレたちはヴァレンシュタイン王国の悪事を暴くため、あまり早い段階で向こう側にオレたちの情報を流されたくはない。サラの所属するこの国の騎士団はどちら側になるのだろうか?向こうに内通者がいては困ることになりそうだ。
すると、水精霊神官が口を挟む。
「サラ様、ヴォルト様の事はまだお話しにならない方が良いかと思います。ユウ様の話も、ヴァレンシュタイン王国へと通じている者の耳に入ると不都合があるでしょうから、まずは本当に信頼できる方だけに話を報告して、指示を仰いでみてはどうでしょうか?」
なかなか良いことを言う。この男は我々の味方のようだ。怪しいそぶりを見せたら、大量の魔力を消費してしまうが、記憶改ざんの魔法をかけてやろうと思っていたところだが、その必要はなさそうだ。
「分かりました。それでは騎士団長だけに話を聞いてもらいます。団長は清廉潔白で騎士の鑑のような人です。信頼してもらっても大丈夫です」
「分かった。信用しよう。ではサラからの連絡があるまでは、この街に留まっていよう。オレはこの神殿の近くの、黄金の鶏亭という店に止まっている。何かあったらそこまで連絡をくれ」
「分かりました。ところでヴォルトさんの方こそ、なぜこの水精霊神殿へ?」
「そうだ!忘れていた」
俺は精霊魔法を覚えようと思い、この水精霊神殿に来たのだった。偶然サラと勇者と出くわして、そのことをすっかり忘れていた。
この後、水精霊神官に教えてもらい、運良く水精霊魔法、水精小回復を覚えた。これはオレの使う魔力魔法の小回復とほぼ効果が同じだが、消費魔力が少ない優れものだ。だが水の精霊が少ない土地では使えないらしい。
しかし悔しいのは、魔法使いであるオレが苦労して覚えたこの魔法が、ついでに一緒に話を聞いていたユウとサラもちゃっかり覚えたという事だ。しかもオレが習得するよりも早く。悔しい。
しかしここは、ヴァレンシュタイン王国とは遠く離れた場所だ。
「ところでユウよ。貴様はオレと同じで一文無しだろう?これからヴァレンシュタイン王国に向かうにあたって、路銀の用意はどうする?」
「何も考えてないし、稼ぐ方法も心当たりがねえな……」
「それでは、お前もオレと一緒に冒険者をやらぬか?」
「冒険者ぁ?」
「オレも転生して無一文だったため、冒険者として登録し、魔物退治などの報酬をもらって日銭を稼いでいる。お前も誰かの世話になってばかりもいられんだろう?」
「確かに自分で食う分くらい自分で稼ぎたいが、さっきも話したけど、俺は戦いは素人だぞ?」
「大丈夫だ。それなら稼ぎは少ないが、薬草採取とかのクエストだってある。冒険者ギルドに登録すれば、どこの国に行っても報酬を受け取れるらしい。便利なシステムがあるようだ」
「へえ……」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください!」
そこで新米騎士のサラが割り込んできた。
「どうした?というかお前、なんでここにいるんだっけ?」
「わ、私は、勇者様が現れたと聞いて、騎士団から遣わされてきたんです!何かの間違いだろうと思われてて、私みたいな新米が遣わされたんですが、ここまで話が大ごとだとは思いませんでした。上司に報告しなければならないので、お二人とも少しの間この街に滞在していてもらえませんか?」
「むう……」
あまり細かい行動指針は考えていなかったが、オレたちはヴァレンシュタイン王国の悪事を暴くため、あまり早い段階で向こう側にオレたちの情報を流されたくはない。サラの所属するこの国の騎士団はどちら側になるのだろうか?向こうに内通者がいては困ることになりそうだ。
すると、水精霊神官が口を挟む。
「サラ様、ヴォルト様の事はまだお話しにならない方が良いかと思います。ユウ様の話も、ヴァレンシュタイン王国へと通じている者の耳に入ると不都合があるでしょうから、まずは本当に信頼できる方だけに話を報告して、指示を仰いでみてはどうでしょうか?」
なかなか良いことを言う。この男は我々の味方のようだ。怪しいそぶりを見せたら、大量の魔力を消費してしまうが、記憶改ざんの魔法をかけてやろうと思っていたところだが、その必要はなさそうだ。
「分かりました。それでは騎士団長だけに話を聞いてもらいます。団長は清廉潔白で騎士の鑑のような人です。信頼してもらっても大丈夫です」
「分かった。信用しよう。ではサラからの連絡があるまでは、この街に留まっていよう。オレはこの神殿の近くの、黄金の鶏亭という店に止まっている。何かあったらそこまで連絡をくれ」
「分かりました。ところでヴォルトさんの方こそ、なぜこの水精霊神殿へ?」
「そうだ!忘れていた」
俺は精霊魔法を覚えようと思い、この水精霊神殿に来たのだった。偶然サラと勇者と出くわして、そのことをすっかり忘れていた。
この後、水精霊神官に教えてもらい、運良く水精霊魔法、水精小回復を覚えた。これはオレの使う魔力魔法の小回復とほぼ効果が同じだが、消費魔力が少ない優れものだ。だが水の精霊が少ない土地では使えないらしい。
しかし悔しいのは、魔法使いであるオレが苦労して覚えたこの魔法が、ついでに一緒に話を聞いていたユウとサラもちゃっかり覚えたという事だ。しかもオレが習得するよりも早く。悔しい。
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