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第29話 魔王、やりすぎをちょっとだけ反省する
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その後オレたちは、スカーレットによって別室に案内され、しばらく待つように言われた。
オレが第一王子を再起不能にした後、王子の私兵たちはオレを取り押さえようにも実力差がありすぎてできるはずもなく、ただ茫然と立ち尽くしており、冷静さを取り戻したスカーレットがその場を収め、オレとユウをこの部屋で待つよう案内してくれた。
私兵たちはオレたちがその指示に従うか不安そうだったが、別に暴れるつもりもないためオレたちは素直にそれに従い、今この部屋にいる。
「何が策略家だよ?ブレブレじゃねえか。もしかしてお前の思い通りに事が進んだことなんてないんじゃないのか?」
ユウの鋭い言葉が、オレの繊細なハートに突き刺さる。オレの事をそこまで知らないはずなのに、なぜか的を得ている気がする。
「人生というのは不思議なものだ。思い通りにならない事の方が多い。運命の力に比べたら人間の力は弱い。運命に逆らうのではなく、流れるままに従うしかないのだ」
「それっぽいこと言ってるけど、計画通りに行かない事を言い訳してるようにしか聞こえないぞ?」
「くっ……」
魔界では、皆オレの言葉に納得したものだが、こいつ……。
「まあでも良かったんじゃねえか?スカッとしたぜ。おまえがやんなきゃ俺があいつぶっ飛ばしてたと思うしな」
オレはやりすぎたと少し凹んでいたのだが、ユウにそう肯定され少し気が楽になったような気がした。
オレとユウとでは全く違う性格だと思うのだが、根っこの部分ではどこかよく似ているのかもしれない。
「フフ、ユウではオレのように手加減が出来ずに殺してしまいかねないからな」
「何言ってんだよ!テメーこそ手加減できてねえじゃねえか!みんなドン引きしてたぞ!」
「ぐぐっ。何だと?!」
前言撤回だ。こいつとオレとは、やはり似ていない。
そんな会話をしている時、部屋の扉がノックされ、スカーレットが一人の老人を連れて部屋へと入って来た。
オレたちは雑談を止め、その老人に注目する。
60歳くらいの還暦を迎えたかどうかという年齢だろう。
寝巻姿のその老人は、オレたちが座るテーブルの反対側に座ると深く頭を下げた。
「この度はずいぶん迷惑をかけたようで、すまなかった」
オレたちもつられて頭を下げる。
誰だこのじいさん。謝る専門の役職とかあるのか?
「あの第一王子については、わしも頭を悩ませていた。聞けば二人は、わざわざあのバカ王子を助けるために来てくれたとか。そんなお二人に対し勘違いした態度を取っていたようで、あれは自業自得としか言いようがない」
「うむ。その通りだが、まずはじいさん、あんたは何者だ?オレはヴォルト。こいつはユウ。じいさんもまずは名乗ってくれんと何の話をしたいのやら……」
「おお、申し訳ない。息子が老人になってしまったのを見て混乱していた。ワシはこの国の王をしている、エドワード・イクス・シャンダライズだ。あのバカ王子の父親でもある」
なんと!国王自ら、しかも連れは騎士団長のスカーレット一人だけで、王子を再起不能にしたオレに会いに来たのか!
その服装も急いでいたのだろう寝巻のままで、こんな普通の部屋までやって来たようだ。
あのバカ王子ですら、オレ達と会うのにわざわざ謁見室で豪華に着飾って大げさにしてたのに。
オレはじっとこの国王の顔を見た。
オレくらいになると、人相でその性格もだいたい分かるのだ。
第一王子の顔を見ただけで、あいつは自分が世界で一番偉いと思っていて他の人間を見下しているのが分かった。つーか、それはオレじゃなくても分かるよね。
この国王の顔は……、なるほど、息子と違って話の分かる男のようだ。
「国王陛下自ら、オレたちに会いに来てくれたとは驚いた。息子を老人にされて、怒っていないのか?」
「いや、今回は国王としてではなく、あのバカ息子の父親として来させてもらった。実はアレには手を焼いていてな。本当なら年齢的にもとっくに王位を継いでいてもいい頃なのだが、あの性格ゆえ、あれを国王にしては国が混乱……ひいては滅びる可能性もあると思って躊躇していた。アレの母親の第一王妃が問題でな。息子の言うことは何でも聞いて、お前は選ばれた特別な人間なのだと教育するものだから、息子はあんな風に育ってしまった。母親は第一王妃という立場ゆえ誰も逆らう事ができず、夫であるワシの言う事も聞かず、ずっと困っていたのだ。問題を先延ばしにしてるだけだと分かってはいたのだが、結局今日まで来てしまった」
「なるほど。だが実の息子をあんなヨボヨボの老人にされてしまったのだ。それについて怒ってはいないのか?だが安心しろ。なに、ちょっと灸を据えてやっただけだ。実は生命力を戻してやれば、あれを元に戻してやることができる」
「いや、それは結構だ」
「何?」
「元に戻してもらったとしても、アレが反省して心を入れ替えるという事はないだろう。逆にお主の事を逆恨みするだけだ」
まあ確かに、それは容易に想像できる。
「アレがあんなになってしまっては、王位を継承することもできん。そちらのほうがワシにとって好都合だ」
「それは、息子が再起不能にされて喜んでいるって事か?」
「ぶっちゃけるとそうだ」
「ワハハ!」
堅苦しい駆け引きより、こうしたぶっちゃけた話の方がやりやすい。この男は腹を割っていて話しやすいな。
「第一王子は、ワシの客人の他国の国王に対し無礼を働いたため、永久追放したという事にさせてもらう。なかなか名目がないと失脚させることもできぬのでな。悪いがお主の事を利用させてもらう」
「それくらだったら構わんぞ」
「ところでお主は、どこぞの国の国王だとか?どこの国の国王なのだ?身分を隠して他国を放浪しているとは、何か理由があるのだろう?言いにくいのであれば言わなくて構わんが」
「うむ。ここまで腹を割った話をしているのだから話そう。オレは魔界の王。魔王ヴォルテージだ」
オレが自らを魔王と名乗ったことにたいし、対面に座るこの国の国王エドワードも、その横の騎士団長スカーレットも、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
「だ、だがお主は魔族ではなく人間のようだが……?」
「実はな、オレはこの勇者ユウに一度殺され、転生をした。その時に肉体は人間になってしまったのだ。だがこの心も、身体能力も、魔力も、魔王の時のまま衰えてはおらん。間違いなくオレは魔王ヴォルテージだ」
「勇者様……?」
スカーレットがユウに問いかける。ユウは頷くと言った。
「間違いない。こいつは魔王ヴォルテージだ。俺もコイツと相打ちになって、そして先日この国の水精霊神殿に転生したところだ」
「それではなぜ二人が今一緒に?魔王と言えば、全ての魔物を率いる、人類の敵では?」
国王が恐怖している。やはりこの国でもその誤解が広まっているようだ。一から説明をしなくてはいけない。
「順番に説明しよう。まずオレは、魔族の王であり、魔物の王ではない。魔物は我ら魔族にとっても敵だ。オレが魔物の王だという嘘は、魔界に隣接するヴァレンシュタイン王国によって広められたのだ」
「にわかには信じられんが……、もしお主が魔王だったとして、今暴力ではなく対話に臨んでいるところをみると、それは本当なのだろう。だが、だとしたらなぜヴァレンシュタイン王国はそんな嘘を?そしてお主の目的は何だ?」
「ヴァレンシュタイン王国は、魔界で発掘できる魔石を狙い、魔界へ侵略戦争を仕掛けてきている。侵略を正当化するために嘘をついているのだな。嘘が信じられてしまったのは、人間界との接触をしてこなかった我々にも落ち度はあるのだが。オレの目的は、ヴァレンシュタイン王国に乗り込み、裏で手を引いているオーテウス大司教たちを断罪することだ。そのためにこの勇者ユウとも手を組んだのだ」
「俺もあいつらに騙されてたんだよ」
ユウも頷く。
遠い他国の話とは言え、その真実を知らされたシャンダライズ国王エドワードは、ひどく驚いていた。
「なんと……」
「話したからには、お前にも協力してもらうからな!」
「わ……ワシにできることとは?正直この国がヴァレンシュタイン王国に戦争をしかけても、まったく歯が立たぬぞ」
「それくらい分かっている。さきほどそこの騎士団長のスカーレットと手合わせをしたが、全く相手にならなかった。どうせこの国は戦争もなく平和なのだろう。戦う牙を研いでこなかったとみえる」
「申し訳ありません……」
スカーレットが己の非力さを謝罪する。悪いのはスカーレットだけではないのだがな。まあいい。
「オレが頼みたいのは、この話をオレたちがヴァレンシュタイン王国まで着くまで黙っていてほしい事と、そのヴァレンシュタインまでの移動の手伝いをしてほしいということだ。オレもユウも転生したばかりで無一文でな。旅費を稼ぐためにスケルトン退治をしていたところなのだ」
「……それだけで良いのか?お主ならこの国を征服し支配することも簡単だろう?」
「勘違いするなよ?魔界が人間界と戦争を続けているのは、ヴァレンシュタインの奴らが攻めてくるからだ。こちらから人間界へ侵略しようとしたことなど一度もない。魔族は勇敢だが、強欲ではない。オレたちは本来平和を愛する一族なのだ」
「……失礼した。魔王ヴォルトよ。ワシがこの国の国王でいる限り、このシャンダライズ王国はおまえに協力しよう」
そう言ってエドワードは右手を差し出す。オレはそれを強く握り返した。
人間も悪いやつばかりではなさそうだ。
「勇者殿も、お互い協力関係を築かせてもらいたいと思う。よろしく頼む」
「おう!」
そう言って、エドワードはユウとも握手を交わした。
「ヴォルト様。それではいつこの国を発たれますか?」
スカーレットの言葉に、オレは少し考えてから返事をする。
「そうだな。だがその前に、まだガーゴイル襲撃は解決していまい?襲撃者が第一王子が再起不能になった事を知らなければ、今夜もガーゴイルが来るだろう。まずはそれの退治をしてからだな」
オレが第一王子を再起不能にした後、王子の私兵たちはオレを取り押さえようにも実力差がありすぎてできるはずもなく、ただ茫然と立ち尽くしており、冷静さを取り戻したスカーレットがその場を収め、オレとユウをこの部屋で待つよう案内してくれた。
私兵たちはオレたちがその指示に従うか不安そうだったが、別に暴れるつもりもないためオレたちは素直にそれに従い、今この部屋にいる。
「何が策略家だよ?ブレブレじゃねえか。もしかしてお前の思い通りに事が進んだことなんてないんじゃないのか?」
ユウの鋭い言葉が、オレの繊細なハートに突き刺さる。オレの事をそこまで知らないはずなのに、なぜか的を得ている気がする。
「人生というのは不思議なものだ。思い通りにならない事の方が多い。運命の力に比べたら人間の力は弱い。運命に逆らうのではなく、流れるままに従うしかないのだ」
「それっぽいこと言ってるけど、計画通りに行かない事を言い訳してるようにしか聞こえないぞ?」
「くっ……」
魔界では、皆オレの言葉に納得したものだが、こいつ……。
「まあでも良かったんじゃねえか?スカッとしたぜ。おまえがやんなきゃ俺があいつぶっ飛ばしてたと思うしな」
オレはやりすぎたと少し凹んでいたのだが、ユウにそう肯定され少し気が楽になったような気がした。
オレとユウとでは全く違う性格だと思うのだが、根っこの部分ではどこかよく似ているのかもしれない。
「フフ、ユウではオレのように手加減が出来ずに殺してしまいかねないからな」
「何言ってんだよ!テメーこそ手加減できてねえじゃねえか!みんなドン引きしてたぞ!」
「ぐぐっ。何だと?!」
前言撤回だ。こいつとオレとは、やはり似ていない。
そんな会話をしている時、部屋の扉がノックされ、スカーレットが一人の老人を連れて部屋へと入って来た。
オレたちは雑談を止め、その老人に注目する。
60歳くらいの還暦を迎えたかどうかという年齢だろう。
寝巻姿のその老人は、オレたちが座るテーブルの反対側に座ると深く頭を下げた。
「この度はずいぶん迷惑をかけたようで、すまなかった」
オレたちもつられて頭を下げる。
誰だこのじいさん。謝る専門の役職とかあるのか?
「あの第一王子については、わしも頭を悩ませていた。聞けば二人は、わざわざあのバカ王子を助けるために来てくれたとか。そんなお二人に対し勘違いした態度を取っていたようで、あれは自業自得としか言いようがない」
「うむ。その通りだが、まずはじいさん、あんたは何者だ?オレはヴォルト。こいつはユウ。じいさんもまずは名乗ってくれんと何の話をしたいのやら……」
「おお、申し訳ない。息子が老人になってしまったのを見て混乱していた。ワシはこの国の王をしている、エドワード・イクス・シャンダライズだ。あのバカ王子の父親でもある」
なんと!国王自ら、しかも連れは騎士団長のスカーレット一人だけで、王子を再起不能にしたオレに会いに来たのか!
その服装も急いでいたのだろう寝巻のままで、こんな普通の部屋までやって来たようだ。
あのバカ王子ですら、オレ達と会うのにわざわざ謁見室で豪華に着飾って大げさにしてたのに。
オレはじっとこの国王の顔を見た。
オレくらいになると、人相でその性格もだいたい分かるのだ。
第一王子の顔を見ただけで、あいつは自分が世界で一番偉いと思っていて他の人間を見下しているのが分かった。つーか、それはオレじゃなくても分かるよね。
この国王の顔は……、なるほど、息子と違って話の分かる男のようだ。
「国王陛下自ら、オレたちに会いに来てくれたとは驚いた。息子を老人にされて、怒っていないのか?」
「いや、今回は国王としてではなく、あのバカ息子の父親として来させてもらった。実はアレには手を焼いていてな。本当なら年齢的にもとっくに王位を継いでいてもいい頃なのだが、あの性格ゆえ、あれを国王にしては国が混乱……ひいては滅びる可能性もあると思って躊躇していた。アレの母親の第一王妃が問題でな。息子の言うことは何でも聞いて、お前は選ばれた特別な人間なのだと教育するものだから、息子はあんな風に育ってしまった。母親は第一王妃という立場ゆえ誰も逆らう事ができず、夫であるワシの言う事も聞かず、ずっと困っていたのだ。問題を先延ばしにしてるだけだと分かってはいたのだが、結局今日まで来てしまった」
「なるほど。だが実の息子をあんなヨボヨボの老人にされてしまったのだ。それについて怒ってはいないのか?だが安心しろ。なに、ちょっと灸を据えてやっただけだ。実は生命力を戻してやれば、あれを元に戻してやることができる」
「いや、それは結構だ」
「何?」
「元に戻してもらったとしても、アレが反省して心を入れ替えるという事はないだろう。逆にお主の事を逆恨みするだけだ」
まあ確かに、それは容易に想像できる。
「アレがあんなになってしまっては、王位を継承することもできん。そちらのほうがワシにとって好都合だ」
「それは、息子が再起不能にされて喜んでいるって事か?」
「ぶっちゃけるとそうだ」
「ワハハ!」
堅苦しい駆け引きより、こうしたぶっちゃけた話の方がやりやすい。この男は腹を割っていて話しやすいな。
「第一王子は、ワシの客人の他国の国王に対し無礼を働いたため、永久追放したという事にさせてもらう。なかなか名目がないと失脚させることもできぬのでな。悪いがお主の事を利用させてもらう」
「それくらだったら構わんぞ」
「ところでお主は、どこぞの国の国王だとか?どこの国の国王なのだ?身分を隠して他国を放浪しているとは、何か理由があるのだろう?言いにくいのであれば言わなくて構わんが」
「うむ。ここまで腹を割った話をしているのだから話そう。オレは魔界の王。魔王ヴォルテージだ」
オレが自らを魔王と名乗ったことにたいし、対面に座るこの国の国王エドワードも、その横の騎士団長スカーレットも、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
「だ、だがお主は魔族ではなく人間のようだが……?」
「実はな、オレはこの勇者ユウに一度殺され、転生をした。その時に肉体は人間になってしまったのだ。だがこの心も、身体能力も、魔力も、魔王の時のまま衰えてはおらん。間違いなくオレは魔王ヴォルテージだ」
「勇者様……?」
スカーレットがユウに問いかける。ユウは頷くと言った。
「間違いない。こいつは魔王ヴォルテージだ。俺もコイツと相打ちになって、そして先日この国の水精霊神殿に転生したところだ」
「それではなぜ二人が今一緒に?魔王と言えば、全ての魔物を率いる、人類の敵では?」
国王が恐怖している。やはりこの国でもその誤解が広まっているようだ。一から説明をしなくてはいけない。
「順番に説明しよう。まずオレは、魔族の王であり、魔物の王ではない。魔物は我ら魔族にとっても敵だ。オレが魔物の王だという嘘は、魔界に隣接するヴァレンシュタイン王国によって広められたのだ」
「にわかには信じられんが……、もしお主が魔王だったとして、今暴力ではなく対話に臨んでいるところをみると、それは本当なのだろう。だが、だとしたらなぜヴァレンシュタイン王国はそんな嘘を?そしてお主の目的は何だ?」
「ヴァレンシュタイン王国は、魔界で発掘できる魔石を狙い、魔界へ侵略戦争を仕掛けてきている。侵略を正当化するために嘘をついているのだな。嘘が信じられてしまったのは、人間界との接触をしてこなかった我々にも落ち度はあるのだが。オレの目的は、ヴァレンシュタイン王国に乗り込み、裏で手を引いているオーテウス大司教たちを断罪することだ。そのためにこの勇者ユウとも手を組んだのだ」
「俺もあいつらに騙されてたんだよ」
ユウも頷く。
遠い他国の話とは言え、その真実を知らされたシャンダライズ国王エドワードは、ひどく驚いていた。
「なんと……」
「話したからには、お前にも協力してもらうからな!」
「わ……ワシにできることとは?正直この国がヴァレンシュタイン王国に戦争をしかけても、まったく歯が立たぬぞ」
「それくらい分かっている。さきほどそこの騎士団長のスカーレットと手合わせをしたが、全く相手にならなかった。どうせこの国は戦争もなく平和なのだろう。戦う牙を研いでこなかったとみえる」
「申し訳ありません……」
スカーレットが己の非力さを謝罪する。悪いのはスカーレットだけではないのだがな。まあいい。
「オレが頼みたいのは、この話をオレたちがヴァレンシュタイン王国まで着くまで黙っていてほしい事と、そのヴァレンシュタインまでの移動の手伝いをしてほしいということだ。オレもユウも転生したばかりで無一文でな。旅費を稼ぐためにスケルトン退治をしていたところなのだ」
「……それだけで良いのか?お主ならこの国を征服し支配することも簡単だろう?」
「勘違いするなよ?魔界が人間界と戦争を続けているのは、ヴァレンシュタインの奴らが攻めてくるからだ。こちらから人間界へ侵略しようとしたことなど一度もない。魔族は勇敢だが、強欲ではない。オレたちは本来平和を愛する一族なのだ」
「……失礼した。魔王ヴォルトよ。ワシがこの国の国王でいる限り、このシャンダライズ王国はおまえに協力しよう」
そう言ってエドワードは右手を差し出す。オレはそれを強く握り返した。
人間も悪いやつばかりではなさそうだ。
「勇者殿も、お互い協力関係を築かせてもらいたいと思う。よろしく頼む」
「おう!」
そう言って、エドワードはユウとも握手を交わした。
「ヴォルト様。それではいつこの国を発たれますか?」
スカーレットの言葉に、オレは少し考えてから返事をする。
「そうだな。だがその前に、まだガーゴイル襲撃は解決していまい?襲撃者が第一王子が再起不能になった事を知らなければ、今夜もガーゴイルが来るだろう。まずはそれの退治をしてからだな」
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