夏フェス行ったら異世界に迷い込んだ

焔咲 仄火

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第2章

第14話 異世界のお城で持ち物の最終確認

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 荷物を置いたらすぐに集まってくれという事だったが、その前に俺は自分の荷物の確認だけしておくことにした。

 俺の持っているペットボトルのスポーツドリンクを鑑定したところ、万能回復薬エリクサーだという事が判明している。
 ファランさんの薬が王女の病気に効果がなかった場合、このスポーツドリンクを使ってもらおうと思っている。
 俺が持ってきた元の世界の荷物も、もしかしたらこの世界で特殊な力があるかもしれないので、まだ鑑定していないアイテムの効能だけでも先に把握しておこうと思おう。
 そうは言っても、やたらと鑑定できるわけではない。一晩寝て回復したが、俺のMPは4しかない。鑑定で必要なMPは1。今の俺が鑑定できるのは、一日で4個までなのだ。
 とは言っても、俺の荷物の中で飲食できるのは残り二つだけだ。それは栄養ドリンクと塩飴。
 スマホやバッテリー、懐中電灯などは鑑定する必要はないだろう。
 それとデイリーガチャのためにMP1は温存しておきたい。

 早速俺は、栄養ドリンクと塩飴の鑑定を行った。

・名称:栄養ドリンク
 性能:パワーアップポーション[特]
 効果:力・体力・素早さなどの肉体能力を24時間の間10倍にする。

・名称:塩飴
 性能:MP回復薬[弱]
 効果:MPを8回復させる

 おお!これらもやっぱりすごい能力を持っていた。
 でも王女の治療には役立つことはなさそうだ。
 栄養剤には期待したんだけど、病気の回復能力はなくて、基本性能がアップするだけのようだ。
 しかし10倍って……。スーパーマンだな。
 塩飴はMP回復みたいだ。これがあれば何回でも鑑定できるぞ。

 自分の荷物を確認して、改めて分かったのは、王女の治療に使えるのは、やはりスポーツドリンクことエリクサーだという事だった。


 荷物の最終確認を終え、俺は部屋を出る。集まるようにと言われた部屋に向かう途中、ある部屋から話し声が聞こえてきた。

「全く、田舎の村からまで医者を呼び寄せるとか、あのじいさん耄碌したぜ」

 キツネ目だ。ファランさんの悪口を言ってるのか?

「色んな治療方法を試してみたいなんて言って、自分の力不足を認めてるようなもんだろ?俺が連れて来たお前に任せときゃいいんだよ。それに今度来た女、弟子を二人も連れて来やがって、観光気分丸出しじゃねえか。どうせたいしたことねえよ。どいつもこいつもふざけやがってムカつくぜ」

「おっしゃる通りです」

 キツネ目と、キツネ目の連れて来た坊主頭の医者か。畜生、やっぱりムカつくやつだったなこいつ。

「王女も昔は絶世の美少女だったって聞いてたけど、病気が続いてどんどんブスになって来たしな。俺様が婚約者になってやったのに、キスしようとしても病気が移ってはいけませんとか言って避けるんだぜ?ふざけんなブス。こんなことなら国に帰ってもっと美人の嫁を探すかな」

「王子……、婚約破棄はそう簡単には……」

「どうせあの女死ぬんだろ?死ぬならさっさと死ねばいいんだよ。クソがっ!」

 そこまで聞いて、俺は我慢できなくなってしまった。何も聞いてなかったふりをして素通りすればよかったんだけど、頭に血が上った俺は、思わずその部屋の扉を開けていた。

「お前ふざけんなよ!」

「誰だ貴様?!失礼だぞ!この部屋は誰の部屋だと思っている?」

「クソ王子の部屋だろ!今の話全部聞いてたぞ!」

「田舎女が連れて来たガキか?盗み聞きなどしおって、やはり田舎者は下品だな。どうするつもりだ?国王に告げ口でもするか?そんな事しても俺はそんな事言ってないと言えば、お前は不敬罪で死刑になるだけだぞ?」

 どこまでいっても腐った奴の頭の中は腐ってるな。
 俺は顔に浮かぶ怒りを消すことができず、クソ王子に近寄ると言った。

「王女はファラン先生が治す。それで王女に全部話してお前との婚約も破棄してもらう」

「バカか!誰も治せなかった王女の病気を治せるはずがないだろう?この国一番の医者でも、わが国一番の医者でも、無理だったのだぞ?お前この俺にそんな口をきいた事を、後で後悔させてやるからな!」

「ふん!」

 俺はそれ以上こいつのムカつく顔は見たくないと思い、その部屋を出る。
 ファランさんに報告しなきゃいけないなと思いつつ、だんだん冷静になると、余計なことをしてしまったと強く反省してしまうのだった。
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