水晶龍といっしょ ~ダンジョン巡って魔王の種もぎ~(仮題)

眠り草

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【第一章】一部

【呼び出されし者】36.懺悔と後悔と思惑と

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更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
なるべく毎日更新できるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
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ボクはなんであんなことを彼に話してしまったんだろう。
胸中に後悔の念が渦巻いている。

おぞましき存在が顕現した時代の愚痴を語り合うなんてこと、同族たちともしたことはなかった。・・・いや出来なかった。

口にするのも憚られ、言葉にすれば頭の中にありありと存在アレが浮かんでくることを無意識に拒んでいるからだと思う。

(思い出したくない!)

多分生き残った同族たちも同じ想いだからこそ誰も口にしないのだと・・・

勿論、封印が解かれた場合の対策や送還の手立てまで諦めているわけじゃないけれど、直接存在アレを連想するワードは避け続けているのが実情でもはや忌み語だ。


彼が神様と呼ぶレィトゥーキ愉快犯ですら必要最小限でしか単語を出さないほど、ボクたちの記憶の奥底には強烈な楔が打ち込まれている。

存在アレに取り込まれた同期の原初のオリジナルエルフもかなり居た。
彼らは通信デバイスを埋め込んでいたため、最期のその時まで克明にその言葉を記録し続けていたのだ。
彼らが次第に思考が並列化統一化され存在アレの意思を刷り込まれていく過程をモニタリングしているボクらの心に叩きつけ刻み込んだ。

人の思考がどんどんと組み替えられていく様をまざまざと見せつけられた。
心の底から喜びを得たような絶叫と呼ぶべき笑い声をあげながらも殺してくれと泣き叫ぶその声が今も忘れられない。

そうそんな自我が失われたわけではないところが、更にボクたちの恐怖を助長させた。
殺してくれと頼む同胞たち。自分が自分の意思でないものに作り替えられる恐怖に苛まれていった。

彼らは自分の脳がニューロコンピュータとして利用されていると分かっているためか常に介錯を訴え続けていたが、それを嘲笑うかのようにその自我は奪われることは無かった。
あえて残しているとしか・・・思えなかった。
気付けば両手で自分自身を抱き抱えていた。身体の震えが止まらなかった。

恐ろしかった。本当に怖かった。戦慄とはこういうことなのだと思い知らされた。
心胆寒からしめるとはこのことなのだと。


そんなことを思い出しながら彼に愚痴のようにおぞましき存在アレのことを語ってしまった。



今にして思うと誰かに聞いて貰いたかったのかもしれない。
あの時の選択やその結末に言い訳をしたかったのを誰かに聞いて貰い、心の奥底に溜まっていた澱を吐き出したかったのかもしれない。
この永きに渡る絶望との葛藤の使命に・・・



・・・もしもボクの発言で彼が絶望してしまったらこの計画プロジェクトは水泡に帰してしまう。
それだけは避けなければいけないのにと、ボクはとんでもないことをしてしまったと悔やむ。


そう彼は特異点キー


平行時空間なんて理論がボクが生まれた時代にはあったけど、存在アレが顕現するまでは架空の小説のような妄想的なものとされていた。
仮に存在していたとしても検証するための手段も理論もまだ手探りの状態だったからだ。

超重力による次元歪曲の先に可能性があるのではないかと言われていたが、仮に超重力を生み出したとしてもその超重力を乗り越える技術や生み出す場所というところにも問題があった。

銀河の中央に存在するグレートアトラクターのような物を自分達の惑星の近場に作り出すわけにもいかないから当然といえば当然だよ。


そんな中、存在アレが顕現する際に引き起こした次元歪曲のデータからある可能性が見出だされた。

次元を超えて共鳴する存在。

存在アレはこの世界の人々の意識の集合体に共鳴し別の時空間からやって来た。

彼とこの世界が共鳴する尽きること無き存在夢幻のマナ・・・





今は特異点の気持ちを引き留めるのがボクの仕事だ。
だから・・・






「ダイン君は存在アレを顕現させないために呼んだんだよ。

だから、君はダンジョンシードさえ潰してくれれば良いんだ。

それにダンジョンシードはそんなに急速に成長しないから君は焦らなくても大丈夫だよ。

ボクたちも常に目を光らせているから、見付け次第ボクから連絡するので無闇に探し回ることもないから安心してね」



胸の奥がドクンと脈打つように締め付けられる。
(これが罪悪感というものなのかな・・・母様)
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