40 / 47
【第一章】一部
【呼び出されし者】36.懺悔と後悔と思惑と
しおりを挟む
更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
なるべく毎日更新できるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクはなんであんなことを彼に話してしまったんだろう。
胸中に後悔の念が渦巻いている。
悍ましき存在が顕現した時代の愚痴を語り合うなんてこと、同族たちともしたことはなかった。・・・いや出来なかった。
口にするのも憚られ、言葉にすれば頭の中にありありと存在が浮かんでくることを無意識に拒んでいるからだと思う。
(思い出したくない!)
多分生き残った同族たちも同じ想いだからこそ誰も口にしないのだと・・・
勿論、封印が解かれた場合の対策や送還の手立てまで諦めているわけじゃないけれど、直接存在を連想するワードは避け続けているのが実情でもはや忌み語だ。
彼が神様と呼ぶレィトゥーキですら必要最小限でしか単語を出さないほど、ボクたちの記憶の奥底には強烈な楔が打ち込まれている。
存在に取り込まれた同期の原初のエルフもかなり居た。
彼らは通信デバイスを埋め込んでいたため、最期のその時まで克明にその言葉を記録し続けていたのだ。
彼らが次第に思考が並列化統一化され存在の意思を刷り込まれていく過程をモニタリングしているボクらの心に叩きつけ刻み込んだ。
人の思考がどんどんと組み替えられていく様をまざまざと見せつけられた。
心の底から喜びを得たような絶叫と呼ぶべき笑い声をあげながらも殺してくれと泣き叫ぶその声が今も忘れられない。
そうそんな自我が失われたわけではないところが、更にボクたちの恐怖を助長させた。
殺してくれと頼む同胞たち。自分が自分の意思でないものに作り替えられる恐怖に苛まれていった。
彼らは自分の脳がニューロコンピュータとして利用されていると分かっているためか常に介錯を訴え続けていたが、それを嘲笑うかのようにその自我は奪われることは無かった。
あえて残しているとしか・・・思えなかった。
気付けば両手で自分自身を抱き抱えていた。身体の震えが止まらなかった。
恐ろしかった。本当に怖かった。戦慄とはこういうことなのだと思い知らされた。
心胆寒からしめるとはこのことなのだと。
そんなことを思い出しながら彼に愚痴のように悍ましき存在のことを語ってしまった。
今にして思うと誰かに聞いて貰いたかったのかもしれない。
あの時の選択やその結末に言い訳をしたかったのを誰かに聞いて貰い、心の奥底に溜まっていた澱を吐き出したかったのかもしれない。
この永きに渡る絶望との葛藤の使命に・・・
・・・もしもボクの発言で彼が絶望してしまったらこの計画は水泡に帰してしまう。
それだけは避けなければいけないのにと、ボクはとんでもないことをしてしまったと悔やむ。
そう彼は特異点。
平行時空間なんて理論がボクが生まれた時代にはあったけど、存在が顕現するまでは架空の小説のような妄想的なものとされていた。
仮に存在していたとしても検証するための手段も理論もまだ手探りの状態だったからだ。
超重力による次元歪曲の先に可能性があるのではないかと言われていたが、仮に超重力を生み出したとしてもその超重力を乗り越える技術や生み出す場所というところにも問題があった。
銀河の中央に存在するグレートアトラクターのような物を自分達の惑星の近場に作り出すわけにもいかないから当然といえば当然だよ。
そんな中、存在が顕現する際に引き起こした次元歪曲のデータからある可能性が見出だされた。
次元を超えて共鳴する存在。
存在はこの世界の人々の意識の集合体に共鳴し別の時空間からやって来た。
彼とこの世界が共鳴する尽きること無き存在・・・
今は彼の気持ちを引き留めるのがボクの仕事だ。
だから・・・
「ダイン君は存在を顕現させないために呼んだんだよ。
だから、君はダンジョンシードさえ潰してくれれば良いんだ。
それにダンジョンシードはそんなに急速に成長しないから君は焦らなくても大丈夫だよ。
ボクたちも常に目を光らせているから、見付け次第ボクから連絡するので無闇に探し回ることもないから安心してね」
胸の奥がドクンと脈打つように締め付けられる。
(これが罪悪感というものなのかな・・・母様)
なるべく毎日更新できるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いいたしますm(_ _)m
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ボクはなんであんなことを彼に話してしまったんだろう。
胸中に後悔の念が渦巻いている。
悍ましき存在が顕現した時代の愚痴を語り合うなんてこと、同族たちともしたことはなかった。・・・いや出来なかった。
口にするのも憚られ、言葉にすれば頭の中にありありと存在が浮かんでくることを無意識に拒んでいるからだと思う。
(思い出したくない!)
多分生き残った同族たちも同じ想いだからこそ誰も口にしないのだと・・・
勿論、封印が解かれた場合の対策や送還の手立てまで諦めているわけじゃないけれど、直接存在を連想するワードは避け続けているのが実情でもはや忌み語だ。
彼が神様と呼ぶレィトゥーキですら必要最小限でしか単語を出さないほど、ボクたちの記憶の奥底には強烈な楔が打ち込まれている。
存在に取り込まれた同期の原初のエルフもかなり居た。
彼らは通信デバイスを埋め込んでいたため、最期のその時まで克明にその言葉を記録し続けていたのだ。
彼らが次第に思考が並列化統一化され存在の意思を刷り込まれていく過程をモニタリングしているボクらの心に叩きつけ刻み込んだ。
人の思考がどんどんと組み替えられていく様をまざまざと見せつけられた。
心の底から喜びを得たような絶叫と呼ぶべき笑い声をあげながらも殺してくれと泣き叫ぶその声が今も忘れられない。
そうそんな自我が失われたわけではないところが、更にボクたちの恐怖を助長させた。
殺してくれと頼む同胞たち。自分が自分の意思でないものに作り替えられる恐怖に苛まれていった。
彼らは自分の脳がニューロコンピュータとして利用されていると分かっているためか常に介錯を訴え続けていたが、それを嘲笑うかのようにその自我は奪われることは無かった。
あえて残しているとしか・・・思えなかった。
気付けば両手で自分自身を抱き抱えていた。身体の震えが止まらなかった。
恐ろしかった。本当に怖かった。戦慄とはこういうことなのだと思い知らされた。
心胆寒からしめるとはこのことなのだと。
そんなことを思い出しながら彼に愚痴のように悍ましき存在のことを語ってしまった。
今にして思うと誰かに聞いて貰いたかったのかもしれない。
あの時の選択やその結末に言い訳をしたかったのを誰かに聞いて貰い、心の奥底に溜まっていた澱を吐き出したかったのかもしれない。
この永きに渡る絶望との葛藤の使命に・・・
・・・もしもボクの発言で彼が絶望してしまったらこの計画は水泡に帰してしまう。
それだけは避けなければいけないのにと、ボクはとんでもないことをしてしまったと悔やむ。
そう彼は特異点。
平行時空間なんて理論がボクが生まれた時代にはあったけど、存在が顕現するまでは架空の小説のような妄想的なものとされていた。
仮に存在していたとしても検証するための手段も理論もまだ手探りの状態だったからだ。
超重力による次元歪曲の先に可能性があるのではないかと言われていたが、仮に超重力を生み出したとしてもその超重力を乗り越える技術や生み出す場所というところにも問題があった。
銀河の中央に存在するグレートアトラクターのような物を自分達の惑星の近場に作り出すわけにもいかないから当然といえば当然だよ。
そんな中、存在が顕現する際に引き起こした次元歪曲のデータからある可能性が見出だされた。
次元を超えて共鳴する存在。
存在はこの世界の人々の意識の集合体に共鳴し別の時空間からやって来た。
彼とこの世界が共鳴する尽きること無き存在・・・
今は彼の気持ちを引き留めるのがボクの仕事だ。
だから・・・
「ダイン君は存在を顕現させないために呼んだんだよ。
だから、君はダンジョンシードさえ潰してくれれば良いんだ。
それにダンジョンシードはそんなに急速に成長しないから君は焦らなくても大丈夫だよ。
ボクたちも常に目を光らせているから、見付け次第ボクから連絡するので無闇に探し回ることもないから安心してね」
胸の奥がドクンと脈打つように締め付けられる。
(これが罪悪感というものなのかな・・・母様)
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
黄色いひよこ
ファンタジー
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる