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【第一章】一部
【呼び出されし者】37.お約束のチートが欲しいです
しおりを挟む「ダイン君は存在を顕現させないために呼んだんだよ。
だから、君はダンジョンシードを潰して貰えれば良いんだ。
ダンジョンシードはそんなに急速に成長しないから君は焦らなくても大丈夫。
ボクたちも常に目を光らせているから、見付け次第ボクから連絡するので無闇に探し回ることもないから安心してね」
そんなこと言われましてもねぇ
とは思うけど顕現さえさせなきゃ良いんだよなと前向きに考えておくしかないわけだ。
それにもしもこのミッション失敗したらSANチェック失敗確定だよ!
「まぁやるだけやってみるしかありませんよね。
私もそんな化け物とご対面なんてしたくないですからね」
「そう言って貰えると嬉しいよ。ありがとう・・・」
眉を八の字にしながら笑おうとしているリュファーナ女史の表情を見て彼女の苦悩を垣間見た気がする。
ドキリとその表情に心臓が鷲掴みされたように感じた。
物凄く儚げな笑顔は自分の1000倍は生きている彼女であってもただのか弱い少女のものだった。
そんな顔を見てしまうと目一杯力強く抱き締め『大丈夫だ!』と言ってあげたくなるほど彼女は苦悩に満ちた今にも消え入りそうな微笑みだった。
そんなどこのマンガだよと自分でも突っ込みたくなるような恋愛ドラマのような台詞を吐きたくなるほど俺の目には彼女がそれくらい弱々しく映った。
出会ったばかりの人だけど・・・そんな表情の異性を放っておくことなんか出来るわけないだろうと思ってしまうほどの情動を抱く。自分でも不思議な感覚だ。あの姉のせいで女性にはかなり冷めてるはずなんだけどな。
彼女には2万年もの時を経ても持ち続けた苦悩があるのだろう。
どれ程悩み恐れ思い出す度に絶望し続けてきたのか、その時間は単純に言っても俺の今までの人生の1000倍もの時を過ごしてきたのだ!
人間なら発狂してもおかしくない埒外の時間というものだ。
だから久遠の刻を過ごしてきたそんな彼女の要望を俺に出来るなら出来るだけ叶え続けていこうと思ってしまった。
それにそれがこの世界の、クミンやクミンのお母さん、ダラさんたちを守ることにも繋がるのだからと。
そう考えると俺はここで逃げても寝覚めが悪いだけだと開き直ることにした。
だからそのためにも手に入れたいものがある。
そう異世界物の定番チート能力、無限インベントリと転移魔術だ。
目的を果たすためにも有ると無いとじゃ大違いのモノ。
最悪インベントリは無くてもなんとかなると考えているけど、俺(人間)の寿命から転移は必須だと思っている。移動で時間が取られるとその分出来ることが限られるからだ。
ということでリュファーナ女史に可能かどうかを聞いてみることにした。
すると先程までの悲壮な表情がぱっと元の明るい表情に戻ったリュファーナ女史
「現状では厳しいかなぁ。
転移には、【時間】、【空間】、【重力】が最低でも必須だからこれらの礎を手に入れることが必要になるよ。
時間は概念だから手に入れられる可能性があるけど・・・あ、解放されてる?あ、みたいね。重畳、重畳。
ただ他の二つは簡単には手に入らないかもしれない。
実は私もその二つはイメージが上手くいかなくて成功してないんだよね。
ここに転移してきたのは設置されていた(彼女が作った)デバイスのお陰だしね」
意外なことにリュファーナ女史でも持っていないとな!
「ちょっ、今、失礼なこと考えたでしょ?」
やばい、今は繋がってるんだっけ?
それともヴィマナ経由か?
また往復ビンタは勘弁なのでポーカーフェイスを貫く俺。
「まぁ・・・いいわ。手に入れる方法に宛がないわけじゃないよ。
存在を実質封印することに成功した立役者である水晶竜との邂逅かなぁ」
「水晶・・・竜ですか?」
ストーリーのキーワード来たよ。しかもドラゴンですよ。と胸が高鳴る。
でも邂逅で?ドラゴンが与えてくれる叡知ってやつですか?
おお、ファンタジーぽくなってきたよ。
(まぁ開始からず~っと某メーカーのダークファンタジー路線が続いてますが)
「そ。当時ボクはモニター越しだったから魔素嵐と電磁波の乱れのために映像がまったく届かなくて直接確認できなかったんだけど、悍ましき存在を無力化させた存在だよ。まさに救世主様だね。
(彼女の水晶竜計画は何度か相談に乗っていて知っていたけど結局直接見る機会は得られなかったんだよなぁ)
もう神話の時代のお話になっちゃってるけど、(彼女の設計だと仮に肉体が滅んでも卵に戻って転生を繰り返す不死だったから)存在はしているから逢ってみると良いよ。
ボクの方でもそれらしい情報を見付けたら連携するよ」
【特定通信デバイスが解放されました】
突然の解放メッセージと共にオペレータのヴィマナの窓の下にリュファーナ女史の顔のウインドウが開いて声が聞こえてくる。
『よしよし、これである程度直接会話出来るようになったね。
でもこれも万能じゃないからここの結界内みたいな特定の場所や固定通信デバイスの傍じゃないと通信できないので、ヴィマナちゃんに通信可能な場所を探してもらってちょうだいな』
『マスター、固定通信デバイスサーチは随時実行しますので見つかりましたらお知らせしますね』
「ヴィマナ、有能!お願いします」
「ふふ、お褒めいただきありがとうございます」
微笑みながら嬉しそうにお礼を言うヴィマナさん、マジ中の人居るでしょと言いたくなるほど表情豊かです。
できればショートカットヘアにしてくれれば俺好みなんですけどね。
「それでは変更しますね。ええとマスターのお好みはショートボブでしたっけ。
はい、これでどうでしょうか?」
う、心駄々漏れなのがいけないのだが、これは嬉しいのでぐっじょぶヴィマナ
(うん、可愛いよヴィマナさん)
好みの声に見た目の着せ替え可能なナイスパートナーです。
彼女の声はやっぱり活発なイメージのショートが似合うと思う。
「それでは以後はショートヘアを中心にしていきますね」
有能!
なんて脳内彼女とイチャこらしていたところ
「う゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・
突如、闇夜に女性(と思わしき)の慟哭が響き渡った。
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