1 / 1
【R18】訳あり物件の管理人
しおりを挟む
◇
様々な≪新しい≫が始まる4月の春。
俺は今年から大学生という新しい生活を送る。
大学の入学式5日前に、俺は大学近くのアパートに引っ越してきた。
一人暮らしが始まるんだ!
と言っても、俺の住むアパートは男性限定で、家賃も結構安い。いわゆる訳あり物件というやつだ。
アパート自体は割りと最近できたばっかりなのに、何が訳あり物件なのかよく分からないまま、安いし新しいし大学にも近いからという理由でここにしたのだ。
アパートは3階建てで、俺の部屋は1階の部屋だ。
1階なら、階段も上がらずに済むし、楽な部屋で良かったよ。
◇
「ここが俺の部屋か……。ついに始まるんだな……」
俺は自分の部屋のドアの前に立っていた。
ここから俺の新しい生活が始まるんだと思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。
「あれ? 君もここの新しい入居者さんかな?」
俺がドアを開けようとした瞬間、横から女性の声が聞こえてきた。
「あ、はい。自分の通う大学がここから近いので」
女性は見た感じ、20代くらいに見える。
このアパートに住んでいる大学生だろうか。
しかし、ここは男性限定のはず……。どうして女性の人がいるんだ?
それとも、ここに住んでいる人の友達か、あるいは恋人か……。
俺の住むアパートは全員が大学生と聞いている。しかも、俺と同じ大学の生徒たちだ。
「そうなんだ。えっと、君は――――――」
「すみません、ご紹介が遅れましたね。俺、西野賢太郎って言います! 今年から大学生になります!」
俺は健気な自己紹介をする。
「君も大学生なんだね。私は咲場菫って言います! このアパートの管理人って言ったところかな?」
「え? ここの大家さんだったんですか!? てっきり大学生かと……」
「大家さんじゃなくて、管理人ね。でも私こう見えても24だよ? とっくに大学は卒業してるよ」
いや、24だとしても十分若いよ……。
咲場さんは、このアパートの大家さんではなく、管理人という立場らしい。
管理人の主な業務内容は、アパート周辺の見回りや清掃、不在だった場合の宅配物受取の代理、さらにはお願いをすれば、部屋の掃除もしてくれるという、素晴らしいサービスだ。
話だけ聞けば、これのどこが訳あり物件なのか俺にはよく分からなかった。いや、むしろ当たりの物件を引いたとしか思えない……。
何より、こんな綺麗な人が、このアパートを管理してくれるなんて……。ありがたや、ありがたや……。
と言っても、こんな素晴らしいが揃っているアパートがなぜ、訳あり物件なのか気になって仕方ない――――――。
「咲場さん、一つお聞きしたいことがありますが、大丈夫ですか?」
「ん? 何かな?」
「俺がここに引っ越す際に、このアパートは訳あり物件って、ネットに書いてあったんですけど、どうして訳あり物件なんですか?」
「――――――」
咲場さんが急に止まり、顔を逸らした。
あれ? 俺何かまずいこと聞いたか――――――?
だとしたら、失礼なこと言っちゃったか……?
「ああ、あの、もしあれなら別に言わなくてもいいですよ!? 俺失礼なことを――――――」
「ここね、夜になると、住人が襲われたりするんだよ……」
「――――――え?」
咲場さんがとんでもないことを口に出した。
同時に逸らしていた顔も、再び上がり、こちらに目を向ける。
「夜、寝るときを狙ってね、襲われるんだよ……」
「お、襲われるってどういうことですか……!? この周辺に殺人犯でもいるんですか……!?」
「いや、殺人とかの襲われるじゃないよ……? ただ、ちょっと男性の活力を奪うっていう感じかな?」
「――――――」
男性だけを狙って、襲われる。
目的は男性の活力――――――。
俺は、咲場さんが男性を狙う犯人について説明してくれたが、全く想像もできなかった。
「――――――って、話は聞いたことある程度だから、私もそれが本当かどうかよく分からないけど、西野くんも念のため気を付けたほうがいいかもしれないね」
「は、はい……」
「なんか、引っ越したばかりなのにこんな話になっちゃってごめんね」
「あ、いや、いいんですよ! 俺がこんなこと聞いたばっかりに……」
「ふふっ……、西野くん、優しいんだね。私も管理人として、犯人の手がかりについて調査しているから、安心して生活するといいよ」
「――――――はい」
咲場さんが俺の肩をポンと叩き、その場を去っていく。
「一つだけ、対策を言っておくよ」
去ろうとした咲場さんが足を止め、こちらに振り向いてきた。
「夜、電気は点けたまま寝るといいよ――――――」
「え? 電気?」
そう口にして、咲場さんは去って行った。
「寝るときに、電気を……」
対策もよく分からないが、やれる範囲ではあった。
俺はその夜、咲場さんの言った通り、電気は点けたまま眠りについた。
◇
入学式を終え、俺は自分のアパートに帰宅した。
アパートに帰宅したのは俺だけじゃない。他の何人かの生徒もこのアパートの住人だ。
「あれ? 確か、西野くんだったっけ?」
俺がアパートにたどり着いた時、後ろから声がした。
「えっと、確か俺の横に座ってた人だったよね?」
「そうそう! 俺もここのアパートに住んでてさ! 俺は内田茂って言うんだ!」
内田茂、彼も俺と同じ今年から大学生になって、俺と同じアパートの住人だ。
「俺はここの2階の部屋に住んでるんだ。あの2階の一番端の部屋ね!」
「へぇ、俺はその真下の部屋なんだよ」
「おう、これはなかなか運命な感じだな……。なんか西野くんとは仲良くできそうだよ。これからよろしくな!」
「こちらこそ、よろしく!」
入学初日から、俺はいい友人ができた気がした。
雰囲気はちょっと小学生の頃の入学式を思い出す感じはしたが、内田くんとは仲良くやれそうだ。
内田くんは2階へ上がり、自分の部屋に行った。
俺も自分の部屋に戻る。
「さて、入学式ながら、明日はいきなり休みだ。どうしましょうか」
入学式が行われたのは金曜日、つまり、いきなり明日は休みなのだ。
休みだから、バイトでも探すか、それは後回しにしてゆっくりするか、それとも出かけるか……。
でも、やっぱりここは出かけるか。
「せっかく、引っ越したばっかりなんだ。少しはこの街について知っておかないとな~。まだ何があるかも把握しきれてないわけだし」
俺はスマホを取り出し、マップを立ち上げ、街に何があるかを調べた。
「お、この店近くにあるじゃん! 行ってみたかったのよね~」
マップを眺めながら、いろいろ動画も見ていたら、すっかり夜になってしまっていた。
「あら? もうこんな時間か……。まだ夜飯食べてなかったな……」
俺は冷蔵庫の中を見たが、残念ながら2リットルの麦茶しか入ってなかった。
「はぁ……、時間もなくなっちゃったし、もうコンビニで済ませるか……。その代わり、明日は思いっきり食べるけどな!」
俺は部屋を出て、近くのコンビニへ向かう。
部屋の鍵を閉め、歩こうとした時――――――。
「こんな時間にお出かけ?」
「あ、咲場さん」
俺に声をかけたのは、このアパートの管理人、咲場さんだ。
おそらくアパートの見回りで来たのだろう。
「はい、ちょっと夜ご飯がまだだったので、コンビニでカップ麺でも買おうかなと思いまして。咲場さんは、見回りですか?」
「まあ、そんなところだね。深夜帯は変な人とかうろついていないか確認しないといけないからね」
「そうですよね……。咲場さん、やっぱり管理人は大変ですか?」
「そりゃあ、大変だよ。でも、ここに住んでる人たちが安心して暮らせる環境を維持するのが、管理人としての私の務めだからね」
咲場さんは微笑みながらそう答えた。
咲場さんと話をしてから数分も経たないうちに、日付が変わってしまった。
「あ、もう0時だ。じゃあ、俺ちょっと行ってきますね」
「うん、夜道は危ないから気を付けてね」
「はい! 咲場さんも見回りご苦労様です!」
俺は咲場さんにお礼を言ってから、コンビニへ向かった。
「さて、住んでる人たちは――――――、おや? 2階のあの部屋の電気が点いてないね……。ふふっ……」
忠告はしたのに――――――。寝るときには電気を点けたままだって。
いけない子だ……。
ということは、私が美味しく食べてもいいって合図だね……。
「確か、あの部屋は――――――、内田茂……。確か、あの子も西野くんと同じ今年から大学生の子だったね」
じゅるりと舌を舐める。
部屋の中を確認した後、君の精力はいただくからね……。
「うぅ……、やっぱりまだ4月の夜道は寒いな……」
4月とはいえ、夜になると震えるくらいに寒い。
俺はコンビニでカップ麺とお菓子とコーラを買って帰宅した。
アパートの前に着くと、やはり0時を過ぎたにも関わらず、部屋の電気はどの部屋も点いたままだった。
ここに住む人は、みんな咲場さんのあの忠告を聞いたからか、襲われる対策として行っていた。
ただ、一部屋を除いて――――――。
「あれ? あの部屋って確か内田くんの部屋だよな……。電気が点いてないぞ……?」
今日知り合った、内田くんの部屋だけ電気が点いていなかった。
俺は気になり、2階の内田くんの部屋の前のドアに耳を傾けた。
しかし、防音対策もしっかりされており、部屋の音を聞くことはできなかった。
部屋の窓も、中が見えないフィルムで覆われているため、当然ながら中も見ることはできない。
「ダメだ、様子が見れない……」
よりによって、連絡先も今日は交換しておらず、内田くんの様子を探ることはできなかった。
「まあ、何事もなければいいけど……」
俺は1階に降りて、自分の部屋に戻った。
夜飯、風呂、歯磨きを全て済ませ、就寝の準備は万全だった。
――――――でも、やっぱり内田くんの部屋の電気が点いていないのがどうしても気になって仕方なかった。
俺はもう一度、内田くんの部屋に行こうとし、ドアを開けた。
――――――その瞬間だった。
「わぁ!」
ドアの前で突如、女性の驚いた声が響いた。
「あ、咲場さん! すいません! ビックリさせちゃって……」
「あはは、大丈夫大丈夫! 急にドアが開いたからつい……。あれ? 西野くん、コンビニは行ってきたんじゃなかったっけ?」
「はい、コンビニは行ってきたんですけど、ちょっと気になることがありまして」
「気になることっていうのは、何かな?」
「このアパートの、俺の真上の部屋に住んでる内田くんの部屋の電気が点いてなかったんですよ。それで気になるからちょっと様子を見ようかと……」
「――――――内田くんは大丈夫だよ。ぐっすり寝てるよ」
咲場さんは間を空けてからそう答えた。
「え? 咲場さん知ってるんですか!?」
「私はここの管理人だよ? 一部屋だけ電気が点いてなかったから、おかしいなと思って、内田くんの様子を見てきたんだよ」
そう言うと、咲場さんはポケットからカードキーを取り出した。
「そのカードキーは?」
「これは管理人用のカードキーだよ。みんなにはそれぞれの部屋のキーを持参してると思うけど、私の場合はこのキー1枚だけで、全ての部屋の鍵を開けることができるんだ」
「す、すごいですね……」
うわぁ、なんじゃそのチート性能を持つカードキーは……。
でも、内田くんが無事だということが確認できたから、これで一安心だぜ。
「内田くんが大丈夫ってことは分かったでしょ? 西野くんも早く寝なよ。休みだからって夜更かしは体に毒だぞ?」
「そ、そうでしたね……。すいませんねさっきは。俺も今夜はこれでぐっすり寝れそうですよ! じゃあ咲場さん、おやすみなさい」
「うん、おやすみなさい」
咲場さんとの会話を終え、俺は静かにドアを閉めた。
「内田くん、ぐっすり寝てるって言ってたっけ……」
咲場さんの言葉をふと思い出す。
電気は点けたまま寝ろと言われたのに、内田くんの部屋の電気は点いたまま、しかもそんな状況の中、内田くんはぐっすり寝ている。
――――――別に、電気消しても良さそうじゃないか。
「正直、明るいままだとなかなか寝れないんだよな……。電気代もかかるし」
俺はこの日は電気を消して、寝ることにした。
久しぶりの暗い部屋の中での睡眠だ。
「まあ、内田くんが大丈夫なら、俺も大丈夫だろう……」
そう一言呟き、俺は睡眠に入った――――――。
◇
それは、俺が睡眠に入って数分経った頃だ。
ベッドの寝心地に変な違和感を感じた。
(な、なんだ? 誰か、いる――――――?)
俺しか寝ていないはずだ。いや、むしろ一人暮らしならそれは当たり前か。
しかも、俺の上に誰かがいる感覚が――――――。
俺は目を細めて、それを確認しようとしたが、部屋が暗くてはっきりと見えない。
(ど、どうする……? このまま起きるか……? でないと俺のベッドで誰がいるか確認できない……!)
俺は、細めていた目を開け、ベッドで何が起きているかを目の当たりする。
「あれ? 起こしちゃったかな?」
「え? さ、咲場さん……?」
俺のベッドの上にいたのは、アパートの管理人である咲場さんだった。
しかし、どこか雰囲気が違った。
カーテンの隙間から照らされている街灯の光で、羽や尻尾のようなものが確認できた。
どうして俺の部屋にいるんだ?
カードキーは確かに管理人用のを持っているから、入る方法はあるから分かるけど、なぜだ……?
「咲場さん! 何してるんですか!?」
「おっと! 動いちゃダ~メ!」
咲場さんは、手を大きく開き、何やら超能力を使ってきた。
「うっ……! か、体が……!」
突然、俺の体が動かなくなった。
咲場さんが重いからというわけではない。寝ていた体自体が動かなくなり、起きることができなくなったのだ。
「ごめんね、西野くん、勝手に入ったりして、でもね、私の忠告を聞かなかった君も悪いんだよ?」
「ちゅ、忠告……?」
「私、君に言ったよね? 寝るとき電気は点けたままだって。でも君はそれをしなかった……。だから私が今、君の部屋にいる……。私、こういう暗い部屋のほうが活発的なんだ」
「え? どういうことです……?」
この状況を理解するのがあまりにも難しかった。
確かに俺は咲場さんの忠告を無視して、今回は電気を消して寝ようとした。
その忠告した本人がどうして俺のベッドの上に――――――?
「私の咲場菫っていう名前は、人間界で使っている仮の名前。本当はね、サキュバスなんだ……」
「さ、サキュバス……?」
――――――聞いたことがあるぞ。
確か、男性の精を食事にしている化け物だったか……?
架空の存在だとずっと思っていたのに、現実に、本当に存在していたなんて……。
そのサキュバスに今、俺は襲われている……。
「お、俺を殺しに来たのか……!?」
「そんなに怖がらないでよ~。殺したりなんてしないよ。君の精力をもらいにきただけだよ?」
「せ、精力?」
俺は起き上がろうともがくも、サキュバスの先ほど放った超能力のせいで、ただもがいているだけしかできなかった。
「こ、この……! これを、解け……!」
「そんなに暴れても無駄な体力使うだけだよ? そんな子には、こうだ!」
急にサキュバスは顔を近づけてきた。そして、その流れで、俺にキスをしてきた。
「ん……、ちゅっ……、んんちゅ……、……ちゅる、ん……」
口が塞がれて、喋ることもできなくなった。
ただ、呻くような声しか俺は出せなかった。
しばらくして、サキュバスは口を離した。
「どうだったかな? 私とのキスは……」
「はぁ……はぁ……」
「その反応は、もしかしてキスは初めてだったりする? じゃあ、私が君のファーストキスをもらっちゃったってわけだね!」
俺は一旦、息を整えるも、サキュバスの攻めは緩めず、もう一度俺にキスをした。
しかも今度は、舌まで入れてきた。
「じゅるるる……、んちゅ……ちゅ……ずるるる……、んんっ……」
(――――――これは、深いヤツだ……!)
キスが続き、次第に俺の体が動く体力がなくなってきていた。
まるで、力が吸収されているように――――――。
長かったキスも、ようやく終わったが、俺は既に力尽きた状態であった。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
「あ~あ、すっかり情けない顔になっちゃったね。ふふふ……」
「な、なぁ、これで終わりなんだろ……?」
「何言ってるの? まだまだこれからだよ?」
「え……?」
そう言ってサキュバスは、今度は俺の下半身に体を移す。
俺は止めようとするも、さっきのキスで力も吸われ、抵抗することができずに、サキュバスの行動を許してしまう。
サキュバスは、そのまま、俺のズボンとパンツを脱がし始め、下半身は何も身に着けていない状態になってしまった。
「さっきまで抵抗してたのに、やっぱりこっちは正直なんだね。おちんちんこんなに大きくしてるよ……?」
「そ、それは違う……! 生理現象だ……!」
「ほんとかなぁ? じゃあ、これから私のやることに、西野くんは耐えられるかな?」
そう言ってサキュバスは、俺の硬くなったとされているペニスにちゅっと軽い口づけをしてきた。
「ああぁ……」
「ふふっ、かわいい声が漏れちゃったね。感じちゃってるんだ……」
「ち、違う……、これは、勝手に――――――」
「……そう、勝手に? じゃあ、これから私がすることでも同じことが言えるかなぁ?」
――――――サキュバスが口を大きく開け、俺のペニスを咥える。
そんなところ、口にするもんじゃないぞ……!!
「んっ……、んっ……、んっ……、じゅるっ……」
サキュバスは顔を上下に動かしながら、ペニスを吸い尽くしていく。
「あ……、んぐ……、んっ……」
「ふふふっ、すごく声が漏れてる……。いいんだよ? 気持ち良かったら、たくさん声出して」
じゅるっじゅるっと、ペニスを吸う音が激しくなっていった。
俺は、ただただ悶えることしかできなかった。
「ぷはっ……、ほら見て、西野くんのおちんちん、すっごく硬くなって、我慢汁もいっぱい……」
「はぁ…、はぁ…、こ、これは……」
「ん~、まだホントのこと言わないつもりかな? それじゃあ、口でするついでに、上もいじってあげるよ!」
「――――――は? 上……?」
そう言って、サキュバスは再びペニスをしゃぶりつくと同時に、俺の乳首を指で弄り始めた。
左右の乳首を人差し指で軽くつついていく……。
「あああああぁ……!! ああああああ……!!」
「アハハハハ! すごい声出ちゃったね! もう正直に言いなよ、気持ちいいんでしょ?」
「ぐ……、そ、そんなはず……」
「強がっちゃって~、でも我慢汁もう結構溢れててさ、これってもうイきたいって証拠だよ?」
「――――――そ、それは……」
「もう、心も体も正直になっちゃいなよ……」
サキュバスの攻めは止まらない。
クリクリと動かす乳首弄りも、じゅぼじゅぼと音を出しペニスを咥えるフェラチオも、攻めの勢いは増していった。
ここまでされたら、とうとう俺の心にも影響が出始めた――――――。
「も、もう……、イ、イく……」
「ふふふ、イっちゃうの? いいよ、私、西野くんの精液飲みたいな~。だから、イって」
フェラチオの激しさが増す。サキュバスが、俺の精液を早く飲みたい一心で、激しさが増す。
――――――もう俺の精液は、尿道へと上っていき、発射まで来ていた。
「イって……! 西野くん……! 溜まってた精液いっぱい出して……!」
びゅく! びゅるるる! どぴゅっ! どぴぴゅっ!!
間もなくして、俺のペニスから精液がどくどくと射精してしまった。
射精した精液は、サキュバスがどんどん口にしていく。
「んっ……、ごくっ……、ごくっ……、ん、ぷはぁっ……、ごちそうさまでした!」
「はぁ…、はぁ…、お、おれ……」
「ふふっ、西野くんの精液、すごく美味しかったよ! とっても濃厚だったよ……」
俺は顔を少し上げ、サキュバスの表情を見ることができた。
彼女はとても幸せそうな顔をしていた。好物を食べることができた、そんな顔だ。
腕も足も気づけば動かせるようになっていた。呪縛は解かれたようだが――――――。
なんだろう、脱力感が……。
「おっと、無理に起き上がろうとしちゃダメだよ? 私にいっぱい吸われちゃってるから」
「あ、すみません……」
俺は起き上がろうとしたが、もう一度ベッドで横になった。
「西野くん、どうだったかな? 私に射精した感想は」
「――――――えっと……、き、気持ち良かった、です……」
「でしょ? 西野くんも気持ち良くなったし、私も精液飲めたし、ウィンウィンだったね」
俺はどこか悔しそうな気持ちではあったが、ここまで気持ち良かったものだとは想像もしていなかった。
しばらくして、サキュバスはベッドから降り、背中の羽や尻尾が縮まっていき、普段見ている咲場さんの姿へと戻った。
「さて、今夜はここまで。あれだけ出しちゃったら、もう体力的にもきついでしょ?」
「え……? もっと、しないんですか……?」
「無理は禁物だよ? 続けちゃうと、眠れなくなるでしょ? 私は、ここの管理人なんだよ?」
「――――――」
正直、もっと味わいたかった。
でも、彼女のストップが入ったなら、今回は受け入れよう。
「じゃあ西野くん、美味しい精液ありがと! それと、おやすみ……」
サキュバス、いや、咲場さんはそう言って俺の部屋を後にした。
ガチャッというドアの鍵が閉まった音も確認できた。管理人の持つカードキーで施錠したのだろう。
「――――――気持ち、よかったな……。また、吸われたい……」
気づけば、俺は彼女の虜になっていた。
――――――そうか、そういうことだったのか……。
俺は、ここでようやく理解した。
なぜ、このアパートが設備豊富でありながら、訳あり物件と呼ばれているのか。
なぜ、ここは男性限定のアパートにも関わらず、管理人が女性なのか。
なぜ、夜に電気を点けたまま寝ないと襲われてしまうのか。
それは、ここの管理人が、男性の精力をエサにして襲う、サキュバスが、アパートの管理、そして、性的な管理をしていたからだ――――――。
――――――しばらくして、俺は眠りについた。
◇
咲場さん、いや、サキュバスに襲われて、一夜が明けた。
「んん、もう朝、か……?」
俺はスマホの電源を入れ、時間を確認した。
ところが、一夜は明けたが、既に朝ではなかった。
「え!? もう昼過ぎ!?」
時間は午後の3時を回っていたところだった。
俺、そんなに寝ていたのか――――――?
いや、深夜の1時には寝て、これはさすがに寝すぎのレベルじゃ――――――、あ、そうか……。
「俺、襲われたんだっけ……。サキュバスに……」
起きて気づいたのが、生まれたままの姿になっていたことだ。
きっとサキュバスに寝間着を全部、脱がされたんだろう。
とりあえず、起きないとな――――――。
起きる力はあったため、体は動かせるくらいの体力はあった。
ただ、どこか頭がクラクラして、壁に張り付いていないと、今は歩けない。
「精力を奪われると、これだけ歩けないのか……」
俺は、今ある体力で、タンスから衣類を取り出し、なんとか着替えることはできた。
「はぁ……はぁ……、着替えるだけでもこれだけきついなんて……」
俺は着替えた後、一旦、椅子に座って頭のクラクラが治まるのを待った。
だいたい10分経った頃、だいぶ落ち着いてきた。
「よし、なんとか普通に歩けるぞ」
足も普通に歩けるようにまで回復し、俺はドアを開け、予定していた場所へと出かけることにした。
もう夕方で、予定もかなり狂ってしまったが、まあまあ近場だから、ある程度の店は周れるか。
俺がドアを開けた後、階段から誰かが降りてくる音がした。
「あ、西野くん!」
降りてきたのは、2階に住む内田くんだった。
内田くんも、今起きたような雰囲気をしていた。
そう、彼も俺と同じ、サキュバスに襲われた人だからだ。
「内田くん! 昨日、というか寝るときに電気消したままだったけど、大丈夫だった?」
「あはは、それな~。咲――――――、あ、いや、サキュバスって化け物に襲われちゃってさ……。でも、俺はこうして生きてるんだぜ? すごいでしょ?」
「やっぱり、内田くんも襲われてたんだね……」
「え? となると西野くんもなの?」
「うん。俺も電気消して寝ちゃってさ。サキュバスに――――――」
俺と内田くんは、サキュバスに襲われたという話題で盛り上がってしまった。
襲われたにも関わらず、どうしても忘れられない、快楽がそこにあったからだ。
それを内田くんは、今日も実行するつもりでいた。
「俺、どうしてもあの気持ち良さが忘れられなくてさ……。だから、今日も電気は消してねるよ」
「それって、大丈夫なの? 体に害とかないの?」
「まあ、起きる時間はかなり遅くなるけど、明日は日曜日だから、大丈夫だと思うぞ?」
さすがに翌日が平日だったら、起きる時間が夕方になるくらいだから、やらないか。
「で、内田くんはこれからお出かけ?」
「おう! 今日の夜に備えて、もっと気持ち良くなるための道具を買ってくるんだ! じゃあ、そういうことだから、行ってきますよ! フゥ~!!」
内田くんは、サキュバスに襲われたことがそんなに忘れられないのか、かなりテンションが一気に上がっていた。
「内田くん、寝起きなのにテンション高くなるの早いな……。俺も、どうしようかな……」
「おや? 何かお困りかな?」
「おわ!」
後ろから聞き覚えのある女性の声がした。
深夜、俺と内田くんを襲い、精力を奪った張本人だ。
「さ、サキュバス――――――」
「おっと! 私はサキュバスじゃなくて、咲場菫だよ? 少なくとも、今はね?」
「さ、咲場さん?」
俺はどうしても、今でも咲場さんをサキュバスと呼んでしまいそうになる。
でも、今の彼女は、咲場さんなんだ。
「私をサキュバスって呼んでいいのは、夜、襲われる時だけ。それ以外は、ちゃんと咲場さんって呼んでくれなきゃダメだよ?」
「す、すいません。つい夜のことが忘れられなくて……」
俺は、咲場さんに一言謝罪した。
「ふふっ、別に君が謝ることじゃないよ。君にとっては、あれが初体験なんだよね? だったら忘れられないのは仕方ないよ」
咲場さんは笑みで、言葉を返した。
咲場菫のときとサキュバスのときの雰囲気は、やはり違うものを感じるが、所々、サキュバスの雰囲気を漂わせているところもあった。
「ところで、西野くんは、これからお出かけ?」
「あ、はい、ちょっと買い物に」
「そうなんだ。西野くんは買い物好きなんだね。でも夕方だから、周れる場所も限られちゃうね」
それは、夜、咲場さんが襲ったせいだよ……。
なんてことは言えない、か……。
言いたいけど、言えない……。
「はい、でも近場なんで、ある程度は周れるんで、今日はその辺でいいんですよ。じゃあ、俺そろそろ行きますね」
「私も急に呼び止めてごめんね。気を付けて行ってくるんだよ!」
そう言って、俺は咲場さんに挨拶をし、出かけようとした時だ。
「あ、西野くん!」
「はい?」
俺は一旦、足を止め、咲場さんの方に顔を向けた。
咲場さんは、こちらに近づいていき、顔を俺の耳元に近づけ――――――。
「――――――もし、また気持ち良くなりたかったら、寝るときに電気は消しておいてね……」
そう囁き、肩をポンと叩いた後、立ち去った。
「咲場さん、いや、サキュバス、今日も俺を気持ち良くさせてくれ……! あの気持ち良さがどうしても忘れられないんだ……!」
俺は小声でそう呟いた。
――――――もっと、もっと深く、俺を管理してください……!!
様々な≪新しい≫が始まる4月の春。
俺は今年から大学生という新しい生活を送る。
大学の入学式5日前に、俺は大学近くのアパートに引っ越してきた。
一人暮らしが始まるんだ!
と言っても、俺の住むアパートは男性限定で、家賃も結構安い。いわゆる訳あり物件というやつだ。
アパート自体は割りと最近できたばっかりなのに、何が訳あり物件なのかよく分からないまま、安いし新しいし大学にも近いからという理由でここにしたのだ。
アパートは3階建てで、俺の部屋は1階の部屋だ。
1階なら、階段も上がらずに済むし、楽な部屋で良かったよ。
◇
「ここが俺の部屋か……。ついに始まるんだな……」
俺は自分の部屋のドアの前に立っていた。
ここから俺の新しい生活が始まるんだと思うと、胸の高鳴りが止まらなかった。
「あれ? 君もここの新しい入居者さんかな?」
俺がドアを開けようとした瞬間、横から女性の声が聞こえてきた。
「あ、はい。自分の通う大学がここから近いので」
女性は見た感じ、20代くらいに見える。
このアパートに住んでいる大学生だろうか。
しかし、ここは男性限定のはず……。どうして女性の人がいるんだ?
それとも、ここに住んでいる人の友達か、あるいは恋人か……。
俺の住むアパートは全員が大学生と聞いている。しかも、俺と同じ大学の生徒たちだ。
「そうなんだ。えっと、君は――――――」
「すみません、ご紹介が遅れましたね。俺、西野賢太郎って言います! 今年から大学生になります!」
俺は健気な自己紹介をする。
「君も大学生なんだね。私は咲場菫って言います! このアパートの管理人って言ったところかな?」
「え? ここの大家さんだったんですか!? てっきり大学生かと……」
「大家さんじゃなくて、管理人ね。でも私こう見えても24だよ? とっくに大学は卒業してるよ」
いや、24だとしても十分若いよ……。
咲場さんは、このアパートの大家さんではなく、管理人という立場らしい。
管理人の主な業務内容は、アパート周辺の見回りや清掃、不在だった場合の宅配物受取の代理、さらにはお願いをすれば、部屋の掃除もしてくれるという、素晴らしいサービスだ。
話だけ聞けば、これのどこが訳あり物件なのか俺にはよく分からなかった。いや、むしろ当たりの物件を引いたとしか思えない……。
何より、こんな綺麗な人が、このアパートを管理してくれるなんて……。ありがたや、ありがたや……。
と言っても、こんな素晴らしいが揃っているアパートがなぜ、訳あり物件なのか気になって仕方ない――――――。
「咲場さん、一つお聞きしたいことがありますが、大丈夫ですか?」
「ん? 何かな?」
「俺がここに引っ越す際に、このアパートは訳あり物件って、ネットに書いてあったんですけど、どうして訳あり物件なんですか?」
「――――――」
咲場さんが急に止まり、顔を逸らした。
あれ? 俺何かまずいこと聞いたか――――――?
だとしたら、失礼なこと言っちゃったか……?
「ああ、あの、もしあれなら別に言わなくてもいいですよ!? 俺失礼なことを――――――」
「ここね、夜になると、住人が襲われたりするんだよ……」
「――――――え?」
咲場さんがとんでもないことを口に出した。
同時に逸らしていた顔も、再び上がり、こちらに目を向ける。
「夜、寝るときを狙ってね、襲われるんだよ……」
「お、襲われるってどういうことですか……!? この周辺に殺人犯でもいるんですか……!?」
「いや、殺人とかの襲われるじゃないよ……? ただ、ちょっと男性の活力を奪うっていう感じかな?」
「――――――」
男性だけを狙って、襲われる。
目的は男性の活力――――――。
俺は、咲場さんが男性を狙う犯人について説明してくれたが、全く想像もできなかった。
「――――――って、話は聞いたことある程度だから、私もそれが本当かどうかよく分からないけど、西野くんも念のため気を付けたほうがいいかもしれないね」
「は、はい……」
「なんか、引っ越したばかりなのにこんな話になっちゃってごめんね」
「あ、いや、いいんですよ! 俺がこんなこと聞いたばっかりに……」
「ふふっ……、西野くん、優しいんだね。私も管理人として、犯人の手がかりについて調査しているから、安心して生活するといいよ」
「――――――はい」
咲場さんが俺の肩をポンと叩き、その場を去っていく。
「一つだけ、対策を言っておくよ」
去ろうとした咲場さんが足を止め、こちらに振り向いてきた。
「夜、電気は点けたまま寝るといいよ――――――」
「え? 電気?」
そう口にして、咲場さんは去って行った。
「寝るときに、電気を……」
対策もよく分からないが、やれる範囲ではあった。
俺はその夜、咲場さんの言った通り、電気は点けたまま眠りについた。
◇
入学式を終え、俺は自分のアパートに帰宅した。
アパートに帰宅したのは俺だけじゃない。他の何人かの生徒もこのアパートの住人だ。
「あれ? 確か、西野くんだったっけ?」
俺がアパートにたどり着いた時、後ろから声がした。
「えっと、確か俺の横に座ってた人だったよね?」
「そうそう! 俺もここのアパートに住んでてさ! 俺は内田茂って言うんだ!」
内田茂、彼も俺と同じ今年から大学生になって、俺と同じアパートの住人だ。
「俺はここの2階の部屋に住んでるんだ。あの2階の一番端の部屋ね!」
「へぇ、俺はその真下の部屋なんだよ」
「おう、これはなかなか運命な感じだな……。なんか西野くんとは仲良くできそうだよ。これからよろしくな!」
「こちらこそ、よろしく!」
入学初日から、俺はいい友人ができた気がした。
雰囲気はちょっと小学生の頃の入学式を思い出す感じはしたが、内田くんとは仲良くやれそうだ。
内田くんは2階へ上がり、自分の部屋に行った。
俺も自分の部屋に戻る。
「さて、入学式ながら、明日はいきなり休みだ。どうしましょうか」
入学式が行われたのは金曜日、つまり、いきなり明日は休みなのだ。
休みだから、バイトでも探すか、それは後回しにしてゆっくりするか、それとも出かけるか……。
でも、やっぱりここは出かけるか。
「せっかく、引っ越したばっかりなんだ。少しはこの街について知っておかないとな~。まだ何があるかも把握しきれてないわけだし」
俺はスマホを取り出し、マップを立ち上げ、街に何があるかを調べた。
「お、この店近くにあるじゃん! 行ってみたかったのよね~」
マップを眺めながら、いろいろ動画も見ていたら、すっかり夜になってしまっていた。
「あら? もうこんな時間か……。まだ夜飯食べてなかったな……」
俺は冷蔵庫の中を見たが、残念ながら2リットルの麦茶しか入ってなかった。
「はぁ……、時間もなくなっちゃったし、もうコンビニで済ませるか……。その代わり、明日は思いっきり食べるけどな!」
俺は部屋を出て、近くのコンビニへ向かう。
部屋の鍵を閉め、歩こうとした時――――――。
「こんな時間にお出かけ?」
「あ、咲場さん」
俺に声をかけたのは、このアパートの管理人、咲場さんだ。
おそらくアパートの見回りで来たのだろう。
「はい、ちょっと夜ご飯がまだだったので、コンビニでカップ麺でも買おうかなと思いまして。咲場さんは、見回りですか?」
「まあ、そんなところだね。深夜帯は変な人とかうろついていないか確認しないといけないからね」
「そうですよね……。咲場さん、やっぱり管理人は大変ですか?」
「そりゃあ、大変だよ。でも、ここに住んでる人たちが安心して暮らせる環境を維持するのが、管理人としての私の務めだからね」
咲場さんは微笑みながらそう答えた。
咲場さんと話をしてから数分も経たないうちに、日付が変わってしまった。
「あ、もう0時だ。じゃあ、俺ちょっと行ってきますね」
「うん、夜道は危ないから気を付けてね」
「はい! 咲場さんも見回りご苦労様です!」
俺は咲場さんにお礼を言ってから、コンビニへ向かった。
「さて、住んでる人たちは――――――、おや? 2階のあの部屋の電気が点いてないね……。ふふっ……」
忠告はしたのに――――――。寝るときには電気を点けたままだって。
いけない子だ……。
ということは、私が美味しく食べてもいいって合図だね……。
「確か、あの部屋は――――――、内田茂……。確か、あの子も西野くんと同じ今年から大学生の子だったね」
じゅるりと舌を舐める。
部屋の中を確認した後、君の精力はいただくからね……。
「うぅ……、やっぱりまだ4月の夜道は寒いな……」
4月とはいえ、夜になると震えるくらいに寒い。
俺はコンビニでカップ麺とお菓子とコーラを買って帰宅した。
アパートの前に着くと、やはり0時を過ぎたにも関わらず、部屋の電気はどの部屋も点いたままだった。
ここに住む人は、みんな咲場さんのあの忠告を聞いたからか、襲われる対策として行っていた。
ただ、一部屋を除いて――――――。
「あれ? あの部屋って確か内田くんの部屋だよな……。電気が点いてないぞ……?」
今日知り合った、内田くんの部屋だけ電気が点いていなかった。
俺は気になり、2階の内田くんの部屋の前のドアに耳を傾けた。
しかし、防音対策もしっかりされており、部屋の音を聞くことはできなかった。
部屋の窓も、中が見えないフィルムで覆われているため、当然ながら中も見ることはできない。
「ダメだ、様子が見れない……」
よりによって、連絡先も今日は交換しておらず、内田くんの様子を探ることはできなかった。
「まあ、何事もなければいいけど……」
俺は1階に降りて、自分の部屋に戻った。
夜飯、風呂、歯磨きを全て済ませ、就寝の準備は万全だった。
――――――でも、やっぱり内田くんの部屋の電気が点いていないのがどうしても気になって仕方なかった。
俺はもう一度、内田くんの部屋に行こうとし、ドアを開けた。
――――――その瞬間だった。
「わぁ!」
ドアの前で突如、女性の驚いた声が響いた。
「あ、咲場さん! すいません! ビックリさせちゃって……」
「あはは、大丈夫大丈夫! 急にドアが開いたからつい……。あれ? 西野くん、コンビニは行ってきたんじゃなかったっけ?」
「はい、コンビニは行ってきたんですけど、ちょっと気になることがありまして」
「気になることっていうのは、何かな?」
「このアパートの、俺の真上の部屋に住んでる内田くんの部屋の電気が点いてなかったんですよ。それで気になるからちょっと様子を見ようかと……」
「――――――内田くんは大丈夫だよ。ぐっすり寝てるよ」
咲場さんは間を空けてからそう答えた。
「え? 咲場さん知ってるんですか!?」
「私はここの管理人だよ? 一部屋だけ電気が点いてなかったから、おかしいなと思って、内田くんの様子を見てきたんだよ」
そう言うと、咲場さんはポケットからカードキーを取り出した。
「そのカードキーは?」
「これは管理人用のカードキーだよ。みんなにはそれぞれの部屋のキーを持参してると思うけど、私の場合はこのキー1枚だけで、全ての部屋の鍵を開けることができるんだ」
「す、すごいですね……」
うわぁ、なんじゃそのチート性能を持つカードキーは……。
でも、内田くんが無事だということが確認できたから、これで一安心だぜ。
「内田くんが大丈夫ってことは分かったでしょ? 西野くんも早く寝なよ。休みだからって夜更かしは体に毒だぞ?」
「そ、そうでしたね……。すいませんねさっきは。俺も今夜はこれでぐっすり寝れそうですよ! じゃあ咲場さん、おやすみなさい」
「うん、おやすみなさい」
咲場さんとの会話を終え、俺は静かにドアを閉めた。
「内田くん、ぐっすり寝てるって言ってたっけ……」
咲場さんの言葉をふと思い出す。
電気は点けたまま寝ろと言われたのに、内田くんの部屋の電気は点いたまま、しかもそんな状況の中、内田くんはぐっすり寝ている。
――――――別に、電気消しても良さそうじゃないか。
「正直、明るいままだとなかなか寝れないんだよな……。電気代もかかるし」
俺はこの日は電気を消して、寝ることにした。
久しぶりの暗い部屋の中での睡眠だ。
「まあ、内田くんが大丈夫なら、俺も大丈夫だろう……」
そう一言呟き、俺は睡眠に入った――――――。
◇
それは、俺が睡眠に入って数分経った頃だ。
ベッドの寝心地に変な違和感を感じた。
(な、なんだ? 誰か、いる――――――?)
俺しか寝ていないはずだ。いや、むしろ一人暮らしならそれは当たり前か。
しかも、俺の上に誰かがいる感覚が――――――。
俺は目を細めて、それを確認しようとしたが、部屋が暗くてはっきりと見えない。
(ど、どうする……? このまま起きるか……? でないと俺のベッドで誰がいるか確認できない……!)
俺は、細めていた目を開け、ベッドで何が起きているかを目の当たりする。
「あれ? 起こしちゃったかな?」
「え? さ、咲場さん……?」
俺のベッドの上にいたのは、アパートの管理人である咲場さんだった。
しかし、どこか雰囲気が違った。
カーテンの隙間から照らされている街灯の光で、羽や尻尾のようなものが確認できた。
どうして俺の部屋にいるんだ?
カードキーは確かに管理人用のを持っているから、入る方法はあるから分かるけど、なぜだ……?
「咲場さん! 何してるんですか!?」
「おっと! 動いちゃダ~メ!」
咲場さんは、手を大きく開き、何やら超能力を使ってきた。
「うっ……! か、体が……!」
突然、俺の体が動かなくなった。
咲場さんが重いからというわけではない。寝ていた体自体が動かなくなり、起きることができなくなったのだ。
「ごめんね、西野くん、勝手に入ったりして、でもね、私の忠告を聞かなかった君も悪いんだよ?」
「ちゅ、忠告……?」
「私、君に言ったよね? 寝るとき電気は点けたままだって。でも君はそれをしなかった……。だから私が今、君の部屋にいる……。私、こういう暗い部屋のほうが活発的なんだ」
「え? どういうことです……?」
この状況を理解するのがあまりにも難しかった。
確かに俺は咲場さんの忠告を無視して、今回は電気を消して寝ようとした。
その忠告した本人がどうして俺のベッドの上に――――――?
「私の咲場菫っていう名前は、人間界で使っている仮の名前。本当はね、サキュバスなんだ……」
「さ、サキュバス……?」
――――――聞いたことがあるぞ。
確か、男性の精を食事にしている化け物だったか……?
架空の存在だとずっと思っていたのに、現実に、本当に存在していたなんて……。
そのサキュバスに今、俺は襲われている……。
「お、俺を殺しに来たのか……!?」
「そんなに怖がらないでよ~。殺したりなんてしないよ。君の精力をもらいにきただけだよ?」
「せ、精力?」
俺は起き上がろうともがくも、サキュバスの先ほど放った超能力のせいで、ただもがいているだけしかできなかった。
「こ、この……! これを、解け……!」
「そんなに暴れても無駄な体力使うだけだよ? そんな子には、こうだ!」
急にサキュバスは顔を近づけてきた。そして、その流れで、俺にキスをしてきた。
「ん……、ちゅっ……、んんちゅ……、……ちゅる、ん……」
口が塞がれて、喋ることもできなくなった。
ただ、呻くような声しか俺は出せなかった。
しばらくして、サキュバスは口を離した。
「どうだったかな? 私とのキスは……」
「はぁ……はぁ……」
「その反応は、もしかしてキスは初めてだったりする? じゃあ、私が君のファーストキスをもらっちゃったってわけだね!」
俺は一旦、息を整えるも、サキュバスの攻めは緩めず、もう一度俺にキスをした。
しかも今度は、舌まで入れてきた。
「じゅるるる……、んちゅ……ちゅ……ずるるる……、んんっ……」
(――――――これは、深いヤツだ……!)
キスが続き、次第に俺の体が動く体力がなくなってきていた。
まるで、力が吸収されているように――――――。
長かったキスも、ようやく終わったが、俺は既に力尽きた状態であった。
「はぁ……、はぁ……、はぁ……」
「あ~あ、すっかり情けない顔になっちゃったね。ふふふ……」
「な、なぁ、これで終わりなんだろ……?」
「何言ってるの? まだまだこれからだよ?」
「え……?」
そう言ってサキュバスは、今度は俺の下半身に体を移す。
俺は止めようとするも、さっきのキスで力も吸われ、抵抗することができずに、サキュバスの行動を許してしまう。
サキュバスは、そのまま、俺のズボンとパンツを脱がし始め、下半身は何も身に着けていない状態になってしまった。
「さっきまで抵抗してたのに、やっぱりこっちは正直なんだね。おちんちんこんなに大きくしてるよ……?」
「そ、それは違う……! 生理現象だ……!」
「ほんとかなぁ? じゃあ、これから私のやることに、西野くんは耐えられるかな?」
そう言ってサキュバスは、俺の硬くなったとされているペニスにちゅっと軽い口づけをしてきた。
「ああぁ……」
「ふふっ、かわいい声が漏れちゃったね。感じちゃってるんだ……」
「ち、違う……、これは、勝手に――――――」
「……そう、勝手に? じゃあ、これから私がすることでも同じことが言えるかなぁ?」
――――――サキュバスが口を大きく開け、俺のペニスを咥える。
そんなところ、口にするもんじゃないぞ……!!
「んっ……、んっ……、んっ……、じゅるっ……」
サキュバスは顔を上下に動かしながら、ペニスを吸い尽くしていく。
「あ……、んぐ……、んっ……」
「ふふふっ、すごく声が漏れてる……。いいんだよ? 気持ち良かったら、たくさん声出して」
じゅるっじゅるっと、ペニスを吸う音が激しくなっていった。
俺は、ただただ悶えることしかできなかった。
「ぷはっ……、ほら見て、西野くんのおちんちん、すっごく硬くなって、我慢汁もいっぱい……」
「はぁ…、はぁ…、こ、これは……」
「ん~、まだホントのこと言わないつもりかな? それじゃあ、口でするついでに、上もいじってあげるよ!」
「――――――は? 上……?」
そう言って、サキュバスは再びペニスをしゃぶりつくと同時に、俺の乳首を指で弄り始めた。
左右の乳首を人差し指で軽くつついていく……。
「あああああぁ……!! ああああああ……!!」
「アハハハハ! すごい声出ちゃったね! もう正直に言いなよ、気持ちいいんでしょ?」
「ぐ……、そ、そんなはず……」
「強がっちゃって~、でも我慢汁もう結構溢れててさ、これってもうイきたいって証拠だよ?」
「――――――そ、それは……」
「もう、心も体も正直になっちゃいなよ……」
サキュバスの攻めは止まらない。
クリクリと動かす乳首弄りも、じゅぼじゅぼと音を出しペニスを咥えるフェラチオも、攻めの勢いは増していった。
ここまでされたら、とうとう俺の心にも影響が出始めた――――――。
「も、もう……、イ、イく……」
「ふふふ、イっちゃうの? いいよ、私、西野くんの精液飲みたいな~。だから、イって」
フェラチオの激しさが増す。サキュバスが、俺の精液を早く飲みたい一心で、激しさが増す。
――――――もう俺の精液は、尿道へと上っていき、発射まで来ていた。
「イって……! 西野くん……! 溜まってた精液いっぱい出して……!」
びゅく! びゅるるる! どぴゅっ! どぴぴゅっ!!
間もなくして、俺のペニスから精液がどくどくと射精してしまった。
射精した精液は、サキュバスがどんどん口にしていく。
「んっ……、ごくっ……、ごくっ……、ん、ぷはぁっ……、ごちそうさまでした!」
「はぁ…、はぁ…、お、おれ……」
「ふふっ、西野くんの精液、すごく美味しかったよ! とっても濃厚だったよ……」
俺は顔を少し上げ、サキュバスの表情を見ることができた。
彼女はとても幸せそうな顔をしていた。好物を食べることができた、そんな顔だ。
腕も足も気づけば動かせるようになっていた。呪縛は解かれたようだが――――――。
なんだろう、脱力感が……。
「おっと、無理に起き上がろうとしちゃダメだよ? 私にいっぱい吸われちゃってるから」
「あ、すみません……」
俺は起き上がろうとしたが、もう一度ベッドで横になった。
「西野くん、どうだったかな? 私に射精した感想は」
「――――――えっと……、き、気持ち良かった、です……」
「でしょ? 西野くんも気持ち良くなったし、私も精液飲めたし、ウィンウィンだったね」
俺はどこか悔しそうな気持ちではあったが、ここまで気持ち良かったものだとは想像もしていなかった。
しばらくして、サキュバスはベッドから降り、背中の羽や尻尾が縮まっていき、普段見ている咲場さんの姿へと戻った。
「さて、今夜はここまで。あれだけ出しちゃったら、もう体力的にもきついでしょ?」
「え……? もっと、しないんですか……?」
「無理は禁物だよ? 続けちゃうと、眠れなくなるでしょ? 私は、ここの管理人なんだよ?」
「――――――」
正直、もっと味わいたかった。
でも、彼女のストップが入ったなら、今回は受け入れよう。
「じゃあ西野くん、美味しい精液ありがと! それと、おやすみ……」
サキュバス、いや、咲場さんはそう言って俺の部屋を後にした。
ガチャッというドアの鍵が閉まった音も確認できた。管理人の持つカードキーで施錠したのだろう。
「――――――気持ち、よかったな……。また、吸われたい……」
気づけば、俺は彼女の虜になっていた。
――――――そうか、そういうことだったのか……。
俺は、ここでようやく理解した。
なぜ、このアパートが設備豊富でありながら、訳あり物件と呼ばれているのか。
なぜ、ここは男性限定のアパートにも関わらず、管理人が女性なのか。
なぜ、夜に電気を点けたまま寝ないと襲われてしまうのか。
それは、ここの管理人が、男性の精力をエサにして襲う、サキュバスが、アパートの管理、そして、性的な管理をしていたからだ――――――。
――――――しばらくして、俺は眠りについた。
◇
咲場さん、いや、サキュバスに襲われて、一夜が明けた。
「んん、もう朝、か……?」
俺はスマホの電源を入れ、時間を確認した。
ところが、一夜は明けたが、既に朝ではなかった。
「え!? もう昼過ぎ!?」
時間は午後の3時を回っていたところだった。
俺、そんなに寝ていたのか――――――?
いや、深夜の1時には寝て、これはさすがに寝すぎのレベルじゃ――――――、あ、そうか……。
「俺、襲われたんだっけ……。サキュバスに……」
起きて気づいたのが、生まれたままの姿になっていたことだ。
きっとサキュバスに寝間着を全部、脱がされたんだろう。
とりあえず、起きないとな――――――。
起きる力はあったため、体は動かせるくらいの体力はあった。
ただ、どこか頭がクラクラして、壁に張り付いていないと、今は歩けない。
「精力を奪われると、これだけ歩けないのか……」
俺は、今ある体力で、タンスから衣類を取り出し、なんとか着替えることはできた。
「はぁ……はぁ……、着替えるだけでもこれだけきついなんて……」
俺は着替えた後、一旦、椅子に座って頭のクラクラが治まるのを待った。
だいたい10分経った頃、だいぶ落ち着いてきた。
「よし、なんとか普通に歩けるぞ」
足も普通に歩けるようにまで回復し、俺はドアを開け、予定していた場所へと出かけることにした。
もう夕方で、予定もかなり狂ってしまったが、まあまあ近場だから、ある程度の店は周れるか。
俺がドアを開けた後、階段から誰かが降りてくる音がした。
「あ、西野くん!」
降りてきたのは、2階に住む内田くんだった。
内田くんも、今起きたような雰囲気をしていた。
そう、彼も俺と同じ、サキュバスに襲われた人だからだ。
「内田くん! 昨日、というか寝るときに電気消したままだったけど、大丈夫だった?」
「あはは、それな~。咲――――――、あ、いや、サキュバスって化け物に襲われちゃってさ……。でも、俺はこうして生きてるんだぜ? すごいでしょ?」
「やっぱり、内田くんも襲われてたんだね……」
「え? となると西野くんもなの?」
「うん。俺も電気消して寝ちゃってさ。サキュバスに――――――」
俺と内田くんは、サキュバスに襲われたという話題で盛り上がってしまった。
襲われたにも関わらず、どうしても忘れられない、快楽がそこにあったからだ。
それを内田くんは、今日も実行するつもりでいた。
「俺、どうしてもあの気持ち良さが忘れられなくてさ……。だから、今日も電気は消してねるよ」
「それって、大丈夫なの? 体に害とかないの?」
「まあ、起きる時間はかなり遅くなるけど、明日は日曜日だから、大丈夫だと思うぞ?」
さすがに翌日が平日だったら、起きる時間が夕方になるくらいだから、やらないか。
「で、内田くんはこれからお出かけ?」
「おう! 今日の夜に備えて、もっと気持ち良くなるための道具を買ってくるんだ! じゃあ、そういうことだから、行ってきますよ! フゥ~!!」
内田くんは、サキュバスに襲われたことがそんなに忘れられないのか、かなりテンションが一気に上がっていた。
「内田くん、寝起きなのにテンション高くなるの早いな……。俺も、どうしようかな……」
「おや? 何かお困りかな?」
「おわ!」
後ろから聞き覚えのある女性の声がした。
深夜、俺と内田くんを襲い、精力を奪った張本人だ。
「さ、サキュバス――――――」
「おっと! 私はサキュバスじゃなくて、咲場菫だよ? 少なくとも、今はね?」
「さ、咲場さん?」
俺はどうしても、今でも咲場さんをサキュバスと呼んでしまいそうになる。
でも、今の彼女は、咲場さんなんだ。
「私をサキュバスって呼んでいいのは、夜、襲われる時だけ。それ以外は、ちゃんと咲場さんって呼んでくれなきゃダメだよ?」
「す、すいません。つい夜のことが忘れられなくて……」
俺は、咲場さんに一言謝罪した。
「ふふっ、別に君が謝ることじゃないよ。君にとっては、あれが初体験なんだよね? だったら忘れられないのは仕方ないよ」
咲場さんは笑みで、言葉を返した。
咲場菫のときとサキュバスのときの雰囲気は、やはり違うものを感じるが、所々、サキュバスの雰囲気を漂わせているところもあった。
「ところで、西野くんは、これからお出かけ?」
「あ、はい、ちょっと買い物に」
「そうなんだ。西野くんは買い物好きなんだね。でも夕方だから、周れる場所も限られちゃうね」
それは、夜、咲場さんが襲ったせいだよ……。
なんてことは言えない、か……。
言いたいけど、言えない……。
「はい、でも近場なんで、ある程度は周れるんで、今日はその辺でいいんですよ。じゃあ、俺そろそろ行きますね」
「私も急に呼び止めてごめんね。気を付けて行ってくるんだよ!」
そう言って、俺は咲場さんに挨拶をし、出かけようとした時だ。
「あ、西野くん!」
「はい?」
俺は一旦、足を止め、咲場さんの方に顔を向けた。
咲場さんは、こちらに近づいていき、顔を俺の耳元に近づけ――――――。
「――――――もし、また気持ち良くなりたかったら、寝るときに電気は消しておいてね……」
そう囁き、肩をポンと叩いた後、立ち去った。
「咲場さん、いや、サキュバス、今日も俺を気持ち良くさせてくれ……! あの気持ち良さがどうしても忘れられないんだ……!」
俺は小声でそう呟いた。
――――――もっと、もっと深く、俺を管理してください……!!
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる