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アーサー視点
しおりを挟む親父に連れられて向かった辺境伯
辺境伯騎士団の訓練が見れる事は楽しみだったけど貴族のやりとりって苦手なんだよなー
うちも一応伯爵家ではあるけど、兄貴が居るから俺は騎士の道一筋だしな
しかも、王太子が居るとか正直言って面倒だろ?
それでも、親父が一緒に連れて行ってくれるなんて初めてだからな
ついて行くしかないだろ
そんな中で、退屈な書類を眺めている間
俺は辺境伯の娘、リディアの肩に乗っている生き物に夢中だった
猫だよな?
なんで羽生えてんだ??
そいつも俺の視線に気付いたのかじーっと見つめてくると、急に鼻で笑われた気分になった
弱いなぁ。みたいに言われた気がした
このせいでちょっとだけムッとしたけど、騎士たる者強い心を持つものだと普段から親父に言われ続けてるのを思い出して気にしてない素ぶりをしておいた
王太子とアロンは、ちっこいリディアを気にしてるようだったけど俺は興味がなかった
確かに可愛いけど、女ってのは怖いんだ
母親と姉を見てると女がか弱いってのは嘘だと思う
力は確かにないし体力もないけど、その分ネチネチと嫌味を言ったりどこぞの夫人や令嬢と張り合って勝てないと思えば悪口のオンパレードだ
リディアだって、見た目が可愛いだけであの家に君臨してる奴らと一緒だと思った
けど、町娘みたいな服を着て茶を運んだりしてるリディアを見てたら、ちょっと違うかもな
位には思った
まぁでもこの2人と張り合ってどうにかなるとも思えねーしな
そんな気持ちで、ワゴンを押すのだけ手伝ってやった
その後、魔獣が出て何を考えたのか王太子が飛び出して
アロンを見ればちゃっかり避難してやがった
あの半球状の中は安心だと直感で俺にも分かったから、王太子を連れ戻してあの中に入れないと!って、付いて行くしか選択肢は無かった
しかも、あの結界みたいなのを出したのはリディアだ
すげー!!単純にそう思った
しかも、あの猫みたいなやつに抱えられながら魔獣が走ってくる森に向かって突っ込んで行こうとしていてめちゃくちゃカッコ良く見えた
その横で、王太子が魔獣に噛まれて飛びかかられそうだったのに気付いて身体が勝手に動いていた
右腕に違和感を感じたと同時に自分の腕が宙を舞ったのを見た
あ…もう騎士になれねーな
一生懸命特訓したし付き合ってくれたのに親父ごめんな
王太子に飛びかかったやつは、駆け付けて来た騎士達が倒したみたいだし大丈夫だよな?
周りがゆっくりに見える中、背中が地面についた瞬間右腕を中心に激痛が走る
今まで感じた事の無い痛みに汗が吹き出して息が荒くなる
親父が俺の腕を持ちながら涙でぐちゃぐちゃになりながら俺を抱き締めた
痛いのと申し訳ないので俺も泣いていたかもしれない
そんな時、リディアの絶対に治すって声が聞こえた
そんな事が出来るなら神様じゃねーの?
親父はなんとも言えない表情で、俺を地面に寝かせたけど、今までぎゅうぎゅうに抱き締められていた感触が無くなって急に寂しく感じた
リディアが膝を付いて俺と王太子に向かって目を閉じたと同時に眩しくなった
さっきまであんなに痛かった右腕の痛みがなくなった上に、腕の感触がある
握ってみると握った感触
光が消えると、俺の右腕がいつもと変わらずにソコにあった
俺と目が合うと安心した様な笑顔を浮かべた後、リディアが倒れ込んで来る
俺は飛び起きてリディアを支えに走った
もうその時には既に、リディアを好きになっていたと思う
結果的には受け止めたのは、見守る為に一歩下がって居た親父だったけど
親父が、リディアに向かって
「ありがとうございます。聖女様」
と、呟いたので周りにも広がって聖女様!聖女様!と、騎士達が騒ぎだした
……ライバルが王太子とアロンで好きになった子が聖女とか言われてる場合、俺って勝ち目ある?
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