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宰相
しおりを挟む食事後、執務室にお父様と私とお母様が集まった
お母様も同席したいと言って来てお父様が了承したからだ
そりゃ、家の事だし横領されてたなんて知ったら女主人として当たり前だよね
「では、宰相に連絡をするぞ。」
と、お父様が拳大のの透明なガラス玉のような物を引き出しから取り出して何やら短い呪文の様なモノを唱えたかと思うと、その玉を起点に人の顔が浮かび上がると
『やぁ、レオニス。久しいな?どうかしたのか?』
モノクルを付けたイケおじ(日本の私と同じ位に見える)が話かけて来た
「あぁ、カイル。久しぶりで厄介な案件を持ち込む事になるんだが今時間は大丈夫だろうか?」
『厄介事かい?もう城には着いているからね。時間は問題ないよ。どうしたんだい?』
「それが…うちの娘が1番詳しいから娘から話を聞いて貰えるだろうか?」
『君の娘?確かウチの息子と変わらない年齢だったよね?…そんな子供が厄介事を説明してくれるのかい?…いいね。興味深い。お嬢さんを出して貰えるかい?』
「あぁ、今娘を出す。少し待ってくれ」
お父様はそう言うと私を抱き上げ執務室の椅子に乗せてくれた
傍目から見たら、イケおじと向かい合ってる状態なんだけどこれイケおじから私が見えてるって事なのかな?
『これはこれは。一国の姫と言っても過言ではない程に可愛らしいお嬢さんだ』
うん。
見えてるらしい
そして褒められた。ちょっと嬉しい。
「おい、カイル。娘はやらんぞ」
『失礼だな。私が息子の婚姻相手に望むのは外見ではない。ココだよココ。』
と、こめかみ辺りを人差し指でトントンとするイケおじ
「…外見と頭脳を持ち合わせてるとしたら?」
『それは是非とも貰い受けたいね』
話が変な方向に行きそうなので、後ろに立て膝で控えてくれてるお父様の服をチョンチョンと引っ張った
「あぁ、リディアすまない。そうだな、余計な話をしてしまった。説明を頼むよ」
お父様の言葉に、イケおじも失礼したねと言って聞く体制になってくれたので先ずは自己紹介からかな
大体の小説で、貴族子女の自己紹介を思い出してみる
確か…
「初めまして。エストレーア辺境伯が娘リディアと申します。本日はお時間を頂きありがとうございます。」
目の前のイケおじは、目を見開いたかと思うとニンマリと笑い自己紹介を返してくれた
『これはこれは、ご丁寧に。私はこの国の宰相、カイル・フェルゼンだよ。リディア嬢とお話出来る事に時間を使える幸せをありがとうね』
…イケメンが過ぎるんですけどー!!
でも、これは絶対腹黒系だ!
騙されるな私!!
《…やだ。素敵過ぎる…》
頭の中の私が、イケおじ宰相にメロつきだした…
《推せる!この無害そうなイケメンが腹黒ってパターンならマジで最高なんだが?》
ちょっと、黙っててくれ私!!
《おう、失礼。》
…休みの日をいい事に張り付いている私にため息を吐きたい気持ちになった所で、背後のお父様からため息が聞こえた
「カイル…娘はやらんからな」
『それは、君じゃなくてリディア嬢とうちの息子次第だね。相性良さそうだけど』
さっきと答えが変わってる?!
よし。さっさと報告して終わらせてしまうしかない
「宰相様、お話よろしいでしょうか?」
『あぁ、そうだね。脱線して申し訳無かったね。では、お話を聞かせて貰おうか』
その言葉を受けて、叔父が怪しいと思った経緯から今朝証拠を手にしたまでの事を説明した
『なるほど…それは今まで大変だったね。直ぐにこちらを出発する準備をしよう。そうだな…昼過ぎには到着出来ると思うから待っててくれないかな?』
「え?昼過ぎ?」
『辺境まではかなりの距離があるし、そこは魔獣の出る森があるだろう?有事の時には直ぐに転移出来る様に王国騎士団の訓練施設と、そっちの騎士団の訓練施設に転移陣が設置されているんだよ。だから、急ぎの仕事だけ片付けて直ぐに行くつもりだから昼過ぎかな』
「なるほど、分かりました。では、お待ちしていますね」
じゃあ、後で。と、イケおじ宰相からの通信が切れた
転移陣とかあるんだ!
やっぱり、魔法が栄えてるのかそうでないのか分からないな
宰相も精霊の存在については、凄く驚いていたもんね
とりあえず、直ぐに来てくれるなら有難い
『カイル様。ヤバい!本当ヤバい!』
…頭の中の私が語彙力を失くしてしまったみたいである
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