分裂転生少女は辺境の至宝になりました!

しののめ あき

文字の大きさ
6 / 15

宰相

しおりを挟む

食事後、執務室にお父様と私とお母様が集まった
お母様も同席したいと言って来てお父様が了承したからだ
そりゃ、家の事だし横領されてたなんて知ったら女主人として当たり前だよね

「では、宰相に連絡をするぞ。」

と、お父様が拳大のの透明なガラス玉のような物を引き出しから取り出して何やら短い呪文の様なモノを唱えたかと思うと、その玉を起点に人の顔が浮かび上がると

『やぁ、レオニス。久しいな?どうかしたのか?』

モノクルを付けたイケおじ(日本の私と同じ位に見える)が話かけて来た

「あぁ、カイル。久しぶりで厄介な案件を持ち込む事になるんだが今時間は大丈夫だろうか?」

『厄介事かい?もう城には着いているからね。時間は問題ないよ。どうしたんだい?』

「それが…うちの娘が1番詳しいから娘から話を聞いて貰えるだろうか?」


『君の娘?確かウチの息子と変わらない年齢だったよね?…そんな子供が厄介事を説明してくれるのかい?…いいね。興味深い。お嬢さんを出して貰えるかい?』


「あぁ、今娘を出す。少し待ってくれ」

お父様はそう言うと私を抱き上げ執務室の椅子に乗せてくれた

傍目から見たら、イケおじと向かい合ってる状態なんだけどこれイケおじから私が見えてるって事なのかな?

『これはこれは。一国の姫と言っても過言ではない程に可愛らしいお嬢さんだ』

うん。
見えてるらしい
そして褒められた。ちょっと嬉しい。

「おい、カイル。娘はやらんぞ」

『失礼だな。私が息子の婚姻相手に望むのは外見ではない。ココだよココ。』

と、こめかみ辺りを人差し指でトントンとするイケおじ

「…外見と頭脳を持ち合わせてるとしたら?」

『それは是非とも貰い受けたいね』

話が変な方向に行きそうなので、後ろに立て膝で控えてくれてるお父様の服をチョンチョンと引っ張った

「あぁ、リディアすまない。そうだな、余計な話をしてしまった。説明を頼むよ」

お父様の言葉に、イケおじも失礼したねと言って聞く体制になってくれたので先ずは自己紹介からかな

大体の小説で、貴族子女の自己紹介を思い出してみる
確か…

「初めまして。エストレーア辺境伯が娘リディアと申します。本日はお時間を頂きありがとうございます。」

目の前のイケおじは、目を見開いたかと思うとニンマリと笑い自己紹介を返してくれた

『これはこれは、ご丁寧に。私はこの国の宰相、カイル・フェルゼンだよ。リディア嬢とお話出来る事に時間を使える幸せをありがとうね』

…イケメンが過ぎるんですけどー!!
でも、これは絶対腹黒系だ!
騙されるな私!!

《…やだ。素敵過ぎる…》

頭の中の私が、イケおじ宰相にメロつきだした…

《推せる!この無害そうなイケメンが腹黒ってパターンならマジで最高なんだが?》


ちょっと、黙っててくれ私!!

《おう、失礼。》

…休みの日をいい事に張り付いている私にため息を吐きたい気持ちになった所で、背後のお父様からため息が聞こえた

「カイル…娘はやらんからな」

『それは、君じゃなくてリディア嬢とうちの息子次第だね。相性良さそうだけど』


さっきと答えが変わってる?!
よし。さっさと報告して終わらせてしまうしかない

「宰相様、お話よろしいでしょうか?」


『あぁ、そうだね。脱線して申し訳無かったね。では、お話を聞かせて貰おうか』


その言葉を受けて、叔父が怪しいと思った経緯から今朝証拠を手にしたまでの事を説明した

『なるほど…それは今まで大変だったね。直ぐにこちらを出発する準備をしよう。そうだな…昼過ぎには到着出来ると思うから待っててくれないかな?』

「え?昼過ぎ?」

『辺境まではかなりの距離があるし、そこは魔獣の出る森があるだろう?有事の時には直ぐに転移出来る様に王国騎士団の訓練施設と、そっちの騎士団の訓練施設に転移陣が設置されているんだよ。だから、急ぎの仕事だけ片付けて直ぐに行くつもりだから昼過ぎかな』

「なるほど、分かりました。では、お待ちしていますね」

じゃあ、後で。と、イケおじ宰相からの通信が切れた

転移陣とかあるんだ!
やっぱり、魔法が栄えてるのかそうでないのか分からないな
宰相も精霊の存在については、凄く驚いていたもんね

とりあえず、直ぐに来てくれるなら有難い

『カイル様。ヤバい!本当ヤバい!』

…頭の中の私が語彙力を失くしてしまったみたいである





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界でのんびり暮らしたいけど、なかなか難しいです。

kakuyuki
ファンタジー
交通事故で死んでしまった、三日月 桜(みかづき さくら)は、何故か異世界に行くことになる。 桜は、目立たず生きることを決意したが・・・ 初めての投稿なのでよろしくお願いします。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...