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14 おかげさまで大きくなりました

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父は俺とアキを交互に見て言った。

「え?!」

俺とアキが、、兄弟、、、?

俺が動揺している一方で、アキは平然としている。

「お前がアキが好きだという噂は聞いた。だが、それは恐らく兄弟という血のつながりが感じさせる親しみだ。」

「そんな、、馬鹿な!!」

この湧き上がる愛情が家族への愛情だとでもいうのか?!

「ソラウ、お前が望むならアキを弟としてこの家に迎えいれてやる。その代わりさっさと目を覚まして、フィリアと結婚するのだ。」

フィリアと結婚は絶対にしないが、そんなことどうでもいい!!

「アキ、、、!君は、驚かないのか?!」

いつも通りの呑気な顔で、椅子に座るアキの肩を揺さぶる。アキは小さく笑った。

「噂には聞いていましたから。私はリングイット家の愛人の子供ではないかと。周りの大人は良く言っていました。」

「そうなのか?!」

「ええ。私がこの家で働こうと思ったのは、その噂を知っていたからですし。」

アキは静かに立ち上がると、にっこりと笑って父を見た。

「お話が終わったのならば、私は退室してもいいでしょうか?」

「待ってくれ。コハルの子よ。本当に君はコハルによく似ている。もう少し、話をしないか?」

アキは首を振った。

「いいえ。私も動揺しておりますので、少し一人になりたいのです。」

本当に動揺しているか?いつも通りにみえるんだが?

「そうか、、、。」

「大きくなった姿を、貴方に見せれて嬉しく思いますよ。アイザル様。」

アキの言葉に父は顔をほころばせた。アキは真っ直ぐに父を見た。

「ちなみにアイザル様、私が何歳になったか知っていますか?」

父は頭を抱えた。よく、わからないのだろう。この最低男め。

「あのとき、、確か7歳で、、あれから10年経っているはすだから、、。」

父は顔をあげ自信満々に言った。

「アキは今、17歳だろう?」

いや、間違っているのだが、、、。アキは今15歳だ。

「ええ。さすがアイザル様です。お陰様で、私は17歳になりました。」

え?アキはいたずらっぽく笑った。

「さぁ、行きましょうか。ソラウ様。今日も学園に大遅刻ではあるのですが。」


  ◇◇◇
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