【溺愛のはずが誘拐?】王子様に婚約破棄された令嬢は引きこもりましたが・・・お城の使用人達に可愛がられて楽しく暮らしています!

五月ふう

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4.一人で待っています!

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僕は身支度を整えるため、一度家に帰ることにした。そっとドアを開けると、小さな音に気が付いたシエリが玄関に走ってやってくる。もうとっくに日付を回っているが、心配で眠れなかったのだろう。

「ただいま。シエリ。」

僕はぎゅっと愛しい婚約者を抱きしめる。

「おかえりなさい。フォックス様は・・・見つかりましたか?」

「ああ。だけどどうやら奴は隣町に行ってしまったみたいで、これから追いかけなくてはいけなくなった。」

「まぁ。」

シエリは目を見開く。これまでの一か月間、フォックスは城内で公務に励んでいたため家を留守にすることはなかったのだが・・・まさかアルフとニューナがいないタイミングで家を空けることになるとは・・・。

「心配だなぁ。」

柔らかいシエリの頬にふれる。

「一人で大丈夫か?不安であれば僕の実家に行くかい?」

両親とシエリは同棲する前に一度会ったことがある。実家であれば何部屋も空き部屋があるし、護衛もいるし安心ではある。母親にシエリとの同棲を反対されると思っていたが、母親は案外上機嫌だった。息子の見る目を信用しているんだろう。

だが、シエリは細かく首を振った。

「だ・・・大丈夫です。一人でちゃんと過ごせますよ・・・!」

いきなり僕の実家に行ったら緊張するよな。
だが、シエリにはまだザルトル国に知り合いがいない。

「もし何かあったら、僕の実家に逃げ込むんだよ。」

ああ、心配だ。

「大丈夫です!しっかりお家を守っておきます!」

とシエリは笑顔で言う。
シエリはおっとりしているが、芯がある強い子だ。きっとだいじょうぶだと自分に言い聞かせる。

「よろしく頼んだよ。」

僕はもう一度シエリを抱きしめると、彼女に別れを告げて隣町に向かった。
一刻も早くフォックスを見つけて、家に帰ろうと誓う。

見送りのシエリがあまりも可愛くて心配で・・・隣町に行く前に僕は実家によることにした。


   ◇◇◇



「鍵を渡しておくから、僕が帰るのが遅くなったら様子を見に行ってくれないか?」

すぐに帰れたらいいのだが、山賊探しに時間がかかってしまうかもしれない。

「わかったわ。気を付けていってらっしゃいね。」

事情を話すと母は、笑顔で了承し僕を送り出した。
これで少しは安心だろうか。

まさかこの後、母がとんでもない行動を起こすなんて僕は想像もしていなかったのだった。



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