不思議なハートの力

ひろの助

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第Ⅱ章。「初めての願い」

3、抽選

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--抽選--

日曜日は、4人で比呂の家のリビングで楽しくサッカー談義だんぎした。
「ここの学校て。練習試合で勝ったね」
比呂は、自慢げである。
「でも、天地でてなかったから、勝ったとは言えん」
裕也は、冷静に意見する。
「でも、うち、それで注目されてんだよね」
比呂は、それでも他校から評価されてると言い張る。
「ふむ ふむ 天地ってうまいの?どこの学校?」
真菜美も天地と言う人に関心が出てきた。
「超うまいよ 成昇高校じょうしょうこうこう
裕也は、熱心に真菜美に説明する。
「去年の優勝校 勝ったの…?」
真菜美も去年の優勝校の名前ぐらいは聞いて知っていた。

「じゃあ。天地の出ている試合を見てみるとしようか」
比呂がビデオをデッキに入れる。
「ガチャン」
(どこで手に入れたんだろう?)そのことは置いといて。マネージャーが手に入れたと言ってたよ。
それには、天地の鋭いプレーが映っていた。
「すげぇ」(男言葉か?)
真菜美は、天地のプレーに目を引かれた。
「あぶない ラフプレー」
正義感せいぎかんの強い朋子は怒る。
ただのスライディング、ボールにいっている様に見えるが確かに足も狙っている。
当たりもきびしい。
「ぎりぎりだね」
今度は、比呂が冷静に言う。
     :
対抗たいこう出来るとしたら…おれか?)
裕也は、一人試案している様子である。

いろいろ不安はあるが、楽しく日曜日は終わった。朋ちゃんもよろこんで帰った。
比呂も少し安どした。サッカーに集中しなきゃ。
一週間後、サッカー大阪大会抽選会の日、放課後、真菜美と朋子はグラウンドわきで練習を見ていた。
「比呂さんも裕也さんもいないね?」
朋子は、心配げに言う。
「抽選会かなぁ」
真菜美は、楽観的に素っ気なく答える。

そこにマネージャーが大声で言いながら走ってくる。
「決まった。一回戦の相手。最悪。成昇高校」

(えぇ え)(練習勝ったしょ)(よし)(優勝校)(…)
(事実上の決勝戦?)
(それは、オオバー)

「あ ビデオ見たとこ だよね」
朋子は、真菜美に慌てて確認する。

「天地って出るのかなぁ?」
真菜美は、少し不安になる。

そこに、真菜美の携帯が鳴る。
「…やみに 光れ ふうたつの くちびる」
真菜美は、携帯を開く。
「兄ぃからだ。どうしたんだろう?
 試合の相手が決まったメールかな?」
メールを読む。
「裕也がけがした。大した事はない。病院にいる。
 遅くなりそう。比呂」
   :
「えぇぇ」
どうする真菜美…
居ても立っても居られない。

試合は、どうなるの?
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