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第3話 赤字国債と公共事業~12歳のケインズ~
しおりを挟む暖炉の通気口から漏れ聞こえる声は、次第に熱を帯び、そして悲壮感を増していった。
私は煤まみれになるのも構わず、冷え切った暖炉の中にうずくまり、その「報告」に耳を傾け続けていた。
「……やはり、バルサ帝国の動きが露骨ですな」
低く唸るような声は、軍務担当のハリントンだ。
「帝国の商人が、市場価格の半値以下で鉄製品を流しております。明らかに採算度外視……『ダンピング』です。我が領の鉱山から産出される鉄は品質こそ高いが、採掘コストがかさむ。このままでは、価格競争で負けます」
「対抗して値下げをすれば、鉱山労働者の賃金をカットせざるをえん。それでは暴動が起きるぞ」
祖父バングの声には、経営者としての焦りが滲んでいた。
「ですが、売れなければ在庫の山です。倉庫の維持費だけでも馬鹿になりません」
財務担当、セバスの冷静な指摘が痛い。
状況は、私が資料から読み取った予想以上に深刻だった。
(なるほど。軍事侵攻の前段階としての『経済封鎖』か)
バルサ帝国は、リーゼンバーグ領の経済の要である「鉄」を狙い撃ちにしている。
安い鉄をばら撒き、我が領の主要産業を壊滅させ、資金力を削ぐ。
その上で、疲弊した領地を軍事力で飲み込むつもりだろう。
典型的だが、極めて効果的な兵糧攻めだ。
「やはり軍事費を……」
「ならん! ここで軍を縮小すれば、それこそ帝国の思う壺だ! 国境の警備はこれ以上削れん!」
ロイドの怒号が響く。
父の言うことも正しい。経済が苦しいからといって防衛力を下げれば、物理的に侵略されるだけだ。
板挟みだ。
金がない。売れない。でも金はかかる。
「……頭が痛い。皆、すまないが少し休憩を入れよう。打開策を考えてくれ」
ロイドの疲弊した声で、会議は一時中断となったようだ。
椅子の引く音や、重いため息が聞こえる。
私は音を立てないように暖炉から這い出し、猫のように素早く応接室を後にした。
◆
自室に戻った私は、濡れたタオルで顔についた煤を拭き取りながら、思考の海に沈んでいた。
鏡に映る十二歳の少年は、まだ幼い。
だが、その脳内ではスーパーコンピューター並みの速度で演算が行われていた。
(敵の狙いは『経済破綻』。こちらの弱点は『資金不足』と『在庫過多』)
普通の領主なら、ここで「増税」か「軍縮」を選ぶ。
だが、それは悪手だ。増税は民心を離反させ、軍縮は侵略を招く。
「詰み」に見える盤面。
だが、前世の私は数多のデスマーチを乗り越えてきたエンジニアだ。
バグのないプログラムなど存在しないように、攻略法のない状況もまた存在しない。
(逆転の発想が必要だ。……セバスを呼ぼう)
夜が更けるのを待った。
深夜二時。
城内の灯りが落ち、静寂が支配する時間帯。
私は枕元のベルを、特定の回数――短く二回、長く一回――鳴らした。
これは私が病床にいた時、セバスと決めた「緊急時だが、大ごとにはしたくない時」の合図だ。
数分もしないうちに、音もなく扉が開いた。
さすがは元財務官僚にして筆頭執事。その対応速度は完璧だ。
「……坊ちゃん。お加減でも悪いのですか?」
燭台を手にしたセバスが、心配そうに近寄ってくる。
私はベッドの上で居住まいを正し、彼を真っ直ぐに見据えた。
「セバス。鍵を閉めて」
「は?」
「誰にも聞かれたくない話があるんだ。……今日の重臣会議の内容について」
セバスの表情が凍りついた。
一瞬、彼の中で「叱責すべきか」「誤魔化すべきか」という葛藤が走ったのが見て取れる。
だが、私の目はそれを許さなかった。
「盗み聞きをしたことは謝るよ。でも、今はそんなことを言っている場合じゃないはずだ。……リーゼンバーグは、あと半年も持たない。そうでしょ?」
単刀直入な問いかけに、セバスは深いため息をつき、静かに扉の施錠を行った。
そして、私のベッドの脇に跪く。それは、子供に対する態度ではなく、主君に対する臣下の礼だった。
「……お耳汚しをいたしました。おっしゃる通り、我が家の財政は危機的状況です。帝国のダンピング攻勢により、鉄の相場が崩壊しました」
「で、父上たちはどうするつもりなの?」
「……有効な手立てはございません。私財を切り崩し、耐え忍ぶのみです」
「耐えれば、嵐は過ぎ去る?」
「……いいえ。帝国は我が家が干上がるまで続けるでしょう」
セバスの声には諦めの色が濃かった。
この世界の中世レベルの経済学では、ここが限界なのだろう。
私は小さく笑った。
「セバス。僕はね、夢の中で不思議な知識を得たんだ」
「不思議な、知識……ですか」
「ああ。『ケイザイガク』という学問だ」
私はサイドテーブルに用意しておいた紙切れを彼に見せた。
そこには、簡単な図式と数字が書かれている。
「まず、帝国の狙いは『我々の鉱山を赤字にして閉鎖させること』だ。だから、あえて損をしてでも安値を続けている」
「左様です」
「なら、乗ってやればいい」
「は?」
「鉱山の操業を一時停止するんだ」
セバスが目を丸くした。
「な、何を……!? 鉱山を止めるなど自殺行為です! 何千人という鉱夫たちが路頭に迷います!」
「最後まで聞いて。操業は止めるけど、給料は払うんだよ」
「バカな! 働いていない者に払う金などありません!」
「あるよ。……帝国から『鉄』を買うんだ」
私はニヤリと笑った。
「帝国は今、採算割れで鉄を売っている。100で作ったものを50で売っているようなものだ。なら、我々が必死に100のコストをかけて鉄を掘るより、帝国から50で買ったほうが安いじゃないか」
セバスの口がぽかんと開いた。
コロンブスの卵だ。
敵が安売り競争を仕掛けてきたなら、戦わずに「客」になればいい。
「鉱山を休ませれば、採掘コストはゼロになる。その浮いた金で、帝国が吐き出す安い鉄を買い占めるんだ。加工されていないインゴットの状態でね。それを備蓄する」
「し、しかし……それでは鉱夫たちは……」
「彼らには別の仕事をしてもらう。……『公共事業』だ」
私は二枚目の紙をめくった。
そこには、領内の地図と、道路網の計画図が描かれていた。
「鉱夫たちは力持ちだ。彼らに、領内の道路舗装と、上下水道の整備をやらせる。その賃金は、領主が出す」
「ですから、その財源がないのです!」
「借金をするんだよ、セバス。『リーゼンバーグ領債』を発行する」
「りょ、りょうさい……?」
聞き慣れない単語に、セバスが眉をひそめる。
「領主である父上の名前で、借用証書を発行するんだ。『一口金貨1枚。五年後に金貨1枚と銀貨2枚にして返す』という約束手形だ」
「利子をつけて返す、と……? しかし、誰がそんなものを買いますか?」
「買うよ。祖父様のリーゼンバーグ商会、そして王都の貴族たち、豊かな商人たち。今の不況で、彼らも投資先を失っている。天下のリーゼンバーグ家が、元本保証で利息をつけると言えば、金は集まる」
私は前世の知識を、子供の言葉に噛み砕いて説明した。
国債発行: 領の信用を担保に、金持ちから現金を吸い上げる。
公共事業: その金で鉱夫を雇い、道路やインフラを整備する(失業対策+将来への投資)。
輸入代替: 鉱山を止めてコストを浮かせ、帝国の投げ売り鉄を買い叩いて備蓄する(帝国の赤字を拡大させつつ、資源を確保)。
「道路が綺麗になれば、輸送コストが下がる。上下水道が整えば、疫病が減って人口が増える。五年後、景気が回復した時には、リーゼンバーグ領は最強のインフラを持つ都市に生まれ変わっている」
これは、前世で『ニューディール政策』や『ケインズ経済学』と呼ばれた手法の応用だ。
不況時こそ、政府(領主)が借金をしてでも金を使い、需要を作り出す。
現代では当たり前の理論だが、この世界では魔法のような発想だろう。
セバスは震えていた。
恐怖ではない。歓喜と、興奮で。
彼は財務のプロだ。私の語る理屈が、単なる夢物語ではなく、計算に基づいた「勝利の方程式」であることを瞬時に理解したのだ。
「……恐ろしい。恐ろしいお方だ、マイク様」
いつしか、呼び方が「坊ちゃん」から「マイク様」に変わっていた。
セバスは額に汗を浮かべながら、必死に頭を回転させている。
「……鉱山の一時停止と、公共事業への転換。そして領債による資金調達。……理論上は可能です。いえ、これしかありません。帝国の安売りを逆手に取り、彼らが疲弊するのを待ちつつ、我々はインフラを整える……。帝国が音を上げて価格を戻した時、我々の倉庫には安く仕入れた鉄の山があり、足元には整備された道路がある……」
「そういうこと。……ただ、これには一つだけ問題がある」
「……五年後の返済、ですね?」
さすがはセバス。話が早い。
領債は借金だ。いつかは返さなければならない。
五年後に領地の景気が回復していれば良いが、そうでなければ破綻する。
「その通り。だから、五年以内に『絶対に儲かる新しい産業』を作る必要がある」
「あてはあるのですか?」
私は枕の下から、小さな瓶を取り出した。
昼間、厨房からこっそり盗んできたジャガイモと麦を使い、即席の実験装置で蒸留した液体だ。
「……これは?」
「飲んでみて」
セバスは怪訝そうに瓶を受け取り、蓋を開けた。
強烈なアルコール臭が鼻をつく。
彼は恐る恐る、ほんの一口だけ口に含んだ。
「ッ……!? カハッ、これは……!」
「『ウォッカ』と『ウイスキー』の原型だよ。この世界のエール(安酒)とは違う。蒸留酒だ」
この世界の酒は、発酵させただけの度数の低いエールやワインが主流だ。
度数の高い酒はドワーフの秘蔵品くらいで、人間社会には流通していない。
寒い辺境の地で、体がカッと熱くなる強い酒。
そして、保存が利き、輸送も容易で、高値で売れる嗜好品。
「我が領の特産品である麦と芋。これを使えば、付加価値の高い酒が造れる。樽で寝かせれば、さらに価値が上がる」
「……これが、五年後の切り札ですか」
「鉄と、酒。この二つを軸にする。……どうかな、セバス。この賭け、乗る?」
セバスは瓶を大切そうにテーブルに置くと、居住まいを正して深く平伏した。
その背中は、震えていた。
「……賭け、ではありませんな。これは、確実な未来への投資です」
顔を上げたセバスの瞳には、かつて財務省の麒麟児と呼ばれた頃の野心が宿っていた。
「私の命、そして私の全能力をかけて、この計画を実現させましょう。……いえ、させてください、我が主」
「ありがとう、セバス。……でも、父上には内緒だよ? 『セバスが思いついた』ことにして提案してほしい」
「なぜです? この功績はマイク様の……」
「十二歳の子供が言っても、説得力がないでしょ? それに、僕はまだ目立ちたくない。……今はまだ、ね」
私は人差し指を唇に当ててウィンクした。
今、あまり表立って天才扱いされるとボロが出るからだ。
それに、大人を操って裏で糸を引く方が、前世の「黒幕」っぽくて性に合っている。
「……承知いたしました。では、明日の朝一番で、旦那様に『領債発行』と『公共事業』の提案書を提出いたします。……ふふ、旦那様の驚く顔が目に浮かびますな」
セバスは悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
共犯関係の成立だ。
「頼んだよ、相棒(パートナー)」
私がそう呼ぶと、セバスは一瞬驚き、それから嬉しそうに目を細めて一礼し、部屋を出ていった。
扉が閉まると、私はベッドに倒れ込んだ。
緊張の糸が切れ、どっと疲れが押し寄せる。
(……第一段階、クリア)
これで資金(キャピタル)と人材(ヒューマンリソース)は確保できた。
あとは実行あるのみだ。
前世では過労で死んだが、今世では優秀な部下に働いてもらう。
これが「効率化」の第一歩だ。
窓の外では、東の空が白み始めていた。
それは、リーゼンバーグ領の、そして異世界の歴史が変わる夜明けだった。
私は、安らかな眠りについた。
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