4 / 9
クライツの日記1
しおりを挟む
俺はクライツ。自分の名前しか覚えてないが、どうやら周りにいる妖精たちは俺を『母の仔』という存在と認識しているみたいだ。よくわからん。だが、俺専用の家(小屋?)があるのは気に入った。今日からココが俺の拠点に決まった。一応寝具は備え付けてあるみたいだ。とりあえず今日は寝ることにする。
最後に今日の日付……。
聞いた話だと、新神暦507年のミの月らしい。
|
|
|
|
|
|
新神暦507年リの月
この村、妙に発展していると思ったら先代の母の仔達が色々と技術提供していたみたいだ。というのも、元々この家にあった本を読んでみたらそう書いてあった。日記をつけるあたり、みんな俺とおんなじ思考だなきっと。けど、先代の母の仔達は働き者だったんだな。俺には技術提供なんて無理だし、そんなに頭も良くないから仕方ない。
|
|
|
新神暦507年リの月
やることもなく、食っては寝てを繰り返して数日が経ったときだった。唐突に頭痛が起きたかと思うと、頭の中で「人になれ」なんて声が聞こえてきた。最初は幻聴かと思ったが、定期的に聞こえてくる。最初以降は頭痛はないが、とても鬱陶しい。今日は寝れそうにない。
|
|
|
新神暦507年リの月
いつでもどこでも頭の中で聞こえてきたあの声は、ある時を境に聞こえなくなった。いや、原因はわかっている。
俺は聞こえてくる声にうんざりしていた時、つい「人になるから黙れ」と一言漏らした。それが効いたのか、それ以降は聞こえなくなった。だがーーなんとも言えない不安を感じる。……どうすれば、人に成れるんだ? 何をすれば、人に近づける? ……あぁ、ダメだ。思考がおかしい。今日は寝よう。
|
|
|
|
|
新神暦508年ロの月
とりあえず俺は先代たちのように技術提供を始めようとしたが、俺には何も『ない』と言うことに気づいた。焦った。焦ったが、冷静に考えた。村にあるのは出来がいい魔具と、魔法。そして狩りと服飾の技術。これらは先代たちが伝えたもののようだった。ならば俺がするべきことは? ーーそんなもの決まっている。今村にないモノだ。今後はそれを目標に過ごしてみよう。
|
|
|
|
新神暦508年 ロの月
ダメだ。どうすれば俺は村の役に立てる。最近村の妖精たちが俺のことを心配そうな目で見てくる。やめろ、そんな目で俺を見ないでくれ。俺だって、悩んでいるんだ。だけど、頭が悪い俺が何をすればいい?何が足りない。何が……。
|
|
|
|
新神暦508年 ロの月
俺は『私』と口調を改める事にした。そっちの方がなんだかそれっぽいからだ。まぁ、進歩はない。……いつも飯を届けてくれる妖精の娘には頭が上がらない。俺が私と口調を改めたら、笑われた。それだけで、救われた気がした。
今後も頑張ろう。私は、人間にならなければならないのだから。
|
|
|
|
新神暦508年 ソムの月
私は人族となにやら奇妙な魔具を見つけた。人族はまだ息がある。いつもより深い場所まできた甲斐はあったのだろうか。家に連れ帰って治療をしようと思ったが、体の大きさが違うため運べない。しょうがなく人族が倒れていた近くに簡易的な小屋を作ってそこに寝かした。あそこまで体が大きいと、寝床もしっかりと用意しないとな。とりあえず今日は治療のための薬と食料を運んでから、私も就寝しよう。
|
|
|
|
新神暦508年ソムの月
人族は数日で意識が戻った。最初のうちは私を警戒していたが、すぐに打ち解けた。私が手当てをし、食料を持ってきているのを知ったからだ。争いがなくて良かった。言葉が通じてよかった。
とりあえず病み上がりの彼には悪いと思った私はいつも通り食料と傷薬、そして追加の服など(大きさで苦労した)を用意して帰った。まだ彼は動けないようだった。
|
|
|
|
新神暦508年ソムの月
徐々に彼は回復していった。いや、彼の名前はロンドと言うらしい。同時に私も名乗った。
彼が所持している巨大な魔具のことを尋ねると、名は機械仕掛けの騎士と言うらしい。今は壊れているらしいが、見た目は硬そうな人型の魔具だ。腰には剣らしきものがついていた。その事についても聞くと、驚いた事にコレに乗って戦う魔具ときた。その説明を聞いた時私は…………とても高揚した。
最後に今日の日付……。
聞いた話だと、新神暦507年のミの月らしい。
|
|
|
|
|
|
新神暦507年リの月
この村、妙に発展していると思ったら先代の母の仔達が色々と技術提供していたみたいだ。というのも、元々この家にあった本を読んでみたらそう書いてあった。日記をつけるあたり、みんな俺とおんなじ思考だなきっと。けど、先代の母の仔達は働き者だったんだな。俺には技術提供なんて無理だし、そんなに頭も良くないから仕方ない。
|
|
|
新神暦507年リの月
やることもなく、食っては寝てを繰り返して数日が経ったときだった。唐突に頭痛が起きたかと思うと、頭の中で「人になれ」なんて声が聞こえてきた。最初は幻聴かと思ったが、定期的に聞こえてくる。最初以降は頭痛はないが、とても鬱陶しい。今日は寝れそうにない。
|
|
|
新神暦507年リの月
いつでもどこでも頭の中で聞こえてきたあの声は、ある時を境に聞こえなくなった。いや、原因はわかっている。
俺は聞こえてくる声にうんざりしていた時、つい「人になるから黙れ」と一言漏らした。それが効いたのか、それ以降は聞こえなくなった。だがーーなんとも言えない不安を感じる。……どうすれば、人に成れるんだ? 何をすれば、人に近づける? ……あぁ、ダメだ。思考がおかしい。今日は寝よう。
|
|
|
|
|
新神暦508年ロの月
とりあえず俺は先代たちのように技術提供を始めようとしたが、俺には何も『ない』と言うことに気づいた。焦った。焦ったが、冷静に考えた。村にあるのは出来がいい魔具と、魔法。そして狩りと服飾の技術。これらは先代たちが伝えたもののようだった。ならば俺がするべきことは? ーーそんなもの決まっている。今村にないモノだ。今後はそれを目標に過ごしてみよう。
|
|
|
|
新神暦508年 ロの月
ダメだ。どうすれば俺は村の役に立てる。最近村の妖精たちが俺のことを心配そうな目で見てくる。やめろ、そんな目で俺を見ないでくれ。俺だって、悩んでいるんだ。だけど、頭が悪い俺が何をすればいい?何が足りない。何が……。
|
|
|
|
新神暦508年 ロの月
俺は『私』と口調を改める事にした。そっちの方がなんだかそれっぽいからだ。まぁ、進歩はない。……いつも飯を届けてくれる妖精の娘には頭が上がらない。俺が私と口調を改めたら、笑われた。それだけで、救われた気がした。
今後も頑張ろう。私は、人間にならなければならないのだから。
|
|
|
|
新神暦508年 ソムの月
私は人族となにやら奇妙な魔具を見つけた。人族はまだ息がある。いつもより深い場所まできた甲斐はあったのだろうか。家に連れ帰って治療をしようと思ったが、体の大きさが違うため運べない。しょうがなく人族が倒れていた近くに簡易的な小屋を作ってそこに寝かした。あそこまで体が大きいと、寝床もしっかりと用意しないとな。とりあえず今日は治療のための薬と食料を運んでから、私も就寝しよう。
|
|
|
|
新神暦508年ソムの月
人族は数日で意識が戻った。最初のうちは私を警戒していたが、すぐに打ち解けた。私が手当てをし、食料を持ってきているのを知ったからだ。争いがなくて良かった。言葉が通じてよかった。
とりあえず病み上がりの彼には悪いと思った私はいつも通り食料と傷薬、そして追加の服など(大きさで苦労した)を用意して帰った。まだ彼は動けないようだった。
|
|
|
|
新神暦508年ソムの月
徐々に彼は回復していった。いや、彼の名前はロンドと言うらしい。同時に私も名乗った。
彼が所持している巨大な魔具のことを尋ねると、名は機械仕掛けの騎士と言うらしい。今は壊れているらしいが、見た目は硬そうな人型の魔具だ。腰には剣らしきものがついていた。その事についても聞くと、驚いた事にコレに乗って戦う魔具ときた。その説明を聞いた時私は…………とても高揚した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
一国一城の主を目指す!〜渇望の日々を超えて。
リョウ
ファンタジー
何者かになりたかった。
だが現世でその願いは叶わず、男は敗北感と悲嘆を胸に沈んでいた。
そんな彼の前に現れたのは、一柱の女神。
導かれるまま異世界へ転移した男は、新たにレイと名乗り、剣も魔法も身分もない底辺から成り上がることを決意する。
冒険者として生きる術を学び、魔法を覚え、剣を磨き、人と裏社会を見極めながら、レイは少しずつ力を蓄えていく。
目指すのは、ただ生き延びることではない。
一国一城の主となり、この世界で“何者か”になること。
渇望を燃料に、知恵と執念で上へ上へと這い上がる、ダークファンタジー成り上がり譚。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる