すすめ!ゆーだい!

旱川

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第1話 ゆーだい進まない

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ゆーだいは、シベリアの湿地に住む少年だった。彼は新米の長芋系運転手で、荷物を運ぶ仕事をしていた。長芋というのは彼の通り名の様なものだ。

ある日、隣町に荷物を届けるため、彼はUaaS452に乗って、困難な道を行くことになった。UaaS452は古典的な4輪駆動の非力な小型貨物バンで、800キログラムの運搬能力をもった全長4mちょっとの定番車である。

シベリアの湿地は、泥濘ぬかるみが多く、自動車は簡単にスタックしてしまうため、道路は非常に危険であった。しかし、ゆーだいは荷物を届けるため、勇気を振り絞って出発した。

広大な大地の中にも、時には道路は狭く、曲がりくねっていた。道の舗装がなくなり、土の道になったので、ゆーだいは四輪駆動を入れ、万全の状態で進んだ。微妙に大きいタイヤが作り出す220㎜のロードクリアランスと四輪駆動によって、新米の運転でも車はなんとか進んでいった。

次第に道は柔らかな泥濘になり、アクセルを踏んでもタイヤが空回りするようになってきた。そして、ゆーだいは大きな水たまりに気づかずに突っ込んでしまい、車がスタックしてしまった。深い泥の中では、減速比1.94のトランスファーも、強そうにみえるだけのリブラグタイヤも役には立たず、ゆーだいはパニックになり、どうしようもなくなってしまった。

ゆーだいはスタックした車で、前進しようとしたりバックしようとしたりしたが、タイヤは泥を巻き上げるだけで、車のガラスが汚れるだけだった。彼は何とか車を引き出そうと車から降りて押したり引っ張ったりしてみたが、そんなことではうまくいかず、焦りを感じ始めました。

「こんな時に、誰か助けに来てくれたらいいのに・・・」

そんな時、遠くからエンジン音が聞こえてた。ゆーだいは驚いた。誰かが向こうからやって来た!

そして、そこに現れたのは、黒いサムラーイに乗った男、ナキータだ。

サムラーイはオタクの聖地日本で生産されている高性能小型オフロード車だ。

「おい、助けてやるぜ。車を引き出すのは任せるんだな!」

とナキータが言うと、彼はゆーだいのUaaS452の前方に停まり、ウインチのワイヤーを引き出した。

彼はゆーだいの452のフロントリーフスプリングにフックをかけて

「アクセル全開にして、ワイヤーに沿って進めばいいんだ。俺が車を引っ張るから、力を入れてアクセルを踏んでくれよな!」と言った。



ゆーだいはナキータの指示に従い、アクセルを全開にして、UAZ469を動かし始めた。タイヤは意味もなく泥を巻き上げる! そして、ナキータがウインチを引っ張った。最初は重たい泥濘に苦戦したが、だんだんと動き出し、泥濘を超えることができた。

「ありがとう、本当に助かったよ」とゆーだいが言うと、ナキータはにっこり笑った。

「いいさ。シベリアでは仲間同士助け合わないと生きていけないんだ。さあ、急がなきゃならないんだろう?」

ゆーだいはお礼を言い、UaaS452を再び走らせた。それから、数時間後、ゆーだいは目的地に到着した。ナキータのおかげで遅れずに荷物を届けることができたのだった。

彼は、道中で出会った男性によって、シベリアの湿地での運転について多くを学び、成長することができたのだった。
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