魔王やめて人間始めました

とやっき

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少年期・ギルド編

3-16 国王、布教する

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「妃が治ってよかったの、デクスター」

「サクラ殿には秘薬まで譲っていただき本当に感謝しておる」

 ヤルマティア帝国の女帝サクラと、レクレイスター王国の国王の二人は、王城の応接間にて軽い会談をしていた。

 サクラは前代のレクレイスターの国王ともその前の国王とも仲が良く、今代の国王デクスターとも気軽に話す仲である。

 ちなみにデクスターがサクラに会ったのは幼少期。

 サクラがいつまでも成長せず少女の見た目のままだと知り、四歳の頃一度だけ「サクラちゃんって、本当はおばあさんなの?」と聞いてしまい、踏んではならない地雷を踏み抜いたことがあるようだ。

 それからというもの、サクラと話すときは年齢の話を持ち出すのはタブー。自分から一切口にしないように心がけている。

 それ以外では色んなことを相談できるお姉さん的な存在と彼は認識しているようだ。

 サクラもサクラで、小さい頃から見てきたデクスターがオジサンになってちょっと複雑な気持ちだが、気のおける友達と思っている感じだ。
 
「しかしまあ、秘薬も効かぬ病を癒してしまう宗教。なかなかに興味深いのじゃ」

「余が入信したエルズオルム教に興味がおありなら、後で詳しく話すとしよう。それで、サクラ殿が我が国に遊びに来た理由を伺って良いかな?」

「よろしい、本題に入るかの。そちらにも手紙は届いておるかえ?」

「何の手紙と聞きたいが、恐らくこの手紙のことであろうな」

 すると国王はポケットにしまっていた紙を取り出し、折っていた部分を広げてサクラに手渡した。

「読んでよいかの?」

「ああ、好きに読むと良いぞ」

 手紙の主は、魔王と婚約させるためにやむなく送り出した、ネリネン王女からのものであった。





 前略、ご無沙汰致しております。

 早速ですが、お父様にお伝えしたいことがございます。

 わたくしネリネンは魔族側に寝返りました。
 王女に生まれたからには政略結婚は仕方がないと思いましたが、出発の時は心の中でわたくしをお見捨てになったお父様がどうしても許せませんでした。

 しかし今となっては、もうどうでも良いとさえ思っております。
 魔王様の部下の方は見捨てられたわたくしたちを受け入れて下さりました。
 そして魔王様の人柄は想像とは違った方なのだとお聞きしました。
 まだ直接お会いしたことはありませんが、魔王様は素晴らしい方であると確信致しております。

 よってわたくしは、喜んで魔王様の妻やめかけになりましょう。
 皮肉なことにわたくしを魔王様に嫁がせたかったお父様のお望み通りになりますね。

 しかし、万に一つ魔王様がレクレイスター王国の滅亡や隷属国化をお望みになられた場合、わたくしは一切止めに入ることはありません。
 レクレイスター王国の不利益となることがあろうと、わたくしは魔王様の意思を尊重する立場に変わっていると十分に理解してください。だって、寝返りましたから。

 さて、ここで四天王様から伝えて欲しいという内容がありましたのでお伝えします。

 現在魔王様は魔王城に不在であり、人間の住む国にいらっしゃる可能性が高いそうです。
 ですので魔王様を匿う国があれば今すぐに名乗り出なさい、さもなくば攻め入りますとのことでございます。

 レクレイスター王国は魔王様を匿ってはいませんよね?
 もしレクレイスター王国に魔王様がいらっしゃった場合、先ほど申し上げた通りわたくしは侵攻を止めませんから。

 わたくしとしても早く魔王様にお会いしたいので、もしも魔王様がそちらにいらっしゃいましたら、即刻魔王様をお引き渡し下さい。

 終わりになりますが、一応・・生まれ故郷であるレクレイスター王国が滅びないことを、ほんの少しだけお祈り申し上げます。草々。

 レクレイスター王国第三王女、ネリネン。





「ぷっ、くすくす。恨まれまくりじゃな、デクスター!」

「サクラ殿、余はネリネンが何らかの方法で魔族に洗脳されていると考えておる」

「デクスター、分かっておるかえ? 洗脳魔法を使うと本来の感情が死にやすいのじゃ。しかし文面からはおぬしへの恨みの感情と魔王への羨望や尊敬の感情が伝わってきておる。それにじゃ、妾に届いた手紙も読んでみるかえ?」

「是非お願いする。しかしサクラ殿には娘がいらしたのか?」

「う、養子の娘なのじゃ。妾は長く生きては居るんじゃが、エッチなのが怖くて男性と付き合ったことさえないのじゃ」

「うむ、聞きたくなかった事実が判明してしまったな。前回の会議のときに自分に大人の魅力があり、魔王を籠絡できると豪語していた自信はどこから来ていたのであろうな」

「うるさいのう! 偉い人がいっぱい来ていたから、ちょびっと強がって言っただけじゃ! 妾はお主が小ちゃな頃にオシメも変えてやったというのに、生意気なことを言うように育ったのう!」

「また聞きたくなかった事実が・・・」

「ほれ! はよ読むのじゃ!」





 お義母様、お元気ですか?
 私はとっても元気に魔王城で暮らしています。

 お義母様には小さい頃に拾っていただいて以来、育てていただいて本当に感謝しています。
 だから怖かったけど、魔王様と結婚して取り入って欲しいとお願いされた時も、頑張ろうと思いました。
 自分が政治の道具にされたと分かっていても、お義母様にいただいた恩はしっかり返そうと思っています。

 今は四天王の方と仲良くなっています。
 四天王の方のお話を聞いて、魔王様にはまだ会えていませんが、魔王様のことがちょっとだけ好きになっちゃいました。
 だから私、魔王様のお嫁さんになるのなんか楽しみなんです!

 四天王の方が言われていたことなんですが、魔王様は人族の国にいる確率が高いそうなんです。
 あ、今は魔王様お出かけになっていて、帰ってきてないみたいでお城にいないんです。

 四天王の方は魔王様を探しに行かれて三人行方不明になっちゃったみたいです。
 残ったティファーナさんも、魔王様を探して会いたいと言われてました。

 あの、私も魔王様に早く会ってみたいと思ってます。もしも魔王様が帝国にいたら、教えて欲しいです。

 魔王様のことを隠していたりしたら、帝国が襲われちゃうかもしれません。
 お義母様が死んじゃうのは悲しいですし、帝国が無くなっちゃうのも辛い気持ちになります。

 だからお義母様のお力で、魔王様を探してもらえませんでしょうか?

 魔王様さえ見つかったら、どこの国にも何にもしないとティファーナさんとダリア様が約束してくれました。
 あ、ダリア様は凄い方なんですよ。魔王様を影から支えてて四天王よりもお強い人で逆らったら石にされちゃいます!
 私も一回だけ石にされちゃいました!
 あ、今は石じゃないですから安心してください。

 お義母様、どうか魔王様を見つけてください。
 本当にお願いします!

 チール。





「どうじゃ?」

「これを読むと洗脳とは言い切れぬな。ネリネンが過剰に余を恨んでいただけだったのか」

「妾のチールはとっても良い子じゃからな!」

「それにしても、文章がガタガタな印象を受けてしまう。思いつくままに書きつづり、何を書くかあらかじめ決めていたと言うよりかは、本心から想いを書いているようであるな」

「さっきのネリネンの手紙はなかなかきっちりしておったからの。チールは文を書くのが苦手なんじゃ。これでもかなり頑張って書いていてマシな方なのじゃ」

「本人の性質や性格が手紙に反映されているところを見ると、余計に魔法での洗脳の線は薄い。となると、会ってもいない魔王を本当に好きになったということになるのか」

 そんなこと有り得るのかと疑問に思う国王と、乙女心は謎じゃと思うロリババアな女帝。
 恋をしたことがないサクラには処女おとめなのに乙女心が分からないようだ。


「おっと、論点はそこじゃないのじゃ。まあ、あの子が結婚して幸せになれるのなら本望なのじゃよ。それより、人族の国のみが攻め入られる可能性が高い点について相談に来たのじゃ」

「そうであるな。魔王を探せ、魔王を匿うなと言われようが、難しい話である。我が国では暗部を使ってそれらしい魔族がいないか捜索中だが、男の魔族が我が国で見つかったという情報は入っていない」

 そう、男の魔族が見つかってはいないが、数ヶ月前に女の魔族が謎の男の子と王都の外壁を壊して逃亡したとの報告は受けている。

 ちなみにこの取り逃がしたときの責任者であった副兵士長はただの見回りの兵士に降格と、二ヶ月給料無しという厳しい処分が下った。

「男はというと、女はいたんじゃな?」

「うむ、この中に知り合いがいると言い張って王都に入ろうとしていた魔族の少女がいたようだ。王都に侵入している可能性もあるとみて捜索を続けている」

「その者、もしや魔王を探しに行ったという四天王ではないかの?」

 まさかの的中ビンゴである。
 何百年も女帝をやっているのは、伊達ではないサクラであった。

「その可能性はある。もう一度兵士を呼んで事情を聞くとしよう。一緒に男の子がいて味方をし、共に逃亡したとのことだが、そちらの男の子についても詳しく聞いてみるとする」

「頼むのじゃ。なんか魔王は王都ここにいそうじゃのー。ただの妾の勘じゃがのう」

 サクラは勘も冴え冴えの様子だ。

「サクラ殿の勘は外れた試しがないのが怖い。本当に魔王が我が国にいたら笑えぬぞ」

「すまんのじゃ。今の勘はなぜか当たりそうなのじゃ。しかし、魔王は悪いやつではないとも勘が言っておる。むぅ、もうこの話はやめにしておくかの。そういえばこの王都でSSランク冒険者が出たそうじゃの! 知らせを聞いてビックリしたのじゃ!」

 空気が重たくなりつつあったので、明るい冒険者の話題に切り替えたサクラ。

 その話題になったとたん、気分が良くなったデクスターは興奮した様子でサクラに向かって語り始めた。

「そうであるのだ! 新たにSSランク冒険者となったエルリックは難しく危険な依頼をおのずからこなし、さらに学園にも通いながら様々な分野で幅広く活躍して学術の発展に貢献し、さらにさらに暇つぶしでSSSランクのエンシェントドラゴンを狩ってカレーという料理やシチューを作って余にご馳走してくれもしたのだ! カレー、あれは頬がとろけるほど美味かったのである! シチューも最高の味であったと言い切れる!」

 これは以前、ココレラとエルリックを婚約させようとお邪魔したときに晩御飯を食べていったのだ。

 結局、エルリックの父セドリックは「まぁまぁ、まだ婚約だからダメなら解消すればいいんじゃないかな。それに王女殿下と婚約できるなんて大変名誉なことだよ」とエルリックに言い聞かせ、母エリーゼも賛成していることから渋々エルリックは婚約を認めた。

 舞い上がるココレラに、エルリックは「なるべく自分を偽らないで接してくれるなら婚約は構わないが、誰かを騙したり無理やりなんかしてきたりしたら即婚約は取り消す」と注意していた。

 国王はこれを聞いて、自分の娘は容姿はかなり可愛いほうだしエルリック様も満更でもなさそうだと思い、セドリックと顔を見合わせながらお互いニヤついてしまった。

 とまあ、そのあとココレラの侍女セニャが「では私も親に相談してエル様と婚約しましょう」と言いだしたが、どれだけ嫁にしても国王としては気にしないのでスルーしていた。

 ちなみに一夫多妻制なので娘のココレラも娶ってくれさえすれば、エルリックがいくら女性と関係を作っても問題無し、むしろ子孫をいっぱい残してくれた方が良しとさえ思う国王デクスターであった。


「ちょいちょい、デクスター。お主、SSランクとはいえ冒険者を様付けで呼んでいるのかえ? 自らが国王ということを忘れたのかえ?」

「ぬ、しまった」

 思考が完全に脱線していたが、先ほどの言葉で失言してしまっていた国王。

 ここは本当のことを話すべきか否かを迷っていると、天から誰かのアドバイスが降ってきて、国王は素直に従うことにした。

「それに関して話したいことがあるのだサクラ殿。まずは初めにサクラ殿が気になっていたエルズオルム教について説明したい。聞いていただけるか?」

「お! 聞きたいのじゃ!」


 四時間後、帝国に新たな信者が一人帰って行き、この後帝国ではとある宗教が広がりを見せることになったのであった。



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