どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた

布施鉱平

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第一章

帰宅

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 少年の手を引いて帰る途中、リディアの心は焦燥に駆られていた。

 一刻も早く家に帰りたい。
 家に帰って、少年を抱きしめたい。
 キスがしたい。
 一緒にお風呂に入って、体を洗いっこして、湯船の中で密着したい。
 風呂から上がったら一緒に食事を食べて、また抱きしめて、キスをして、それから……

 そんな妄想が、止めどなく溢れてくる。

 もじもじと足を擦り合わせながらも早足で歩くリディアは、傍から見ればトイレを我慢しているように見えるかも知れない。
 それは、半分正解だ。

 リディアは懸命に堪えていた。

 本当は今すぐ少年を抱きしめたい。
 貪るようなキスをして、服を剥ぎ取って、体中に舌を這わせたい。
 乳首を舐め、足の指を舐め、アナルに舌を差し込みたい。
 チンポをしゃぶりたい。
 少年を押さえつけ、騎乗位でガンガンセックスしたい。

 考えるだけで、リディアは濡れた。

 いや、すでに軽く達していた。

 リディアも女である以上性欲が強いのは当然なのだが、ここまで追い込まれているには理由があった。

 リディアに手を引かれ、少し後ろを歩く少年の視線がチラチラとリディアの尻に向けられているのだ。
 普通の人間であれば後ろからの視線になど気づかないだろうが、超一流の冒険者であるリディアは違う。

 どの方向からの視線や殺意も敏感に察知し、正確に敵の狙う場所を予測するくらいは朝飯前だった。

 しかも、スキルによって少年の感情を読み取ることのできるリディアは、少年が視線をリディアの尻に向けるたびに強い情欲を抱いていることを看過していた。

 黒目黒髪の可憐な少年が、リディアの尻を見てたぎっている。

 リディアの尻にむしゃぶりつき、割り開き、後ろから犯したいと思っている。
 最後の部分はリディアの妄想でしかないが、あながち間違いではないだろう。
 
 それくらい、少年がリディアに対して抱いている情欲は強いものなのだ。

 今まで一度も女として求められたことのないリディアが、それに耐えられるはずもない。

 リディアは、思わず唇を舐めていた。

 今はまだ妄想でしかない。

 だが、今までのように叶わぬ妄想ではないのだ。

 リディアの頭の中で繰り広げられている痴態は、今日のうちにも現実になるだろう。
 いや、確実にそうなる。

 なぜなら、しないという選択肢は、リディアの頭の中に欠片ほども存在していないのだから。




 ◇
 

「さあ、着いたぞ。ここが家だ」

 なるべく自然な感じになるように少年の肩に手を置き、リディアは自分の家を少年に披露した。
 
 少年の驚くような感情が、リディアの自尊心をくすぐる。
 
 最後の賭けとしてこの街を訪れたリディアは、自分を愛してくれる男との生活を夢想して、かなり豪華な家を購入していた。
 貴族の館ほどではないが、冒険者という稼業の人間が持つものとしては最上位のランクだろう。
 二階建てで部屋数は八部屋もあるし、庭もついている。

 A級の冒険者であるリディアだからこそ購入することができた豪邸だった。

 硬い木材に装飾の彫り込まれた扉をくぐり、リディアは少年と共に中に入っていく。

「わぁ……」

 家の中に入った少年が声を上げた。
 入ってすぐ目に入るのは、一段低く地面を掘り下げて作られたリビングルームだ。
 
 磨きぬかれた石材の床の上には毛足の長い絨毯が敷かれ、高級革の張られた四人がけ、二人がけの二つのソファーやそれに付属するオットマン、テーブル、観葉植物など、長い時間を快適に過ごせるような家具や調度品が備え付けられていた。

 中央部分は二階まで吹き抜けになっていて、天気のいい日は室内で日光浴ができるように天井部分は天窓になっている。

「○◇△※×□#%○!」

 少年が何かを叫ぶが、その内容はリディアには理解できない。
 だが、ワクワクと楽しい気持ちではしゃいでいるのだということは分かった。

「さ、さあ、それじゃあ、外から帰ってきたことだし、まずは、ふ、風呂に、入ろうか」

 自分の言葉が少年に伝わらないことは分かっている。
 それでもリディアの声は震えた。

「?」

 少年が首をかしげなからリディアを見上げる。
 かわいい。

 思わずその場で押し倒しそうになるが、鋼の自制心でなんとかそれを堪え、リディアは纏っていた外套を脱いだ。

 幼い頃からずっと醜い容姿のせいで蔑まれてきたリディアにとって、裸体を他人に見せるというのはかなり覚悟のいることだ。
 目の前の少年がなぜか自分を醜いと思っていないことは知っている。
 それでも、もし、裸を見せた瞬間に少年から嫌悪の感情が伝わってきたりしたら。

 そう思うと怖かった。
 だがそれでも体を見せようと思ったのは、興奮が恐怖を上回ったからだ。
 
 自分の尻を見て欲情の反応を示した少年。

 その少年に裸を見せたら、一体どんな反応を示すのか。

 それを考えだけで、リディアの頭は興奮に沸き立った。

 外套を脱ぎ捨て、軽装の普段着になったリディアは、わざと見せつけるようにゆっくりと服を脱いでいく。

 上着を脱ぐと、筋力に支えられてツンと前を向いた巨乳がボロンと姿を現す。
 かつて男娼に見せたときは、恐怖の感情と共に嘔吐された忌まわしい巨乳だ。

 ドキドキしながら、少年の反応を伺う。

「…………っ///」

 反応は、劇的だった。
 一瞬で顔を真っ赤にした少年を見れば、スキルを使うまでもなく彼の感情を読み取ることができる。

 首筋から耳まで赤く染まった少年の姿に興奮しながら、リディアはあえて気づかない振りをして後ろを向くと、今度はズボンを脱いでいった。
 
 両手の親指を引っ掛け、尻の丸みを滑らせるように引き下ろしていく。
 腰を突き出し、少年の目の前に自分の尻が現れるように調整しながら。

 すぐにつるんと張りのあるリディアの尻がむき出しになった。

 中に履いているのは、面積の少ない下着だ。
 
 とくに後ろの部分はほとんど紐のようになっているので、少年には紐からはみ出したリディアのアナルの皺が見えているだろう。

 リディアのそんな部分を見せられれば、普通の男であれば耐え切れずに嘔吐する。

 しかし、少年は違った。

 リディアには分かる。
 少年の視線が、リディアのアナルに釘付けになっていることを。

 ぞくり、と腰の辺りから全身に痺れるような快楽が走り、膣の中に愛液が溢れるのを感じた。

(見てる……見てるっ!)

 少年の突き刺さるような視線にリディアのアナルが疼き、さらなる愛液を分泌させた。

 リディアは愛液が膣の内側からこぼれ落ちる前に、ズボンを脚から抜き取って姿勢を元に戻す。

 心臓がバクバクいっていた。

 少年から伝わってくる興奮具合から、彼がいまどのような状態になっているのか容易に想像できるからだ。

 リディアは、ゆっくりと少年の方に向き直った。

 少年は背を向け、顔を俯かせていた。
 いや、顔だけでなく、腰が引けて体全体がやや前のめりになっていた。

 間違いない。

 リディアは背を向けた少年の肩に手を置く。
 少年の体が、ビクリと震えた。
 かわいい。

「さあ、き、君も服を脱がなきゃ。お風呂に……ごくり……い、一緒にお風呂に入るんだから」

 唾を飲み、震える手でリディアは少年の上着をめくり上げていく。

「△$○□%#?」

 少年が慌てて服を抑えようとするが、男と女では筋力に差がありすぎる。
 ましてやリディアは女の中の女、荒事を生業とする冒険者の中でもトップクラスの実力者なのだ。
 少年の弱々しい抵抗など無いに等しい。

 スポッと服を剥ぎ取られ、現れたのはもちもちとした触り心地の良さそうな肌。

 それを見た瞬間、リディアは頭で考える前に手を這わせていた。

「$○□#△%?」

 くすぐったそうに、少年が体をよじる。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 あまりの興奮に、リディアは鼻血が出そうだった。
 息も荒く視線を移した先は、当然少年のズボンだ。
 
 中を想像するだけでもイキそうになる。

 沸騰しそうな頭でリディアは少年のズボンに手をかけ、そして引き下ろした。

「○$%#!?」

 少年が短い悲鳴をあげる。
 そして慌てて両手で隠したのは、背を向けているにも関わらず体の前側だった。

 それがどういうことなのか、分からない女はいない。

 もはや理性で本能を押さえ込んでおくことができず、リディアは強引に少年を振り向かせた。

「…………っ!?」

 突然の暴挙に少年が声のない悲鳴を上げるが、もうリディアは止まれない。
 か細い少年の両手を掴み、彼が懸命に隠していた場所から引き剥がす。

「$○、□%#……///」

 少年が赤い顔をさらに赤くして、ギュッと目を閉じた。
 
 その恥じらう姿はリディアの目には入らない。
 彼女の視界と思考を支配しているのは、雄々しく天を向く少年のチンポだった。

 
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