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異世界の勇者
第十八話、罠
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「なんだ……なんであの男は、色仕掛けにかからない……?」
スワンたち陽動実行部隊が、ユウを誘惑するのを見届けるよう命令を受けていたクロウは、困惑していた。
どんな男でも必ず落としてきた歴戦の美女たちが、すげなくあしらわれるばかりだからである。
すでにユウの屋敷にはオウル率いる暗殺部隊が襲撃を仕掛けているはずだが、ユウが転移魔術を使用できることを考えれば、色仕掛けによって足止めしておかない限り安心はできない。
スワンたちもそれを理解しているので、なんとかユウの興味を惹こうとしてはいたのだが、どういう訳か見向きもされなかったのである。
「あの男……まさか衆道の気があるんじゃないだろうな……」
女であるクロウから見ても、スワンは美しく、スパロウは可愛らしく、ピジョンはエロい。
それなのにユウはまるで反応しないのだから、クロウがその性的指向を疑っても仕方のないことだろう。
「……ん、なんだ? 路地裏に入っていったぞ」
誘惑に失敗するどころか歯牙にもかけられず、自信を喪失してうなだれているスワンたちは、すでにユウへの接触を諦めてしまっている。
だが、見届け役であるクロウまでがユウの姿を見失う訳にはいかなかった。
ユウとの距離を縮めれば尾行がバレる危険も伴うが、入り組んだ路地に入られては遠巻きに監視することもできない。
仕方なくクロウは気配を殺しながらユウの後を追い、薄暗い路地へと足を踏み入れていくのだった。
◇
「────やあ、可愛らしいお嬢さん。君はいくらだい?」
「えっ、あの、あたしは……」
ユウの後を追い、路地に入り込んでから数十秒後。
あろうことか、クロウは尾行していたはずのユウにあっさりと見つかり、話しかけられていた。
しかも、クロウのことを街娼と勘違いしているのか、のっけからセックスの値段交渉である。
(ど、どうして……! スワンたちには見向きもしなかったのに……!)
ユウに壁ドンされながら迫られ、混乱に心をかき乱しながらも、クロウの中には『チャンスだ』と囁く自分がいた。
おそらくただの気まぐれなのであろうが、それでもユウが自分に関心を持っているのは確かなのだ。
もしここでユウを引き止めることができれば、オウルもクロウに対する評価を変えざるを得ないだろう。
ヤるべきだ。
いや、ヤらないという選択肢など、そもそも存在していない。
クロウは覚悟を決めると、大きく息を吸い込んでユウの目を見つめ、
「き、金貨十枚!」
と叫んだ。
そして、叫んだ直後に自分の失態に気づき、青ざめた。
路地裏に立っているような街娼が、しかもクロウのような地味な外見の女が金貨十枚など、明らかに吹っかけすぎである。
金貨十枚といえば、高級娼婦を五日は借り切れるほどの金額なのだ。
いくらテンパっていたとはいえ、なぜそんな大金を提示してしまったのか……
「い、今のは……」
慌てて金額を言い直そうとするクロウだったが、
「はい、金貨十枚」
「えっ……?」
しかしユウはクロウの手を握ると、その上にあっさりと金貨十枚を乗せてきた。
(なんで……)
クロウは、半ば呆然と手のひらに乗せられた十枚の金貨を見つめた。
ありえない。
たかだか街娼に、しかも自分みたいに目つきの悪い女を抱くために、金貨十枚もの大金をポンと支払う男などいるわけがない。
だが、手のひらに感じるずっしりとした重みが、これは紛れもない現実なのだということをクロウに教えていた。
「じゃあ、さっそくいただこうかな」
「あっ、えっ…………んむぅっ!?」
予想外の事態が多すぎて自失していたクロウの唇を、ユウが塞いだ。
そして、口内をニュルニュルと蹂躙するユウの舌技に、成す術もなく翻弄されるクロウの太ももを、ユウの指がフェザータッチで撫で上げていく。
(えっ……うそ…………まさか、このままここで……?)
舌を絡め取られて声を上げることもできないクロウの体を、ユウの指が這い回る。
太ももから足の付け根までを、焦らすようにゆっくりと撫で上げ、
「~~~っ」
そのまま手を後ろに回して、薄い尻肉を鷲掴み、
「~~~~~っ」
下着の裾から指を侵入させ、アナルのシワを軽く引っ掻くように爪を立ててきた。
「~~~~~~~っ!(ビクッ)」
予想もしていなかった場所への愛撫に、クロウのアナルがキュッと収縮し、太ももから腰周りの肉がビクビクと痙攣する。
クロウは幼い頃から暗部の教育を受けてきた女であるが、男を虜にするための手管などは、素質がないと見切りをつけられた為に教わったことがない。
自主トレと称して自慰は重ねてきているものの、男と関係を持つことはなかったので、未だにセックスの経験はゼロなのだ。
無垢な反応を返すクロウを可愛らしく思いつつ、ユウはアナルをいじっていないもう一方の手を、前側から下着の中へと侵入させていった。
そして────
「~~~~~~~~~っ!!(ビクゥッ)」
一発でクリトリスを探り当てて包皮を捲り上げると、むき出しになったピンク色の肉芽に軽く爪を立てた。
カリ、カリと優しく引っ掻くたびに、クロウが激しく腰を揺らす。
ユウの指にヌルリとした液体が絡みつくようになるまで、さほど時間はかからなかった。
スワンたち陽動実行部隊が、ユウを誘惑するのを見届けるよう命令を受けていたクロウは、困惑していた。
どんな男でも必ず落としてきた歴戦の美女たちが、すげなくあしらわれるばかりだからである。
すでにユウの屋敷にはオウル率いる暗殺部隊が襲撃を仕掛けているはずだが、ユウが転移魔術を使用できることを考えれば、色仕掛けによって足止めしておかない限り安心はできない。
スワンたちもそれを理解しているので、なんとかユウの興味を惹こうとしてはいたのだが、どういう訳か見向きもされなかったのである。
「あの男……まさか衆道の気があるんじゃないだろうな……」
女であるクロウから見ても、スワンは美しく、スパロウは可愛らしく、ピジョンはエロい。
それなのにユウはまるで反応しないのだから、クロウがその性的指向を疑っても仕方のないことだろう。
「……ん、なんだ? 路地裏に入っていったぞ」
誘惑に失敗するどころか歯牙にもかけられず、自信を喪失してうなだれているスワンたちは、すでにユウへの接触を諦めてしまっている。
だが、見届け役であるクロウまでがユウの姿を見失う訳にはいかなかった。
ユウとの距離を縮めれば尾行がバレる危険も伴うが、入り組んだ路地に入られては遠巻きに監視することもできない。
仕方なくクロウは気配を殺しながらユウの後を追い、薄暗い路地へと足を踏み入れていくのだった。
◇
「────やあ、可愛らしいお嬢さん。君はいくらだい?」
「えっ、あの、あたしは……」
ユウの後を追い、路地に入り込んでから数十秒後。
あろうことか、クロウは尾行していたはずのユウにあっさりと見つかり、話しかけられていた。
しかも、クロウのことを街娼と勘違いしているのか、のっけからセックスの値段交渉である。
(ど、どうして……! スワンたちには見向きもしなかったのに……!)
ユウに壁ドンされながら迫られ、混乱に心をかき乱しながらも、クロウの中には『チャンスだ』と囁く自分がいた。
おそらくただの気まぐれなのであろうが、それでもユウが自分に関心を持っているのは確かなのだ。
もしここでユウを引き止めることができれば、オウルもクロウに対する評価を変えざるを得ないだろう。
ヤるべきだ。
いや、ヤらないという選択肢など、そもそも存在していない。
クロウは覚悟を決めると、大きく息を吸い込んでユウの目を見つめ、
「き、金貨十枚!」
と叫んだ。
そして、叫んだ直後に自分の失態に気づき、青ざめた。
路地裏に立っているような街娼が、しかもクロウのような地味な外見の女が金貨十枚など、明らかに吹っかけすぎである。
金貨十枚といえば、高級娼婦を五日は借り切れるほどの金額なのだ。
いくらテンパっていたとはいえ、なぜそんな大金を提示してしまったのか……
「い、今のは……」
慌てて金額を言い直そうとするクロウだったが、
「はい、金貨十枚」
「えっ……?」
しかしユウはクロウの手を握ると、その上にあっさりと金貨十枚を乗せてきた。
(なんで……)
クロウは、半ば呆然と手のひらに乗せられた十枚の金貨を見つめた。
ありえない。
たかだか街娼に、しかも自分みたいに目つきの悪い女を抱くために、金貨十枚もの大金をポンと支払う男などいるわけがない。
だが、手のひらに感じるずっしりとした重みが、これは紛れもない現実なのだということをクロウに教えていた。
「じゃあ、さっそくいただこうかな」
「あっ、えっ…………んむぅっ!?」
予想外の事態が多すぎて自失していたクロウの唇を、ユウが塞いだ。
そして、口内をニュルニュルと蹂躙するユウの舌技に、成す術もなく翻弄されるクロウの太ももを、ユウの指がフェザータッチで撫で上げていく。
(えっ……うそ…………まさか、このままここで……?)
舌を絡め取られて声を上げることもできないクロウの体を、ユウの指が這い回る。
太ももから足の付け根までを、焦らすようにゆっくりと撫で上げ、
「~~~っ」
そのまま手を後ろに回して、薄い尻肉を鷲掴み、
「~~~~~っ」
下着の裾から指を侵入させ、アナルのシワを軽く引っ掻くように爪を立ててきた。
「~~~~~~~っ!(ビクッ)」
予想もしていなかった場所への愛撫に、クロウのアナルがキュッと収縮し、太ももから腰周りの肉がビクビクと痙攣する。
クロウは幼い頃から暗部の教育を受けてきた女であるが、男を虜にするための手管などは、素質がないと見切りをつけられた為に教わったことがない。
自主トレと称して自慰は重ねてきているものの、男と関係を持つことはなかったので、未だにセックスの経験はゼロなのだ。
無垢な反応を返すクロウを可愛らしく思いつつ、ユウはアナルをいじっていないもう一方の手を、前側から下着の中へと侵入させていった。
そして────
「~~~~~~~~~っ!!(ビクゥッ)」
一発でクリトリスを探り当てて包皮を捲り上げると、むき出しになったピンク色の肉芽に軽く爪を立てた。
カリ、カリと優しく引っ掻くたびに、クロウが激しく腰を揺らす。
ユウの指にヌルリとした液体が絡みつくようになるまで、さほど時間はかからなかった。
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