モブ喰い勇者 ~美少女ヒロイン? いえ、興味ありません~

布施鉱平

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異世界の勇者

第二十三話、ユウとナイト

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「────そういえば、エーギル王国の暗殺部隊が来てたみたいだけど、どうだった?」
「まあ、予想通りだったね。ザコばかりで正直つまらなかったよ。そういうそっちは、クロウちゃんだっけ? 可愛い子を捕まえたみたいじゃないか。ずるいなぁ」


 ────一時間後。


 家にいたユウと外にいたユウのふたりは、向かい合って立ち話をしていた。
 
「ふふふ、確かに役得だったよ。でもそっちだって、留守番してる間中ずっとメイやスーとイチャイチャしてたんだろ? ずるいのはお互い様じゃないか」
「ふふ、そうだね。こうして、スーの後ろ・・も先にいただいちゃったしね」
「ひっ……♡ へひっ……♡」

 ふたりは何気ない世間話をしている(つもりである)が、その間には未だにスーが挟まれ、下から突き上げられ続けている。

 初めてだったにも関わらず、長時間に渡って前後の穴を蹂躙じゅうりんされ続けたスーは、半ば意識を喪失した状態で、口の端からヨダレを垂らしながら締まりのない笑みを漏らしていた。

「それで、どうだい? クロウちゃんとスーの(前の)初めてを味わって────もう、この世界に思い残すことはないのかい?」

 そんな中、ふいにスーのアナルを貫いているユウが、腰の動きを止めないまま真剣な表情でそう尋ねた。

「……ない、と言ったら嘘になるかな。この世界は刺激的で、なかなか楽しいからね。でも、だからといって向こう・・・に残してきてしまったもの・・を諦めることなんかできない。だから僕らは二つに分かれたんだ。そうだろう?」

 それに対し、スーのマンコを貫いているユウもまた、動きを止めないまま真剣な表情でそう答える。

「……そうだね。僕だって、自分ひとりで向こうとこっちを自由に行き来できるのなら、こんな博打・・みたいな手段なんて取らなかったさ」
「ふふふ……さすがの僕でも、実際にアレ・・をやった時には肝が冷えたものね」
 
 と、マンコを犯しているユウが、自分の額から鼻筋にかけて、指で真っ直ぐに線を引くジェスチャーをした。





 ────そう、ユウがふたり存在しているこの状況は、特殊な魔術やスキルによるものではないのだ。





 魔王討伐の旅を続けながら、同時進行で元の世界に帰還する方法を探していたユウは、様々なことを調べていく中で『単独では元の世界に戻ることはできない』という結論に達した。

 地球から異世界に人や物を召喚することは、例えるならば『穴を開けて落とす』行為に近いものだということが分かったからだ。

 異世界が地球に比べ、次元的に低い・・・・・・位置に存在しているからこそ、ユウをこの世界に召喚する魔術は成功した。
 
 しかし逆に地球への送還そうかんとなると、穴の底・・・から押し上げる為の膨大な力が必要になるため、容易にはいかないのだ。

 それは勇者としての力を得たユウであろうと例外ではなく、どれだけ力を付け魔術の知識を深めようと、『穴から押し上げる役』のユウがもうひとり存在しない限りは不可能だった。


 だから────










 ユウは、自分に〈継続回復リジェネレーションヒール〉をかけつつ、正中線に沿って体を真っ二つに切り裂いたのである。










 その狂気すら感じる行動の結果、わかたれた右半身からは左半身が生え、左半身からは右半身が生え、ユウは見事ふたりに分裂した。

 そして、かつて左半身であった方は『勇者ユウ』として魔王討伐の使命を遂行し、右半身であったもう片方は『冒険者ナイト』として異世界の未知を探求したのだ。

 つまり、『ユウ』と『ナイト』は、同一人物でありながらも別人であった。

 この事実は、ユウを召喚したエーギル王国はもちろんのこと、協力者であるドーマ王国や冒険者ギルドですら知らない。

 知っているのはそれぞれのユウ・・と、そしてこれから知ることになる彼の女たち・・・だけだろう。

「向こうに帰ったら、どうするんだい?」
 
 スーのアナルをこねくり回しながら、この世界に残ることを決めたユウは、この世界を離れることを決めたユウに問いかけた。

「もちろん、彼女・・に会うよ。そして長いあいだ一人にしてしまったことを謝って、許してもらえたらその後はむちゃくちゃセックスして、それから先は……まあ、ふたりでゆっくり決めるつもりさ」
「こっちには戻ってこないのかい? 向こうからなら、それほど難しいことじゃないと思うけど」
「それも、彼女と相談してから決めるよ。向こうの世界も僕は嫌いじゃないし、こっちに戻ってきてしまったら、もう一度向こうに行くのは骨だしね」

 左脳が主体となった為か、勇者であったユウ(以降『ユウ(勇)』)は基本的に慎重かつ論理的であり、右脳が主体となった冒険者のユウ(以降『ユウ(冒)』)は自由や冒険を愛する傾向にあった。

 その為、どちらが地球に戻るかでもめることはなく、自然とユウ(勇)は元の世界への帰還を求め、ユウ(冒)はこの世界で生きていくことを選んだのだった。

「さて、それじゃあそろそろ────」
「────ああ、そうだね。いくとしようか」

 かつて一つであった二人は、合図などなしに互いの意図を察した。

 そして────






 

 

「…………ひっ!?♡ はひゃぁぁぁあああああああっ!!♡♡」

 耐えに耐えていた射精感を解放するべく、スーの穴に向かって激しいスパートをかけていくのだった。
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