エルフのお婿さん────(※実際は子作り用の家畜です)

布施鉱平

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エルフのお婿さん

おっさんは今日も幸せです

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  ナナとの刺激的な逢瀬おうせから数日が経過した、ある日の朝。

「ん、このスープ、美味しいですね。ほとんど味噌汁ですよ。さすがはジャック、すごい再現度です」

「いやぁ、ミソっていうのがよく分からなかったんだが、こいつ・・・に聞いたら豆を発酵させた調味料ならあるって言ってたんでな。なんとか分けて貰ったんだ」

「ジャックはわたしに感謝するべき」

 良夫とジャック…………そして、ジャックの作ったフライドポテトを食べて以来、食事時になると現れるようになったネムの三人は、仲良く食卓を囲っていた。

「へいへい、感謝してますよ」

「言葉はいらない。おかわり」

「おう、器よこしな」

 ネムにおかわりを要求され、素直に味噌汁|(もどき)をお椀によそうジャック。
 それを見ながら、良夫は(ほんと、ジャックは丸くなりましたねぇ……)と感心していた。

 初めて会った時には「エルフども……っ」と敵対心をあらわにしていたというのに、今ではネムに限らず、どのエルフに対しても友好的ですらあるのだ。

(やはり、種付け牧場から解放されて、無理矢理搾り取られる事が無くなったからでしょうかね)

 うんうんと、微笑ましい表情でジャックを見守りつつ、良夫は温かい味噌汁|(もどき)をすすった。

 もちろん、ジャックの内面に変化を及ぼしたのが自分である可能性など、欠片ほども考えていない。

 前世では41歳童貞フトメンのまま、床オナによってひとり寂しく命を散らせた男の、哀しきさがである。
  
「ねえ、ヨシオ。今日はセックスする予定はないの?」

「ぶふっ」

 突然なんの前触れもなく、ネムにストレートな質問をぶつけられ、良夫は思わず口に含んでいた味噌汁|(もどき)を吐き出しそうになったが、なんとかそれをこらえた。

 そして、

「きょ、今日は特に、どなたかがいらっしゃるというような話は、聞いていませんが……そもそも、皆さん予告なくいきなり来られる方ばかりなので、予定を聞かれても私にはなんとも……」

 と、答えを返した。

 事実、ナナとのロールプレイセックス以降、良夫はすでに複数のエルフとの性行為に及んでいるが、それはどれも事前に来訪の予告などなかったのだ。

(まあ、私はいつ来て頂いても大丈夫ですから問題ないのですが…………それにしても、皆さん、素敵な方ばかりでしたねぇ……)

 ネムとの会話の流れで、良夫は食事中であるにもかかわらず、自分のもとを訪れた五人のエルフの姿を思い浮かべていた。


 一人目の相手はテテ。
 ナナとセックスした二日後の昼間、良夫が昼食を食べて部屋に返ろうとしたところを、いきなり拉致られた。

 この里では珍しい、やや褐色に近い肌をもつスレンダーなJCエルフで、なんでも青空の下でセックスするのが大好きらしく、興味津々な野次馬エルフの視線が集まる中、様々な体位で野外セックスをした。


 二人目の相手はミナ。
 テテと青空セックスした翌日の朝、良夫が息苦しさに目を覚ますと、上に乗られていた。
 というか、すでに挿入されていた。

 目元に泣きぼくろのある巨乳エロフで、睡姦(寝てるのは男)が大好きらしく、そのまま寝たふりを続けるようお願いされた。
 もちろん良夫は素直に従ったが、実は薄目を開けてバインバイン揺れる巨乳を覗いていたのは秘密である。


 三人目の相手はココ。
 ミナと寝たふりセックスした二日後の夜、良夫が自室に帰るとベッドの中に潜んでいた。

 やや垂れ目気味の可愛らしいJSエルフで、良夫の姿を見るなり『パパ』と言って抱きついてきた。

 そしてそのまま、擬似ぎじ的な近親相姦セックスに突入。

 あまりにも背徳的な行為に、良夫は連続膣内射精なかだし記録を更新し、ココのお腹を精液だけでぽっこりさせることになる。


 四人目の相手はサナ。
 ココとのラブラブ近親相姦セックスでハッスルしすぎた良夫の体調を考慮してくれたのか、現れたのは三日後の夜だった。

 つり目がちな貧乳JKエルフで、良夫の顔を見るなり「話には聞いてたけど、ほんと、ヨシオってオークそっくりよね!」とツンツンした様子を見せるが、その直後の「べ、べつに嫌な訳じゃないんだからね! ぷにっとしててちょっと可愛いなんて、お、思ってないんだから!」というセリフでツンデレと判明。

 案の定、良夫が「サナさん可愛い!」「サナさん大好き!」「サナさん尊い!」と褒め称えながらセックスすると、「わたしもぉ♡ わたしもヨシオだいしゅきぃ♡」と舌っ足らずな声でデレてきた。

 
 五人目の相手はロナ。
 サナとのツンデレ甘やかしどちゃエロセックスの二日後の朝、良夫が目を覚ますと枕元に無言で立っていた。

 目元を長い前髪で隠した喪女系のぽっちゃりJDエルフで、何か喋る度に「わ、わた、わたし、にに、人間とセックス、しゅるの、実は、は、は、はじめてで……」とどもったり、会話が弾むと時折「ふひ、ふひひ」と笑ったりするのがいちいち良夫のツボにはまり、朝っぱらからセックスになだれ込む。

 そしてその後、夜まで何度か休憩を挟みながら交わり続け、最終的には「ヨシオきゅん♡ ヨシオきゅん♡」と大いに懐かれる結果になったのだった。


「…………皆さん、ほんとに個性的ですよねぇ」

 回想を終え、良夫は、自分のもとを訪れたエルフっ娘たちの感想を呟いた。

 もちろん悪い意味で言っているのではない。

 やはりこういった自由な環境でのびのびと数百年も生きると、それぞれに尖った個性が出てくるものなのだろうなぁと、単純にそう思っただけだ。

「ヨシオほどじゃないよ?」

「ああ、唯一無二だな」

「…………」

 ネムとジャックから同時に『最上級の個性を持つ人間』だと認定された良夫は、心の中では(私は地道に生きてきた、ただの41歳フトメンなんですけどねぇ)と思いつつも、それを口に出すことはなく、かわりにずずっと味噌汁|(もどき)を一口すすった。

 そして、

「……私は、幸せです」

 汁物によって温められた息と共に、しみじみとそんな言葉を呟いた。

 前世では、人に個性を認められる事など無かった。

 自分の個性を、できるだけ押さえつけなければ生きていきづらい世の中で、ただ、『自分』というものをすり減らしながら生きていた。

 だが、この世界に来てからの良夫は、そうでは無い。

 人とエルフとの関わり合いのなかで、本気で笑い、悲しみ、そして愛を交わした。

 その経験は、たった数日であるにもかかわらず、前世の41年を塗り替えるほどの感動であったのだ。

「わたしはいつでも幸せ」

「ふっ、そうだな、俺も、ここ最近はそう思ってるよ」

 良夫の呟きに笑顔で応える二人を見ながら、良夫はこれからもずっと、自分が死ぬその時まで、こんな日が続けばいいなぁと心から思うのであった。
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