呟きの箱

十四年生

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名無し(英雄)

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名無し(英雄)

そのモノは猛き者と
ヒトが言うほどかと
いくつかの魔物たちが
深い地より目を覚ます

命短きモノよ
我とその身を合せ
永久のつづく運命
長き時を生きようか

儚きモノならばこそ
その身を捧げはせぬと
惑わし曲がりしモノよ
我が身を憂うな 
我が身を迷うな
我が身を汚すな

天上に掲げし白銀刃
光を放ち闇を打ち消す
迷わしモノよ惑わしモノよ
世界の果てへと還れ

そのモノは猛き者と
ヒトが言う程かと
短き時を短き運命
鎖の回る音時の音

そのモノは猛き者と
ヒトが語る程かと
白銀刃光り輝く
墓標に刻まれた
名無しの英雄


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