呟きの箱

十四年生

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雪化粧

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雪化粧

宮の境内の先
白雪の積もり

啼く兎の足跡
小さく里に

囲炉裏焚く薪の音
映る焔の色

照らされる君の顔
優しく微笑んで

雪化粧 白化粧
山は白粉の顔
風降ろし 震えながら
裸木の揺れる音

宮の境内の先
遠くの水面

啼く鳥の羽音
澄んで風雪を斬る

息煙 漏れる空
曇り抜ける中

わずかな温もり
優しさ伝わって

雪化粧 白化粧
山は白銀模様
風降ろし 隠れながら
洞の中 眠る子ら

宮の境内向こう
遠く見える里景色

春の訪れるのを
私はここで待つ

雪化粧 白化粧
山は白粉の顔
風降ろし 震えながら
桜の春を待つ
白い雪化粧


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