呟きの箱

十四年生

文字の大きさ
上 下
295 / 331

トベる

しおりを挟む
トベる

飲み忘れた薬を慌てて
すぐに口にした後すぐに
虚ろになった意識の中
あなたの顔浮かべて

愛しさと憎しみの渦
折り重ね押し寄せては波
繰り返し破り捨てた写真
救いもない

ゴミ箱から拾い集めては
またテープで貼って直してた

継ぎ接ぎの記憶の中
破ったはずの写真が
いつも引き出しの中

ねぇいつになったら
私トベるのだろう

裏切りの度に引いた跡
救いの手はやがて消えて
まどろみの中だけで微笑む
あなたはなせない

継ぎ接ぎの心の中
壊れたはずの記憶が
いつも現実の中

ねぇいつになったら
私トベるのだろう

ねぇいつになったら
私トベるのだろう
しおりを挟む

処理中です...