妹×僕・かいぎ

十四年生

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魔物『こたつ』について

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 妹は僕の事を『兄』と呼ぶ。
 ほんの少し前まではお兄ちゃんと普通に呼んでいたのだが、
 なぜか最近『兄』と呼ぶ。
 それは右手の甲に五芒星を描くようになってからだったと思う。



「おに……コホン、兄……会議を始めます」

 あぁ、今日も妹の会議が始まるようだ。
 妹曰く、世界の真実を知る会議が……。



 妹は段ボールの箱を用意し、某ナントかゲリオンの指令の様な感じで、会議をはじめる。
「兄、今日知るべき真実は『こたつ』です!」
 妹はいそいそと背後から万能魔法板、(ホワイトボード:100均)を用意して、大きく『こたつ』と書くとドヤっている。
 さぁ、妹と僕の会議の始まりだ。



「兄、こたつとは実は…」
「実は何なのだ妹よ……」
「こたつとは……まものだったのです!!!」
 なんだって〇バヤシ本当か!<ババーン>



「して妹よ、魔物、こたつの特徴を教えてくれないか! 我々は対策を練らなければいけない、それにギルドに通達も必要だ」
「ふふ~ん、いいでしょう……では……」



 ※



「よっつのあしです」

 ふむ。

「あたたかくなります」

 ほう。

「にんげんをダメにします」

 www。

「時々まおうが中でガスをだします。くさいです」

 父さんの屁か……あれはやばい、あと靴下な。

「だがひとにはゆうこうてきです!」



 妹が魔法板に絵を描いて説明をしている。四つの足の四角いものが、棒人間へダメになるビームを出し、ガスを亡父っと出している絵。さすが妹、シュールな絵だ。あ、靴下くさいと追加された。にんげんともだちと書かれている。



 ノリノリで絵を描く妹。一緒についんてが揺れている。可愛いな妹よ。
 妹の神は大地母神(母)が毎朝セットしている。今日の髪留めは、おきにの兎のか。



「兄……聞いていますか?」
 おっといけない、わが妹の可愛さにトリップするところだった。とりあえず静かに頷いておく。

「で、『こたつ』の弱点ですが……」
 ほう、すでに弱点もわかっているのか。
「えぇ……わがしもべうさぎっち将軍が調べてくれました」

 うさぎっち将軍は、僕がプレゼントした、ピンクの兎のぬいぐるみのこと。顔の部分に雑誌のおまけの傷シールが貼られている。歴戦の強者らしい。

「おう、あの将軍が!」
「その弱点とは……」

 弱点とは!?

 ゴクリ……魔物『こたつ』の弱点とは、結構引っ張る妹。

 ここからしばらく妹の顔芸が始まる。多彩な顔を持つわが妹。

 どの顔も可愛いぞ妹よ! 兄は全てを映像に残したいが、以前とうさ……記録の保存をしていたところ、みつかって即、消された。最近の子はスマホとか触るの全然、ためらわないよね。そんなこんなで、たっぷり数分ほど、妹の顔芸を堪能。そして妹が重い口を開いた。



「まもの『こたつ』の弱点とは……」
 そろそろいいぞ妹。

「これです!!!」
「おおおお!!!」



 妹は今まさに人をダメにして溶かしている、まもの『こたつ』のその先にある、コンセントを抜き、それを僕に向け示す。



「これさえ抜けばせかいはあんたいです兄」<ババーン>
 なるほどな妹よ!

 ドヤ顔の妹。
 拍手する俺。ブラボー妹!ビバ妹! これで世界は守られた!!

 そこへ大地母神がクエスト(買い物)から帰ってくる。

「ただいま~」
「「おかえり~」」
「寒い寒い、あら?コンセント抜けてるじゃない」

 大地母神は妹の手にあるコンセントを見る。どうする妹よ!まもの「こたつ」を復活させるのか!

「いや、母、これはまものの……」
「寒いからすぐさす」
「いや、母」

 大地母神が『見つめて言う』の攻撃をする。
「寒いな~凍えるな~」
「はい……」

 無念、妹は大地母神の攻撃の前に屈した。

『くっ……』という顔をして僕を見る。
 うん、兄もそれには勝てないよ~無理だよ~。

 そんな妹をみて、大地母神はスーパーの袋を差し出す。

「はい、妹ちゃん、プリン、お兄ちゃんと一緒に食べていいよ~」
「!!」

 かくして、魔物『こたつ』に関する会議は終了した。



 プリンを口に運んでは目を細め、幸せそうにとろける妹。
 この後、世界の安寧はどうなるのか知らないが、妹は満足そうだ。
 暖かいコタツに、甘いプリン。
 ようは世界は平和で今日も妹は可愛い、それでいい。それでは、本日の妹と僕の会議を終えます。

「兄~プリンおいすいぃ~♪」

 このお話は、どこにでもいる家族、どこにでもいる兄妹のお話し。
 ただ、少しだけ違うのは、この妹は、小学一年生にして既に厨二病だということ……だったのです。
 そうこれは、どこにでもありそうでない、妹と僕の世界の真実の会議のお話し……なのです。
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