主に交われば

かんだ

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18.何でもする

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 その夜、僕は何かに突き動かされるかのようにリリオン先輩の部屋を目指していた。

 深夜。リリオン先輩の部屋。魔法陣がどう作用するか分からないため、この階の住人は全て別の部屋に泊まっている。おかげで人の気配は一切なく、誰に止められることなく来ることができた。
 扉の目の前には大きな魔法陣が投影されるように掛かっていた。見たこともない複雑なそれだ。何重にもなっていることが分かる。
 この奥に、リリオン先輩が眠っている。そう考えると頭が騒つくようだった。
 前にテラスで居眠りしているリリオン先輩を見たことがある。柔らかい太陽の陽の下、花々を背景に瞳を閉じる姿は一枚の絵のようだった。距離があったのに長い睫毛には影が落ちていた様が分かった。
 今も、あの日のように眠っているのだろうか。
「マリグノ先輩」
 小さく声を掛ける。返事はない。それでもめげず、自分の思いをそのままぶつける。
「リリオン先輩は大丈夫でしょうか。心配です。二度とお会いできないと思うととても怖いです。まだまだリリオン先輩に見せしたいものも食べてもらいたいものもたくさんあるんです」
 返事はない。
「僕にできることなら何でもします。もし、僕なんかの協力が必要だったら、何でも言ってください」
 返事はない。
「リリオン先輩が無事に笑ってくれるなら、僕の持てる全てを賭けます」
 返事はない。
 僕は諦めて自室へと戻るしかなかった。
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