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【番外編】モーガン公爵夫人アイリス・ローレンソン
ハミルトン先生
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*治療については適当です。(異世界なので)
****************
往診に訪れるたびハミルトン先生を出迎え、診察の後にはお茶をお出しする。
最初は遠慮されていたが、お茶を飲みながら病状の説明を受けたり、世間話をすることもある。
彼はマクミラン侯爵家の次男坊で、爵位を継げない。だから、独り立ちの手段として医者を志したそうだ。
「……他のお屋敷にも往診なさるのですか?」
「最近、増えてきました」
「やはりうちの主人のような老齢の男性が多いのかしら」
「いえ……僕の患者は女性の方が多いです。お歳は――そうですね、四十半ばくらいから……」
わたくしもまた、身体の不調に悩まされていた。
どうしても朝からイライラして、メイドのわずかな失策に怒りが収まらなくなる。何をするにも億劫で、ベッドから出たくない――
それでも、夫の世話はしなければならない。
――わたくしを愛さなかった男を――
深いため息をついたわたくしに、メイドのエマが言った。
「ハミルトン先生に診察をお願いなさっては」
「……先生に?」
「……奥様は最近、特にお辛そうに見えます」
「でも――」
エマがさらに言う。
「ハミルトン先生はお若いですが、女性患者の人気が高くて、引っ張りだこなんだそうです」
「……ハミルトン先生が?」
エマが頷いた。
「先代サマーヘイズ伯爵の夫人も、ハミルトン先生の治療がすっかりお気に入りだとかで……二週に一度は往診をお願いしているとか」
「まあ、そうなの……」
サマーヘイズ伯爵夫人はお茶会で知り合い、かなり仲良くしていただいている。そう言えば、ずっと体調が悪いと仰っていた。
「彼女もハミルトン先生についていたなんて」
「お忙しいので、最近は新しい往診先はお断りなさっているようです。でも、旦那様の治療のついでなら――」
それはどんな治療が想像もつかなかったけれど、やはり心身の不調が募るばかりで、わたくしはベッドから出ることもできない日が増えて、次の往診の日、執事に言伝を頼む。
しばらくして、夫の診療を終えたハミルトン先生が、わたくしの寝室に入っていらっしゃった。
「お加減がお悪いとか」
「ハミルトン先生……申し訳ありません」
「いえ、この後は往診の予定はありませんので。……お風邪でもひかれましたか?」
先生はベッドの脇の椅子に腰を下ろし、わたくしの手首を取る。
脈を診て、それから口を開けるように仰った。
「喉の――色は普通ですね」
「風邪ではないと思います。ただ、妙にイライラして……メイドのわずかな失敗が我慢できず、つい、怒鳴ってしまって……その後、ひどい自己嫌悪にかられて……」
「ああ……そういうこともあります。ずっとご主人の看病をなさってきた。身体もですが、心の疲れというのは突然出てくるものです。ご主人が倒れて何年になりますかね」
「……五年です」
「それは、そういう症状が出て来て不思議はないですね」
「お薬か何かで治りますかしら」
「そうですねえ……」
ハミルトン先生は鉛筆を顎に当てて考えている。
「紅茶のカフェインは興奮させる作用がありますので、夜はあまり飲まず、気持ちを落ち着かせるハーブティなどになさるとか。ホットミルクでもいいですが、あれはあれで、胃にはそこそこ負担がかかりますので……」
「……サマーヘイズ伯爵夫人……いえ、先代伯爵の夫人ですけれど、そちらも先生が診ていらっしゃるの?」
「え? ……ええ、お知り合いでしたか」
ハミルトン先生は少し困ったような表情をなさる。
「ええ、まあ。お友達ですの。彼女が先生のおかげでずいぶん、体調がよくなったと聞きましたので……」
「うーん……僕は、あなたにそこまでの治療が必要とは思わないのですが……」
ハミルトン先生が説明してくださったのは、中高年の女性によくみられる「ヒステリー」についてであった。
「人間、ある程度以上の年齢になりますと、どうしても体に不調が出てい参ります。女性の場合はその中にヒステリーの症状がありまして」
ヒステリーは伝統的に、女性が子を宿す器官である、子宮の鬱血が原因だとされている。
「……子宮……」
「子宮や骨盤回りをマッサージで解す治療が行われていますが……」
ハミルトン先生はあまり気が乗らないようだった。
「それは、痛い治療なのですか?」
「え? いや、そんなことはありません。ただ、マッサージですので、お肌に触れることになります。上流の貴婦人がたには、僕のような若い男に触れられるのを嫌がる方もいらっしゃいますし、同じような治療は産婆や修道女に頼むことも可能です」
「……サマーヘイズ夫人の治療は先生がなさっているのですよね?」
「ええ、まあ……」
ハミルトン先生は少しばかり困惑げに眉を寄せる。
「その――確かに治療ではあるのですが……」
ハミルトン先生が言葉を選ぶように言う。
「通常、既婚者の……旦那様のいらっしゃる方には僕が施すことはありません」
「……と、申しますと?」
「すでに夫に先立たれた方、あるいは、未婚の方のみですね。……ただ、貴女の場合は、ご主人はあの通りですから……」
わたくしは訳がわからなくてじっと、ハミルトン先生を見た。
「既婚者は、先生の治療を受けることはできませんの?」
「あまり望ましくはない、というのもありますし、既婚者であれば僕の治療はそもそも必要はないのです」
「……必要は、ない……」
「通常、夫婦の営みがありましたら、ある程度は解消されているはずですので……」
わたくしはハッとした。
わたくしと夫、バーナードの間は白い結婚で、夫婦の営みはなかった。だが、それは他に漏らすことのできない秘密で……
「その、夫婦の営み……がないと、不調になりますの?」
「ええまあ……その、伝統的にそのように言われております。ご主人が倒れて五年ということは、マダムに不調があらわれても仕方がないとは思いますが……」
ハミルトン先生は非常に言葉を選んでいる。わたくしは心臓が波打つのを感じる。
――わたくしは、夫婦の間に何があるのかすら、実際には知らない。
「……そうだとして、先生に治療をお願いすることは、できまして?」
「まあ、治療ですから」
先生はそう言って、わたくしの顔をじっと見た。
「……そうですね……服の上から背中や腰のマッサージをするだけでも、改善するかもしれません。肩の痛みなどはございませんか?」
「あります。時々頭まで痛くなって」
「全身の血流が悪くなっているのでしょう」
ハミルトン先生はカルテに記入すると、メイドに命じて洗面器に清潔なお湯を持ってこさせる。それからわたくしをベッドの上にうつ伏せに横にならせ、薄い上掛けをかけた。
コートを脱いで椅子の背にかけ、カフリンクスを外してポケットにいれると、シャツの腕を捲る。その血管の浮いた若い腕に、わたくしはつい、見惚れてしまう。
メイドの運んできた洗面器のお湯で手を洗い、リネンで丁寧に拭いてから、先生はわたくしの背中と、肩に触れた。
「……やはり、こっていますね。あまり強くするとよくないので……」
先生の手が触れる感覚に、わたくしの胸がドキドキする。――こんな風に誰かに触れてもらうこともなかった……
それから背中をゆっくり解しながら、腰の上のあたりを押され、わたくしはぎょっと息を呑む。
「あ……」
「強かったですか?」
「い、いえ……だ、大丈夫、です……」
「この裏側が子宮になりますので、骨盤を解せば少しは効果が……」
しばらくマッサージを施してから、先生は白湯を持ってくるように言う。
「あまり強くないように気をつければ、家人にやってもらうのでも大丈夫です」
「そ、そうなのですか」
「あまり強く揉むと余計に痛めたりしますのでそれだけは注意を。後では水分をしっかりとってください。お茶よりも白湯がよいです」
先生はそんな指示を下し、その日はそれだけで帰って行った。
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往診に訪れるたびハミルトン先生を出迎え、診察の後にはお茶をお出しする。
最初は遠慮されていたが、お茶を飲みながら病状の説明を受けたり、世間話をすることもある。
彼はマクミラン侯爵家の次男坊で、爵位を継げない。だから、独り立ちの手段として医者を志したそうだ。
「……他のお屋敷にも往診なさるのですか?」
「最近、増えてきました」
「やはりうちの主人のような老齢の男性が多いのかしら」
「いえ……僕の患者は女性の方が多いです。お歳は――そうですね、四十半ばくらいから……」
わたくしもまた、身体の不調に悩まされていた。
どうしても朝からイライラして、メイドのわずかな失策に怒りが収まらなくなる。何をするにも億劫で、ベッドから出たくない――
それでも、夫の世話はしなければならない。
――わたくしを愛さなかった男を――
深いため息をついたわたくしに、メイドのエマが言った。
「ハミルトン先生に診察をお願いなさっては」
「……先生に?」
「……奥様は最近、特にお辛そうに見えます」
「でも――」
エマがさらに言う。
「ハミルトン先生はお若いですが、女性患者の人気が高くて、引っ張りだこなんだそうです」
「……ハミルトン先生が?」
エマが頷いた。
「先代サマーヘイズ伯爵の夫人も、ハミルトン先生の治療がすっかりお気に入りだとかで……二週に一度は往診をお願いしているとか」
「まあ、そうなの……」
サマーヘイズ伯爵夫人はお茶会で知り合い、かなり仲良くしていただいている。そう言えば、ずっと体調が悪いと仰っていた。
「彼女もハミルトン先生についていたなんて」
「お忙しいので、最近は新しい往診先はお断りなさっているようです。でも、旦那様の治療のついでなら――」
それはどんな治療が想像もつかなかったけれど、やはり心身の不調が募るばかりで、わたくしはベッドから出ることもできない日が増えて、次の往診の日、執事に言伝を頼む。
しばらくして、夫の診療を終えたハミルトン先生が、わたくしの寝室に入っていらっしゃった。
「お加減がお悪いとか」
「ハミルトン先生……申し訳ありません」
「いえ、この後は往診の予定はありませんので。……お風邪でもひかれましたか?」
先生はベッドの脇の椅子に腰を下ろし、わたくしの手首を取る。
脈を診て、それから口を開けるように仰った。
「喉の――色は普通ですね」
「風邪ではないと思います。ただ、妙にイライラして……メイドのわずかな失敗が我慢できず、つい、怒鳴ってしまって……その後、ひどい自己嫌悪にかられて……」
「ああ……そういうこともあります。ずっとご主人の看病をなさってきた。身体もですが、心の疲れというのは突然出てくるものです。ご主人が倒れて何年になりますかね」
「……五年です」
「それは、そういう症状が出て来て不思議はないですね」
「お薬か何かで治りますかしら」
「そうですねえ……」
ハミルトン先生は鉛筆を顎に当てて考えている。
「紅茶のカフェインは興奮させる作用がありますので、夜はあまり飲まず、気持ちを落ち着かせるハーブティなどになさるとか。ホットミルクでもいいですが、あれはあれで、胃にはそこそこ負担がかかりますので……」
「……サマーヘイズ伯爵夫人……いえ、先代伯爵の夫人ですけれど、そちらも先生が診ていらっしゃるの?」
「え? ……ええ、お知り合いでしたか」
ハミルトン先生は少し困ったような表情をなさる。
「ええ、まあ。お友達ですの。彼女が先生のおかげでずいぶん、体調がよくなったと聞きましたので……」
「うーん……僕は、あなたにそこまでの治療が必要とは思わないのですが……」
ハミルトン先生が説明してくださったのは、中高年の女性によくみられる「ヒステリー」についてであった。
「人間、ある程度以上の年齢になりますと、どうしても体に不調が出てい参ります。女性の場合はその中にヒステリーの症状がありまして」
ヒステリーは伝統的に、女性が子を宿す器官である、子宮の鬱血が原因だとされている。
「……子宮……」
「子宮や骨盤回りをマッサージで解す治療が行われていますが……」
ハミルトン先生はあまり気が乗らないようだった。
「それは、痛い治療なのですか?」
「え? いや、そんなことはありません。ただ、マッサージですので、お肌に触れることになります。上流の貴婦人がたには、僕のような若い男に触れられるのを嫌がる方もいらっしゃいますし、同じような治療は産婆や修道女に頼むことも可能です」
「……サマーヘイズ夫人の治療は先生がなさっているのですよね?」
「ええ、まあ……」
ハミルトン先生は少しばかり困惑げに眉を寄せる。
「その――確かに治療ではあるのですが……」
ハミルトン先生が言葉を選ぶように言う。
「通常、既婚者の……旦那様のいらっしゃる方には僕が施すことはありません」
「……と、申しますと?」
「すでに夫に先立たれた方、あるいは、未婚の方のみですね。……ただ、貴女の場合は、ご主人はあの通りですから……」
わたくしは訳がわからなくてじっと、ハミルトン先生を見た。
「既婚者は、先生の治療を受けることはできませんの?」
「あまり望ましくはない、というのもありますし、既婚者であれば僕の治療はそもそも必要はないのです」
「……必要は、ない……」
「通常、夫婦の営みがありましたら、ある程度は解消されているはずですので……」
わたくしはハッとした。
わたくしと夫、バーナードの間は白い結婚で、夫婦の営みはなかった。だが、それは他に漏らすことのできない秘密で……
「その、夫婦の営み……がないと、不調になりますの?」
「ええまあ……その、伝統的にそのように言われております。ご主人が倒れて五年ということは、マダムに不調があらわれても仕方がないとは思いますが……」
ハミルトン先生は非常に言葉を選んでいる。わたくしは心臓が波打つのを感じる。
――わたくしは、夫婦の間に何があるのかすら、実際には知らない。
「……そうだとして、先生に治療をお願いすることは、できまして?」
「まあ、治療ですから」
先生はそう言って、わたくしの顔をじっと見た。
「……そうですね……服の上から背中や腰のマッサージをするだけでも、改善するかもしれません。肩の痛みなどはございませんか?」
「あります。時々頭まで痛くなって」
「全身の血流が悪くなっているのでしょう」
ハミルトン先生はカルテに記入すると、メイドに命じて洗面器に清潔なお湯を持ってこさせる。それからわたくしをベッドの上にうつ伏せに横にならせ、薄い上掛けをかけた。
コートを脱いで椅子の背にかけ、カフリンクスを外してポケットにいれると、シャツの腕を捲る。その血管の浮いた若い腕に、わたくしはつい、見惚れてしまう。
メイドの運んできた洗面器のお湯で手を洗い、リネンで丁寧に拭いてから、先生はわたくしの背中と、肩に触れた。
「……やはり、こっていますね。あまり強くするとよくないので……」
先生の手が触れる感覚に、わたくしの胸がドキドキする。――こんな風に誰かに触れてもらうこともなかった……
それから背中をゆっくり解しながら、腰の上のあたりを押され、わたくしはぎょっと息を呑む。
「あ……」
「強かったですか?」
「い、いえ……だ、大丈夫、です……」
「この裏側が子宮になりますので、骨盤を解せば少しは効果が……」
しばらくマッサージを施してから、先生は白湯を持ってくるように言う。
「あまり強くないように気をつければ、家人にやってもらうのでも大丈夫です」
「そ、そうなのですか」
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