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2、イフリートの野望

狂王の贄*

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「ああっあああっ……ぁあっあ―――――――っ」
「くっ……はあっ……熱いのが、絡みついて……くうっ……」
 
 舌と指で散々に嬲った蜜壺はドロドロに蕩けて、熱い襞が彼の肉棒に纏わりつき、搾り取るように蠢いた。アデライードの〈王気〉が流れ込み、彼をも快楽の淵に引き込もうとする。彼はそれに引きずられまいと奥歯を噛みしめると、はじめは内部の感触を楽しむようにゆっくりと抜き差ししながら、アデライードの両の乳房を鷲掴みにした。指の間から零れる柔肉の感触がたまらない。自在に形をかえるそれを弄ぶように揉み込み、赤く色づいて硬く飛び出してきた先端の蕾を指で摘まみ、クリクリと弄り回す。 

「んんっ……あっああっ……やあっ……ああ―――ぁっ……」
「こうされるのも、好きだな、……すごく締まるから、よくわかる……ああっ、……くぅっ」 
「あっああっ……あぁ――――っ」

 彼は深く浅く抜き差しを繰り返し、回す動きも加えて、アデライードの中を蹂躙する。冬至の夜以来、毎夜のように彼を受け入れ、彼の形をしっかり覚えている彼女の肉壁は、彼の肉棒にみっちりと絡みついて離そうとしない。抜ける寸前までゆっくりと引き抜くと、アデライードの膣が切なそうにわななくのがわかる。一呼吸おいて、一気に奥までずんと突いてやると、その場所が強烈に感じるのか、アデライードが顔を歪め、甘ったるい喘ぎ声をあげる。ゆっくりと引き抜き、荒々しく最奥を突く。幾度も幾度も深い場所を穿たれて、アデライードの翡翠色の瞳は淫楽に滲み、頬は桃色に染まって、半ば開いた唇からひっきりなしに嬌声あげて、快楽の淵に溺れるアデライードは壮絶な色香を発していた。

「ああ、なんていやらしい顔だ……そんなに気持ちがいいか? 淫らなアデライード」
「ああっ、やっ……あ――――っ、ああっ……あっあっ……やあっ……んっんふっ……あああっ」
「ほら、ちゃんと見てみろ、下の口が嬉しそうに私を飲み込んでいる様子を。……こんなに濡らして、もうぐちゃぐちゃだ。……ちょっと前まで、あんなに清らかだったのに、嘘みたいに淫乱な身体になって」

 両膝を胸につくほど身体を折り曲げ、赤く腫れた蜜口が彼の雄茎を受け入れている淫らな様子を、アデライードに見せつけてやる。アデライードは羞恥に首を振って目を背けようとし、目じりから溢れた涙が頬をつたった。
 
「目を逸らすな。あなたの陰洞が、私の陽根を食べている様子をちゃんと見ろ。……涎まで零して、美味しそうだな」
「あっあっあっ……ちがっ……ああっ……ああっ……あんっ……いやあっ……もうっ、ゆるしっ……」
「こんなに、ぐずぐずに濡らしておいて、何が違う? いっぱい突いてやるから、遠慮しないで、イけ、何度でも――」
「あっあっあ、ああっ、あっあっ、んああっ、だめっ、だめっ……ああ――――っ」

 何度目かわからない絶頂に、彼女の中が彼の雄を絞めつけて蠕動ぜんどうする。その動きで男も急激に絶頂に押し上げられ、逆らうことなく中に大量の精を放った。荒い息が、男の唇から零れる。それでも、まだ足りない――。

 半ば意識を飛ばしたアデライードから男はいったん抜け出すと、放心して横たわる彼女を乱暴にひっくり返し、俯せにした。ぐったりと顔を横向きに羽毛の枕に埋め、息を乱して喘いでいる彼女の細い腰を持ち上げ、白い尻を掴むようにして、狂暴な楔で奥まで貫いた。
 
「はうっ……あっああああっ」

 意識を失いかけていたアデライードはその刺激に身体を硬直させるが、頭を枕から上げることができず、腰を高く上げて彼を受け入れる。男は膝立ちになって荒々しい抽挿を繰り返す。

「はあっ、やあっ、あっ……んああっ……ぁあっ、あっ、あっ、ひあっ、んんっ……あっ」

 男が腰を叩きつけるたびに、肌と肌がぶつかる乾いた音が響き、そのリズムに合わせて女の喘ぎ声が零れ出る。淫らな水音をたてて内部が掻き出され、泡立った愛液が彼女の白い太ももに溢れて膝へと流れ落ち、敷布に染みをつくる。

「すごいな、こんなに、濡らして……ほら、もっと堕ちろ、何度でも、イかせてやる」 
「あ、やっ……もうっ……だめっ……ああっ、お、おくぅっ……は、はげし……やあっ……ああああっ」
「奥が、いいか、ほら、これはどうだ、ほらイけっ」
「あああっだめっあ―――――――っ」

 嬲るような言葉とともに乱暴に最奥を突かれ、アデライードは絶え間なく与えられる悦楽に脳も融けきって、人形のようになすがままに揺すぶられるだけだ。ぐずぐずに蕩けた内部がそれでも彼の肉楔を締め付け、絞り取ろうとするかのように絡みつく。男もまた快楽の淵に堕ちながら、脳のどこかが冷静に、彼自身に告げていた。

 これが、愛だって?
 こんな残酷で、容赦のない行為が。拷問の間違いじゃないのか。
 だって――自分はこの人を壊したいと思っている。いっそ自分の手で粉々にしてしまいたい。――愛しているのに、愛しているからーー。

 見下ろせば、寝台に頭をつけて横を向き、高くかかげた尻を乱暴に突き上げられて揺さぶられる女。濡れそぼった花弁はグロテスクな男の欲望を突き立てられ、掻き回されて掻き出された愛液と男の精が、泡立って溢れて白い太ももを汚している。白くて丸い尻は、何度も男の腰をぶつけられて赤くなっていて、だがその柔らかな双丘が腰にあたる感触が心地よくて、乱暴に腰をぶつけることをやめられない。突き上げられる度に、白金の髪がファサファサと揺れ、汗ばんだ白い背中を流れ落ちる。膝はもう、体重を支える力もなく震えて、男に腰を持ち上げられ、蹂躙されるままになっている。
 
 よがり声すらも嗄れて果てて、息も絶え絶えな、憐れな女。
 これではまるで――そう、ただの貪られる獲物。踏みしだかれる奴隷。〈狂王〉に捧げられた贄。

 ふいに、その白い身体が壊れて、彼の両腕の中から零れ落ちてしまう恐怖に駆られて、男は背後から細く頼りない身体を両腕で抱き起こし、その背中を包み込む。華奢な身体はほっそりとして、今にも折れてしまいそうで、それでいて右腕に当たる柔らかく揺れる胸の感触と、左腕が支える腰の細さが、彼の欲情を煽りたて、さらに激しく腰を動かしてしまう。

「あっ……だっ……ふかっ……ぁあああっ」
 
 彼女の自重でより深く繋がり、最奥を抉りながら、左手の人差し指で結合部のすぐ上の、すでに膨らんだ陰核を弄ってやると、アデライードはその刺激に白い喉を反らし、彼の肩に頭を預けるようにして白い身体を強張らせ、絶頂に身を委ねた。
 
「あああっ……あっあ――――――――っ」
「ああっアデライード……私もっ……出すぞっ……受け止めろっ……」

 彼を絞めつける内壁の蠕動に耐え切れず、恭親王の肉茎もまた大きく膨れ上がり、熱い精を叩きつけるように弾けた。
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