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13、世界樹
一つになる*
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耳元で囁かれて、シウリンは熱に浮かされたように左手をアデライードの脚の付け根に潜り込ませる。手探りで触れれば、柔らかな花びらのような媚肉が触れて、シウリンははあと、腹の底から溜息をついた。
「なんだかわけがわからないけど……どうなってるの? これ」
「わたしにも、よくわからない。……でも、その中に、これを収める場所があって……」
コレが、この中に入ると言うのだろうか。シウリンはにわかには信じられず、しかし指先に神経を集中して周辺を探っていく。赤く腫れた小さな芽のような部分を見つけ、そこを親指で触れてみると、アデライードが大きく身を震わせる。
「ああっ……そこはっ……やあっ」
ぐっと押して刺激を与えるとアデライードがびくりと身を捩る。
「あ……もしかして、触ったらダメだった?」
思わず手を引っ込めるシウリンに、アデライードが複雑そうな表情でちょっと視線を逸らした。
「その……優しくして……あまり強くされると……」
つまり、優しくなら、触ってほしいということか、とシウリンは脳内で変換する。彼のモノが彼女の手によって快楽を得たように、彼女も彼の手で快楽を得て欲しい。シウリンは細心の注意を払ってその場所の愛撫を続ける。アデライードの細い腰がうねるように動いて、息遣いが荒くなる。しだいに、彼女の身体の奥から溢れてくるもので、指先が濡れていく。
「……濡れてきた……これ……」
「んん……や、……言わないで……」
鼻にかかるような甘い声をあげて、アデライードが喘ぐ。親指で秘芽を刺激しながら、中指で媚肉の周囲を探る。湿り気を帯び震える花弁を掻き分けて、蜜の零れてくる場所を探りあてると、そろそろと中指を突き立てる。
「はあっ……んん……あああっ」
「痛くない?……ここ?……すごい、どんどん溢れてくる……」
滴る蜜を塗りこめるようにして、慎重に秘裂を愛撫する。指先の記憶に頼るように、彼は中をまさぐり、ある一点、アデライードが顕著な反応を示す場所を探り当てる。
「ああっ……そこっ……ああああああっ」
白い身体を弓なりにしてアデライードが軽く達したらしい。息を荒げて抱き着くように縋りつくアデライードを見て、シウリンは何とも言えない達成感を感じる。
「気持よかった?」
「ん……もっと頂戴……一つに、なりたい……」
一つになる。――その意味を理解しかねて、シウリンが二度、三度と瞬きするのを尻目に、アデライードは腰を持ち上げて、自分の脚の間にシウリンの肉茎に手を添えて導く。片手をシウリンの肩に置いて体重を支え、膝立ちになってシウリンの切っ先を自身の蜜口に宛がう。くちゅり、と水音が響き、また敏感な先端がアデライードの熱い体温に触れて、シウリンははっとする。
「アデラ、……イード?」
何をするつもりなのか、シウリンが黒曜石の目を見開いて硬直するすきに、アデライードは手を添えるようにして、ゆっくりと腰を落とす。先端が、アデライードの中にほんの少しだけ飲み込まれ、それだけでシウリンの脳に電撃のような快感が走る。
「あああっ……」
「んん……」
ゆっくりと、やわらかな襞をかき分けるようにして、自身がアデライードの中に飲み込まれていく。狭い隘路を分け入るように、優しく食われるように彼女の中に入っていく。
「あ、……アデライード……そんな……あああっ」
「……シウリン……もう少し……奥まで……」
根本まで彼女の中に納められ、恥骨と恥骨が密着する。これ以上はないほど二人は近づき、繋がり、一つになる。彼女の内部が彼を絞めつけ、微かに蠢く。まとわりつく媚肉の襞から、アデライードの〈王気〉が敏感な場所に流れ込み、奔流となってシウリンの体内を巡る。腰から背筋を伝って官能が遡り、脳を直撃する。
「あああっ……こんなっ……気持ち、……気持ちよすぎてっ……ああううううっ」
快楽に眉根を搾りながらアデライードの顔を見れば、彼女も美しい眉をしかめ、苦しそうに荒い息を吐いていた。
ああ、自分は破戒したのだ、とシウリンは思う。純潔の誓いを破り、女犯(にょぼん)の禁を犯す。このまま彼女に喰われ尽くして、〈混沌の闇〉に堕ちるのなら、それもまたいい――シウリンは、沸き上がる快感に理性も何もかも飛んで、夢中になっていた。
シウリンは彼女の腰を支えていた両手をゆっくりと上へと滑らせ、息をするたびに揺れる二つの胸を両手で掴む。
「アデライード……痛く、ない?」
「だい、じょう、ぶ……久しぶり、だから……少し、キツいけど……」
アデライードの唇が彼の唇に降りてくる。唇と唇を合わせ、舌を絡ませる。結合部と舌と、二カ所で〈王気〉を交えれば、いっそうの快感に脳が溶けそうになる。しばらくそうして唇を合わせてから、アデライードが唇を離し、言った。
「動きます……」
「ええ……?」
アデライードが両手で彼の肩につかまるようにして、ゆっくりと尻をあげていく。ずるっと彼の肉棒が彼女の中から抜け出ていく。ああ、離れたくない……と彼が名残惜しく思ったとき、抜ける直前で、彼女が一気に腰を落とす。
「あああっ!」
内壁に肉棒が擦られて、強烈な快感が生じ、シウリンが思わず叫ぶ。さっき、これ以上の快感などこの世にあるまいと思ったのに、さらにそれを上回る快感を与えられ、彼は狂いそうになった。アデライードが再びゆっくりと腰をあげ、落とす。それを繰り返すたびに、蜂蜜をねるような音が彼の耳を侵し、いっそうの快感を煽った。
「ああっ……アデライード……気持ち、いい……良すぎて……あああっ」
「んん……もう、少し……あんまり、上手くないから……」
こんな行為に上手いも下手もあるのかとシウリンは思いながらも、ただアデライードの動きに翻弄される。
ああ、彼女の中はなんて素晴らしいのだろう。熱い襞が纏わりつき、動きによって擦れて彼を締め上げる。先ほど手で扱かれたときよりもさらに強烈な快感で、シウリンはあっと言う間に追い上げられてしまう。
「ああっ、あっあっああっ、……もうっ……出る、何か出ちゃうっ……あああっ」
咄嗟に、さっきの白い液を彼女の中に出してしまっていいのかとシウリンは焦るが、一度荒れ狂った激情は止めることができなかった。
「ああ、出るっ……ごめん、中に……ああ、うああああああ!」
アデライードの細い身体を全力で抱き込んで、シウリンは欲望を解放する。ビク、ビクっと全身を痙攣させるように震わせ、そのたびに、熱い飛沫を彼女の中に吐き出す。そのまま、シウリンはアデライードの肩口に顔を埋め、荒い息をついた。
「なんだかわけがわからないけど……どうなってるの? これ」
「わたしにも、よくわからない。……でも、その中に、これを収める場所があって……」
コレが、この中に入ると言うのだろうか。シウリンはにわかには信じられず、しかし指先に神経を集中して周辺を探っていく。赤く腫れた小さな芽のような部分を見つけ、そこを親指で触れてみると、アデライードが大きく身を震わせる。
「ああっ……そこはっ……やあっ」
ぐっと押して刺激を与えるとアデライードがびくりと身を捩る。
「あ……もしかして、触ったらダメだった?」
思わず手を引っ込めるシウリンに、アデライードが複雑そうな表情でちょっと視線を逸らした。
「その……優しくして……あまり強くされると……」
つまり、優しくなら、触ってほしいということか、とシウリンは脳内で変換する。彼のモノが彼女の手によって快楽を得たように、彼女も彼の手で快楽を得て欲しい。シウリンは細心の注意を払ってその場所の愛撫を続ける。アデライードの細い腰がうねるように動いて、息遣いが荒くなる。しだいに、彼女の身体の奥から溢れてくるもので、指先が濡れていく。
「……濡れてきた……これ……」
「んん……や、……言わないで……」
鼻にかかるような甘い声をあげて、アデライードが喘ぐ。親指で秘芽を刺激しながら、中指で媚肉の周囲を探る。湿り気を帯び震える花弁を掻き分けて、蜜の零れてくる場所を探りあてると、そろそろと中指を突き立てる。
「はあっ……んん……あああっ」
「痛くない?……ここ?……すごい、どんどん溢れてくる……」
滴る蜜を塗りこめるようにして、慎重に秘裂を愛撫する。指先の記憶に頼るように、彼は中をまさぐり、ある一点、アデライードが顕著な反応を示す場所を探り当てる。
「ああっ……そこっ……ああああああっ」
白い身体を弓なりにしてアデライードが軽く達したらしい。息を荒げて抱き着くように縋りつくアデライードを見て、シウリンは何とも言えない達成感を感じる。
「気持よかった?」
「ん……もっと頂戴……一つに、なりたい……」
一つになる。――その意味を理解しかねて、シウリンが二度、三度と瞬きするのを尻目に、アデライードは腰を持ち上げて、自分の脚の間にシウリンの肉茎に手を添えて導く。片手をシウリンの肩に置いて体重を支え、膝立ちになってシウリンの切っ先を自身の蜜口に宛がう。くちゅり、と水音が響き、また敏感な先端がアデライードの熱い体温に触れて、シウリンははっとする。
「アデラ、……イード?」
何をするつもりなのか、シウリンが黒曜石の目を見開いて硬直するすきに、アデライードは手を添えるようにして、ゆっくりと腰を落とす。先端が、アデライードの中にほんの少しだけ飲み込まれ、それだけでシウリンの脳に電撃のような快感が走る。
「あああっ……」
「んん……」
ゆっくりと、やわらかな襞をかき分けるようにして、自身がアデライードの中に飲み込まれていく。狭い隘路を分け入るように、優しく食われるように彼女の中に入っていく。
「あ、……アデライード……そんな……あああっ」
「……シウリン……もう少し……奥まで……」
根本まで彼女の中に納められ、恥骨と恥骨が密着する。これ以上はないほど二人は近づき、繋がり、一つになる。彼女の内部が彼を絞めつけ、微かに蠢く。まとわりつく媚肉の襞から、アデライードの〈王気〉が敏感な場所に流れ込み、奔流となってシウリンの体内を巡る。腰から背筋を伝って官能が遡り、脳を直撃する。
「あああっ……こんなっ……気持ち、……気持ちよすぎてっ……ああううううっ」
快楽に眉根を搾りながらアデライードの顔を見れば、彼女も美しい眉をしかめ、苦しそうに荒い息を吐いていた。
ああ、自分は破戒したのだ、とシウリンは思う。純潔の誓いを破り、女犯(にょぼん)の禁を犯す。このまま彼女に喰われ尽くして、〈混沌の闇〉に堕ちるのなら、それもまたいい――シウリンは、沸き上がる快感に理性も何もかも飛んで、夢中になっていた。
シウリンは彼女の腰を支えていた両手をゆっくりと上へと滑らせ、息をするたびに揺れる二つの胸を両手で掴む。
「アデライード……痛く、ない?」
「だい、じょう、ぶ……久しぶり、だから……少し、キツいけど……」
アデライードの唇が彼の唇に降りてくる。唇と唇を合わせ、舌を絡ませる。結合部と舌と、二カ所で〈王気〉を交えれば、いっそうの快感に脳が溶けそうになる。しばらくそうして唇を合わせてから、アデライードが唇を離し、言った。
「動きます……」
「ええ……?」
アデライードが両手で彼の肩につかまるようにして、ゆっくりと尻をあげていく。ずるっと彼の肉棒が彼女の中から抜け出ていく。ああ、離れたくない……と彼が名残惜しく思ったとき、抜ける直前で、彼女が一気に腰を落とす。
「あああっ!」
内壁に肉棒が擦られて、強烈な快感が生じ、シウリンが思わず叫ぶ。さっき、これ以上の快感などこの世にあるまいと思ったのに、さらにそれを上回る快感を与えられ、彼は狂いそうになった。アデライードが再びゆっくりと腰をあげ、落とす。それを繰り返すたびに、蜂蜜をねるような音が彼の耳を侵し、いっそうの快感を煽った。
「ああっ……アデライード……気持ち、いい……良すぎて……あああっ」
「んん……もう、少し……あんまり、上手くないから……」
こんな行為に上手いも下手もあるのかとシウリンは思いながらも、ただアデライードの動きに翻弄される。
ああ、彼女の中はなんて素晴らしいのだろう。熱い襞が纏わりつき、動きによって擦れて彼を締め上げる。先ほど手で扱かれたときよりもさらに強烈な快感で、シウリンはあっと言う間に追い上げられてしまう。
「ああっ、あっあっああっ、……もうっ……出る、何か出ちゃうっ……あああっ」
咄嗟に、さっきの白い液を彼女の中に出してしまっていいのかとシウリンは焦るが、一度荒れ狂った激情は止めることができなかった。
「ああ、出るっ……ごめん、中に……ああ、うああああああ!」
アデライードの細い身体を全力で抱き込んで、シウリンは欲望を解放する。ビク、ビクっと全身を痙攣させるように震わせ、そのたびに、熱い飛沫を彼女の中に吐き出す。そのまま、シウリンはアデライードの肩口に顔を埋め、荒い息をついた。
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