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十三、僕のものは、彼のもの*
結婚式の後、フランシスは昼夜となくエドナを抱いて快楽を教え込み、愛を囁いた。
エドナがフランシスに堕ちるのと同様に、フランシスもエドナに溺れた。
やはり妻というのは格別なのだ。僕のもの、僕の、エドナ……
無邪気にフランシスを信じるエドナは可愛らしく、もう彼女なしでいられないほど、フランシスもエドナに執心する。
愛しいエドナ。愛しく思うからこそ、なおさらにアンドリューに捧げなければ。
これだけフランシスを愛しているエドナならば、必ずやアンドリューの心も掴むに違いない。
そうして、満を持しての昨夜――
アンドリューの登場に戸惑うエドナは最高に可愛らしく、怯える姿も情欲をそそられる。
アンドリューに深々と貫かれながらも、フランシスの名を呼び、泣きながらフランシスの両手に縋って達するエドナは、胸が痛いほど愛おしい。
ああ、僕のものだ。僕のエドナ。そして、殿下のもの――
懸命に殿下に奉仕するエドナを背後から貫く時の、今までにないほどの激烈な絶頂と、それがもたらす快感。エドナを背後から貫きながらアンドリューを見れば、アンドリューもまた、端麗な顔を快楽に歪ませてエドナの奉仕を受けている。
同じものを愛し、同じものを犯し、同じ歓びを共有する。
その対象であるエドナは、かけがえのない存在だ。
たとえエドナの身体がアンドリューに堕ちてしまったとしても、心がフランシスを愛している限りは――
「殿下、そろそろお帰りにならないと」
エドナを真ん中に、ベッドで三人並んで仮眠をとった後、すぐに目覚めたフランシスがアンドリューを起こす。
「ん……、今、何時だ?」
「四時前です」
アンドリューが眠そうに目をこすりながら、億劫そうに起き上がる。
ランプの薄明かりにアンドリューの金髪が輝く。
「あーめんどくさ」
「殿下。……クラリッサに気づかれると厄介です」
「わかってる。でも面倒くさいんだよ、あの女」
金髪をかきあげ、周囲を見回してシャツを拾いあげる。
ボタンを嵌めながら眠るエドナを見下ろして、口もとを緩めた。
「いい女だな。……また抱かせろよ」
「殿下がお気に召したなら幸いです。でもしばらく王宮は……」
アンドリューがエドナの乱れた髪を撫で、涙の痕に口づける。
「別邸に来てください、何かのついでに」
「ああ、そうする……」
「そうだ、風呂を改装しようかと思っているんです。近くの温泉からお湯を引いて、古代風に」
「いいなそれ」
アンドリューがニヤリと笑った。
パタン……とドアの閉まる音で、エドナが身じろぎする。
「んん……」
「エドナ……起きた?」
「あ、……フラン、シス……様?」
ぼんやりした視線で薄暗い天蓋を見上げるエドナの額に口づけて、フランシスが囁く。
「まだ、時間はある。もう少し寝なさい」
意識が浮上してきたエドナは昨夜の記憶が蘇ったのかハッとして周囲を見回す。その仕草に怯えと警戒心が溢れていて、小動物のような愛らしさにフランシスはつい、微笑んでしまう。
「可愛いね、エドナは」
「フランシス様……昨夜は……」
エドナは昨夜のことが夢だと思いたいのかもしれない。
だがフランシスは残酷に言った。
「殿下が、ずいぶん君のことをお気に召したらしくて。いい女だって。僕も鼻が高いよ」
「……フランシス様……」
凍り付いたように固まるエドナを、フランシスは背後から抱き寄せ、こめかみにキスを落とす。
「エドナ……君は僕のもので、殿下のものだ」
「フランシス様……わたしは……」
「僕を愛してる?」
フランシスの問いに、微かに頷いた気配に、フランシスが抱きしめる腕に力を籠める。
「僕を愛している限りは、殿下は君を可愛がってくださる」
「……わたしは、あなただけです……あんなのは、もう……」
昨夜のことを思い出したのか、涙声になるエドナに、フランシスが優しく語り掛ける。
「殿下と寝るのは嫌?」
「わたしが、愛しているのはあなただけです。フランシス様」
フランシスはエドナをあおむけに横たえると、上から覆いかぶさるようにして、両手を顔の脇についた。
「殿下に抱かれて、気持ちよかっただろう? ウソはだめだよ。君が、めちゃくちゃ感じて何度もイったのを、僕はこの目で見てる」
「でも……わたしは、フランシス様がっ……」
エドナの瞳が涙に潤んで溢れ、目じりから流れ落ちた。
その滴に唇を寄せて吸いあげて、耳元で囁いた。
「殿下は、僕を愛している女を抱きたがる。僕も、愛しい人が殿下に抱かれるのを見るのが好きだ。殿下にたくさん抱いてもらって、気持ちよくなればいい」
「そんな……ひどい……」
「愛しているよ、エドナ……」
フランシスはエドナに口づければ、エドナは、すべてを諦めたように目を閉じた。
エドナがフランシスに堕ちるのと同様に、フランシスもエドナに溺れた。
やはり妻というのは格別なのだ。僕のもの、僕の、エドナ……
無邪気にフランシスを信じるエドナは可愛らしく、もう彼女なしでいられないほど、フランシスもエドナに執心する。
愛しいエドナ。愛しく思うからこそ、なおさらにアンドリューに捧げなければ。
これだけフランシスを愛しているエドナならば、必ずやアンドリューの心も掴むに違いない。
そうして、満を持しての昨夜――
アンドリューの登場に戸惑うエドナは最高に可愛らしく、怯える姿も情欲をそそられる。
アンドリューに深々と貫かれながらも、フランシスの名を呼び、泣きながらフランシスの両手に縋って達するエドナは、胸が痛いほど愛おしい。
ああ、僕のものだ。僕のエドナ。そして、殿下のもの――
懸命に殿下に奉仕するエドナを背後から貫く時の、今までにないほどの激烈な絶頂と、それがもたらす快感。エドナを背後から貫きながらアンドリューを見れば、アンドリューもまた、端麗な顔を快楽に歪ませてエドナの奉仕を受けている。
同じものを愛し、同じものを犯し、同じ歓びを共有する。
その対象であるエドナは、かけがえのない存在だ。
たとえエドナの身体がアンドリューに堕ちてしまったとしても、心がフランシスを愛している限りは――
「殿下、そろそろお帰りにならないと」
エドナを真ん中に、ベッドで三人並んで仮眠をとった後、すぐに目覚めたフランシスがアンドリューを起こす。
「ん……、今、何時だ?」
「四時前です」
アンドリューが眠そうに目をこすりながら、億劫そうに起き上がる。
ランプの薄明かりにアンドリューの金髪が輝く。
「あーめんどくさ」
「殿下。……クラリッサに気づかれると厄介です」
「わかってる。でも面倒くさいんだよ、あの女」
金髪をかきあげ、周囲を見回してシャツを拾いあげる。
ボタンを嵌めながら眠るエドナを見下ろして、口もとを緩めた。
「いい女だな。……また抱かせろよ」
「殿下がお気に召したなら幸いです。でもしばらく王宮は……」
アンドリューがエドナの乱れた髪を撫で、涙の痕に口づける。
「別邸に来てください、何かのついでに」
「ああ、そうする……」
「そうだ、風呂を改装しようかと思っているんです。近くの温泉からお湯を引いて、古代風に」
「いいなそれ」
アンドリューがニヤリと笑った。
パタン……とドアの閉まる音で、エドナが身じろぎする。
「んん……」
「エドナ……起きた?」
「あ、……フラン、シス……様?」
ぼんやりした視線で薄暗い天蓋を見上げるエドナの額に口づけて、フランシスが囁く。
「まだ、時間はある。もう少し寝なさい」
意識が浮上してきたエドナは昨夜の記憶が蘇ったのかハッとして周囲を見回す。その仕草に怯えと警戒心が溢れていて、小動物のような愛らしさにフランシスはつい、微笑んでしまう。
「可愛いね、エドナは」
「フランシス様……昨夜は……」
エドナは昨夜のことが夢だと思いたいのかもしれない。
だがフランシスは残酷に言った。
「殿下が、ずいぶん君のことをお気に召したらしくて。いい女だって。僕も鼻が高いよ」
「……フランシス様……」
凍り付いたように固まるエドナを、フランシスは背後から抱き寄せ、こめかみにキスを落とす。
「エドナ……君は僕のもので、殿下のものだ」
「フランシス様……わたしは……」
「僕を愛してる?」
フランシスの問いに、微かに頷いた気配に、フランシスが抱きしめる腕に力を籠める。
「僕を愛している限りは、殿下は君を可愛がってくださる」
「……わたしは、あなただけです……あんなのは、もう……」
昨夜のことを思い出したのか、涙声になるエドナに、フランシスが優しく語り掛ける。
「殿下と寝るのは嫌?」
「わたしが、愛しているのはあなただけです。フランシス様」
フランシスはエドナをあおむけに横たえると、上から覆いかぶさるようにして、両手を顔の脇についた。
「殿下に抱かれて、気持ちよかっただろう? ウソはだめだよ。君が、めちゃくちゃ感じて何度もイったのを、僕はこの目で見てる」
「でも……わたしは、フランシス様がっ……」
エドナの瞳が涙に潤んで溢れ、目じりから流れ落ちた。
その滴に唇を寄せて吸いあげて、耳元で囁いた。
「殿下は、僕を愛している女を抱きたがる。僕も、愛しい人が殿下に抱かれるのを見るのが好きだ。殿下にたくさん抱いてもらって、気持ちよくなればいい」
「そんな……ひどい……」
「愛しているよ、エドナ……」
フランシスはエドナに口づければ、エドナは、すべてを諦めたように目を閉じた。
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