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2.詩依良の表裏
不穏なる教室の空気
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昨日は沙耶にとって、驚愕と悲哀と憤怒と、その他の色々な感情が久しぶりに湧き起こる日となった。
それは本当に久しぶりの事であり、正しく何年ぶりかと言う程である。
昨日までの彼女がその顔に湛えていた表情は主に1つ……無感情であり無感動だった。
誰とも触れ合わず会話せず、学校に来て授業を受け、帰宅して勉強して寝る。その生活を10年近く続けて来た。
その様なローテーションを繰り返す毎日では、感情に起伏が起こる要素がなかったのだ。
しかし昨日は、一之宮詩依良の出現であらゆる心情が表に出て来たのだ。
大いに笑い、心底驚き、悔しさに歯噛みし涙した。
本当に久しぶりとなる感情の大変動であり。
そしてそのお蔭で沙耶は心の中にあったわだかまりを、ある程度処理する事が出来たのだった。
―――〝罪〟を犯し〝罰〟を受け続けて来た。少なくとも彼女はそう考えて来た。
しかし何時まで、何処まで行けばその罰から解放されるのか、罰を科した本人さえ分からないでいた。
漠然と、いつか解放されると考えていたのかも知れない。
しかしそうではないと眠っていた、眠らせていた感情が教えてくれた気がしたのだった。
―――こんな生活を続けて行くなんて嫌だ。
―――どこまでこの生活を強いられなければならないのか。
―――どうしたらこの生活から抜け出す事が出来るのか。
今まで罪だから、罰だからと言う答えで済ませて来た沙耶は、その事に正面から向き合えたのだった。
そして意図してなのかそうでないのか、そう導いてくれたのは彼女、詩依良ではないかと沙耶は考えている。
なんだかんだ言っても、彼女は優しい女性なのではないかとも考えていた。
勿論昨日の会話や行動からは、かなり好意的に解釈しなければその様な結論には至り難い。
ただ沙耶は、詩依良が厳しく激しい気性を持ち、突き放す様な言葉と視線を投げ掛けながらもちゃんと出口に導く心の持ち主なのではと思っていたのだ。
―――しかしそれは、ただの勘違いと言う可能性もあるのだが……。
そして、彼女の言った「足掻く場所を提供する」と言う話。沙耶はこの言葉にも、詩依良の優しさを感じていた。
沙耶の生活はそれまで、止まった時間の中で沈殿した生活を繰り返すのみだった。
その生活を享受すれば、今まで通り無味無臭だが、ある意味平穏な生活を続ける事が出来る筈だった。
だがもしそこから抜け出したいならば、自分から動くしかない。
しかし、どう動けばいいのか分かる者と言うのは存外に少ない。
自ら取ろうとする行動が正しい事なのか分からない以上、動く際にどうしても躊躇してしまうからだ。
一度動きを止めてしまうと、そこから動けなくなってしまうばかりか、動く意欲さえ無くなってしまう。
何かしら理由を付けて、動かないと言う選択をしてしまうだろう。
一つの方法として、詩依良が投げ掛けたように第三者に動く先を提供してもらうというものがある。
それもまた、状況に適しているのかどうかは分からない。
誰も明確な〝解〟を示してくれないのだから仕方の無い事だ。
ただ大事な事は状況を動かす事であり、結果や内容はそれ程重要ではないと言う事だろう。
自力で動きたくても動き出せない者にしてみれば、第三者が投げ掛ける何かしらの〝切っ掛け〟と言うものは、千載一遇のチャンスでもあるのだ。
また、何か他者に自慢の出来る、自身が没頭出来る様な趣味なり特技があるならば、それもまた別の話かも知れない。
それらを切っ掛けにすると言う事も出来るからだ。
しかし沙耶には、何かを他人に自慢出来る様なものは、無い。
運動は人より若干鈍く、本人も苦手としている。勉強も、周囲と比べて悪くはないが優秀と言う程でもない。
霊をハッキリと視る事が出来るが、昨日の話ではそれも周囲には意外に多くいる様で、特別秀でた能力と言うものでもないらしい。
何も持たない沙耶には、自身で動き出すと言う選択肢は無かった。
動き出す為には第三者の、詩依良と言う切っ掛けが必要であり、彼女の提案は正しく「渡りに船」に他ならなかったのである。
そして詩依良の言う足掻く場所とは自分の意志で何か行動を起こすという事であり、その為に動く理由をくれるという事だろう。
別に沙耶が活躍する必要はない。もっとも、活躍出来様も無いのだが。
怪異と直接戦って勝利したり、彼女の能力を駆使して大活躍する必要はない。
恐らく詩依良が沙耶に協力を頼む内容は、沙耶にも出来るぐらいの雑務に近い事だろう。
しかし、停滞した沙耶の時間を動かすには何でも良かったのだった。
何よりも詩依良は、沙耶の身体に纏わりついていた「黒蝶」を追っ払って見せた。
何をどうしてそう出来たのか彼女にはてんで分からなかったが、結果として群がっていた黒蝶は見当たらない。
沙耶がどれだけ目を凝らしても、1匹も視る事が叶わないのだ。
それもまた詩依良の力と……彼女の優しさではないかと、沙耶は盲目的に考えていた。
だがそこまで思案して、沙耶は重要な事に思い至った。
(……あれ? 結局何をどうするか聞いてない……よね?)
昨日は手伝う事を詩依良に告げ、結局下校時間が訪れてそのまま別れたのだった。
形式上とは言え、誰かに何かを頼まれて行動する事など沙耶には随分と久しぶりの事であり、複雑な心境の中に不思議な高揚感が生まれているのは間違いなかった。
ある種浮かれた状況で詩依良と別れたので、今朝になるまでその事に思い至らなかったのだ。
教室に辿り着くまであれこれと自分なりに考えていた沙耶だったが、やはりしっくりくる答えが出せずにいた。
ただでさえ頼まれ事など殆ど経験のない上に、霊絡みの案件となると全く見当もつかなかったのだった。
詩依良は、怪異に影響を受けている生徒がこの学校に居るからその生徒を調べろとは言ったが誰を、どうやって、どれくらい調べるのか……肝心な所がスッポリと抜け落ちているのだ。
(一之宮さんに聞くのが一番なんだけど……どうやって聞こう?)
昨日1日観察しただけでも、殆どいつもクラスの生徒に囲まれている彼女に話しかけるのは、沙耶にとって至難の業だった。
良い考えも浮かばないままに、いつもの如く教室の扉を開けた彼女は、向けられる多数の視線に動きを止めてしまった。
沙耶の入室を確認する視線なら毎日浴びていた。ただ確認するだけの無機質な視線なら。
それは毎朝、教室に入って来る沙耶を見て、すぐに途切れる視線だった。
そしてそんな視線には、沙耶はもう慣れてしまっていた。
ただ今朝の沙耶に向けられている視線は、いつもと全く違う異質なものだった。
突き刺さる様に彼女を見る多くの視線。その視線に射抜かれてしまった様に、教室の扉を開けたまま沙耶は動けないでいた。
嫌悪では無く、蔑みでもなく、恐れや怯えでも、忌避でもなかった。
今まで向けられてきた視線の質と照合するが、どれにも当てはまらず沙耶は困惑した。
ただ、好意的でないと言う事だけはすぐに理解出来た。若干の攻撃性を含んだものだったが、好戦的では無いのが沙耶には幸いした。
何とか動き出す事に成功した沙耶は、扉のすぐ近くにある自分の机に、突き刺さる視線から逃れるように着席した。
―――もっとも沙耶には、その視線の意味に思い当たる節はあった。
昨日は理由や経緯はどうあれ、詩依良と一緒に下校をした事となっているのだ。そして、そうしたかったのはクラスの大半がそうなのだろう。
しかし、結果的に彼女と同行出来たのは沙耶1人だった。他の生徒から羨ましがられたり妬まれたりするのも、彼女には理解出来る事だった。
―――そしてもう1つ。
「武藤沙耶」と言う人物には、良くない噂が付いて回っている。
昨日木下真綾も言っていた通り、沙耶の与り知らぬ処でその噂は尾ひれが付き誇張されているのだ。
『武藤沙耶に関わった者には、不幸な出来事が起こる』
この噂に照らし合わせれば、昨日下校を共にした詩依良にも良くない事が起こっているかも知れない……もしくはこれから起こるかも分からない。
クラスに居る生徒の大半は、そう考えて疑っていないのだ。
―――あの一之宮詩依良を不幸にする存在。
―――何故彼女と一緒に帰ったのだ。
そう言った意味も含まれている様に、沙耶は感じていた。
もしこれで詩依良が登校してこなかったり、何か怪我でもしていたり、転校でもしようものなら、その噂は確信へと変わり沙耶の立場をさらに悪くしていたに違いなかった。
もっとも、それが杞憂である事はその後すぐに立証される事となるのだが。
それは本当に久しぶりの事であり、正しく何年ぶりかと言う程である。
昨日までの彼女がその顔に湛えていた表情は主に1つ……無感情であり無感動だった。
誰とも触れ合わず会話せず、学校に来て授業を受け、帰宅して勉強して寝る。その生活を10年近く続けて来た。
その様なローテーションを繰り返す毎日では、感情に起伏が起こる要素がなかったのだ。
しかし昨日は、一之宮詩依良の出現であらゆる心情が表に出て来たのだ。
大いに笑い、心底驚き、悔しさに歯噛みし涙した。
本当に久しぶりとなる感情の大変動であり。
そしてそのお蔭で沙耶は心の中にあったわだかまりを、ある程度処理する事が出来たのだった。
―――〝罪〟を犯し〝罰〟を受け続けて来た。少なくとも彼女はそう考えて来た。
しかし何時まで、何処まで行けばその罰から解放されるのか、罰を科した本人さえ分からないでいた。
漠然と、いつか解放されると考えていたのかも知れない。
しかしそうではないと眠っていた、眠らせていた感情が教えてくれた気がしたのだった。
―――こんな生活を続けて行くなんて嫌だ。
―――どこまでこの生活を強いられなければならないのか。
―――どうしたらこの生活から抜け出す事が出来るのか。
今まで罪だから、罰だからと言う答えで済ませて来た沙耶は、その事に正面から向き合えたのだった。
そして意図してなのかそうでないのか、そう導いてくれたのは彼女、詩依良ではないかと沙耶は考えている。
なんだかんだ言っても、彼女は優しい女性なのではないかとも考えていた。
勿論昨日の会話や行動からは、かなり好意的に解釈しなければその様な結論には至り難い。
ただ沙耶は、詩依良が厳しく激しい気性を持ち、突き放す様な言葉と視線を投げ掛けながらもちゃんと出口に導く心の持ち主なのではと思っていたのだ。
―――しかしそれは、ただの勘違いと言う可能性もあるのだが……。
そして、彼女の言った「足掻く場所を提供する」と言う話。沙耶はこの言葉にも、詩依良の優しさを感じていた。
沙耶の生活はそれまで、止まった時間の中で沈殿した生活を繰り返すのみだった。
その生活を享受すれば、今まで通り無味無臭だが、ある意味平穏な生活を続ける事が出来る筈だった。
だがもしそこから抜け出したいならば、自分から動くしかない。
しかし、どう動けばいいのか分かる者と言うのは存外に少ない。
自ら取ろうとする行動が正しい事なのか分からない以上、動く際にどうしても躊躇してしまうからだ。
一度動きを止めてしまうと、そこから動けなくなってしまうばかりか、動く意欲さえ無くなってしまう。
何かしら理由を付けて、動かないと言う選択をしてしまうだろう。
一つの方法として、詩依良が投げ掛けたように第三者に動く先を提供してもらうというものがある。
それもまた、状況に適しているのかどうかは分からない。
誰も明確な〝解〟を示してくれないのだから仕方の無い事だ。
ただ大事な事は状況を動かす事であり、結果や内容はそれ程重要ではないと言う事だろう。
自力で動きたくても動き出せない者にしてみれば、第三者が投げ掛ける何かしらの〝切っ掛け〟と言うものは、千載一遇のチャンスでもあるのだ。
また、何か他者に自慢の出来る、自身が没頭出来る様な趣味なり特技があるならば、それもまた別の話かも知れない。
それらを切っ掛けにすると言う事も出来るからだ。
しかし沙耶には、何かを他人に自慢出来る様なものは、無い。
運動は人より若干鈍く、本人も苦手としている。勉強も、周囲と比べて悪くはないが優秀と言う程でもない。
霊をハッキリと視る事が出来るが、昨日の話ではそれも周囲には意外に多くいる様で、特別秀でた能力と言うものでもないらしい。
何も持たない沙耶には、自身で動き出すと言う選択肢は無かった。
動き出す為には第三者の、詩依良と言う切っ掛けが必要であり、彼女の提案は正しく「渡りに船」に他ならなかったのである。
そして詩依良の言う足掻く場所とは自分の意志で何か行動を起こすという事であり、その為に動く理由をくれるという事だろう。
別に沙耶が活躍する必要はない。もっとも、活躍出来様も無いのだが。
怪異と直接戦って勝利したり、彼女の能力を駆使して大活躍する必要はない。
恐らく詩依良が沙耶に協力を頼む内容は、沙耶にも出来るぐらいの雑務に近い事だろう。
しかし、停滞した沙耶の時間を動かすには何でも良かったのだった。
何よりも詩依良は、沙耶の身体に纏わりついていた「黒蝶」を追っ払って見せた。
何をどうしてそう出来たのか彼女にはてんで分からなかったが、結果として群がっていた黒蝶は見当たらない。
沙耶がどれだけ目を凝らしても、1匹も視る事が叶わないのだ。
それもまた詩依良の力と……彼女の優しさではないかと、沙耶は盲目的に考えていた。
だがそこまで思案して、沙耶は重要な事に思い至った。
(……あれ? 結局何をどうするか聞いてない……よね?)
昨日は手伝う事を詩依良に告げ、結局下校時間が訪れてそのまま別れたのだった。
形式上とは言え、誰かに何かを頼まれて行動する事など沙耶には随分と久しぶりの事であり、複雑な心境の中に不思議な高揚感が生まれているのは間違いなかった。
ある種浮かれた状況で詩依良と別れたので、今朝になるまでその事に思い至らなかったのだ。
教室に辿り着くまであれこれと自分なりに考えていた沙耶だったが、やはりしっくりくる答えが出せずにいた。
ただでさえ頼まれ事など殆ど経験のない上に、霊絡みの案件となると全く見当もつかなかったのだった。
詩依良は、怪異に影響を受けている生徒がこの学校に居るからその生徒を調べろとは言ったが誰を、どうやって、どれくらい調べるのか……肝心な所がスッポリと抜け落ちているのだ。
(一之宮さんに聞くのが一番なんだけど……どうやって聞こう?)
昨日1日観察しただけでも、殆どいつもクラスの生徒に囲まれている彼女に話しかけるのは、沙耶にとって至難の業だった。
良い考えも浮かばないままに、いつもの如く教室の扉を開けた彼女は、向けられる多数の視線に動きを止めてしまった。
沙耶の入室を確認する視線なら毎日浴びていた。ただ確認するだけの無機質な視線なら。
それは毎朝、教室に入って来る沙耶を見て、すぐに途切れる視線だった。
そしてそんな視線には、沙耶はもう慣れてしまっていた。
ただ今朝の沙耶に向けられている視線は、いつもと全く違う異質なものだった。
突き刺さる様に彼女を見る多くの視線。その視線に射抜かれてしまった様に、教室の扉を開けたまま沙耶は動けないでいた。
嫌悪では無く、蔑みでもなく、恐れや怯えでも、忌避でもなかった。
今まで向けられてきた視線の質と照合するが、どれにも当てはまらず沙耶は困惑した。
ただ、好意的でないと言う事だけはすぐに理解出来た。若干の攻撃性を含んだものだったが、好戦的では無いのが沙耶には幸いした。
何とか動き出す事に成功した沙耶は、扉のすぐ近くにある自分の机に、突き刺さる視線から逃れるように着席した。
―――もっとも沙耶には、その視線の意味に思い当たる節はあった。
昨日は理由や経緯はどうあれ、詩依良と一緒に下校をした事となっているのだ。そして、そうしたかったのはクラスの大半がそうなのだろう。
しかし、結果的に彼女と同行出来たのは沙耶1人だった。他の生徒から羨ましがられたり妬まれたりするのも、彼女には理解出来る事だった。
―――そしてもう1つ。
「武藤沙耶」と言う人物には、良くない噂が付いて回っている。
昨日木下真綾も言っていた通り、沙耶の与り知らぬ処でその噂は尾ひれが付き誇張されているのだ。
『武藤沙耶に関わった者には、不幸な出来事が起こる』
この噂に照らし合わせれば、昨日下校を共にした詩依良にも良くない事が起こっているかも知れない……もしくはこれから起こるかも分からない。
クラスに居る生徒の大半は、そう考えて疑っていないのだ。
―――あの一之宮詩依良を不幸にする存在。
―――何故彼女と一緒に帰ったのだ。
そう言った意味も含まれている様に、沙耶は感じていた。
もしこれで詩依良が登校してこなかったり、何か怪我でもしていたり、転校でもしようものなら、その噂は確信へと変わり沙耶の立場をさらに悪くしていたに違いなかった。
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