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2.嵌められて、戻されて
女神フィーナ
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「……え!?」
俺は、目の前の美女が告げた言葉を受け入れる事が出来ずに、間抜けな声を発して動きを止めてしまっていた。
「それでは、すぐにでも手配いたしますね? 準備は宜しいでしょうか?」
そんな俺の状況を知ってか知らずに、彼女は着々と俺の蘇生……ではなく、記録場所への移送を開始しようとしていた。
「ちょ……ま……待てっ! 待て待て待て―――っ!」
放っておくと、俺の意思確認など無視してとっとと転送してしまいそうな勢いの彼女を、それはそれは慌てて引き止めた!
余りに取り乱した俺の態度に、当の彼女は怪訝な表情を浮かべている。
「一体どうなさったと言うのですか? 一刻も早く現世へと戻りたいとは思わないのでしょうか?」
そして彼女は、薄っすらと浮かべた笑みを崩すことなく……いっそそれは、無表情と言っていい顔のまま、その表情と同じような声音で疑問を口にしたのだった。
いや、俺だって早くこんな所をおさらばして、冒険の続きをしたいと思ってるよ。
でもそれは、ついこの間記録した場所からの再開を指している。
「いや、どうしたも何も、お前こそさっき何て言ったんだっ!? 15年前がどうとかなんとか言ってなかったかっ!?」
そう……。決して、15年も昔に戻ってやり直すと言う事では無かった筈だ!
「お……お前……ですって?」
俺の静止のお蔭で、彼女が俺を15年前に飛ばすと言う愚行は履行されなかった。
ほっと一安心……と言う筈なんだが、どうやら彼女は別の所に引っ掛かっちまったようだ。
「アレックス様……。あなたは私が丁寧な口調を使用しているからと言って、何か勘違いなさっているのではないでしょうか……?」
あ……あれ?
彼女の行動を阻止する事は出来たんだが、何だか雲行きが怪しくなって来たな……。
だいたい彼女は、記録した者を記録した場所へと送り届ける職員か何かだろう?
まぁ言い方は悪いが、客である俺達に彼女が敬語を使うのも、ある意味では間違いじゃあないんじゃないのか?
そして客である俺達が、彼女達に謙った態度を取る必要も感じない。
さっきの会話の何処に、俺が勘違いしていると取られる要素があるってんだ?
「か……勘違いって……何だよ? お前は……」
しかし、俺の反論は最後まで口から発せられる事は叶わなかった。
彼女の発する雰囲気は凄まじい勢いで悪くなってきており、それは勇者として研鑽を積み高いレベルに達している筈の俺をも圧倒する程だ。
「……良いでしょう。本当ならば私の名をあなた方に告げる事は禁じられておりますが、特別に名乗って差し上げます」
そして、彼女はそれまで収まっていた半球体の中から立ち上がった。
「……なっ!?」
それと同時に、彼女の長く美しい金髪が……ずり落ちた。
謎の半球体から飛び降りた彼女は、それまで見ていた姿とは程遠い恰好をしていた。
超長い金髪だと思った髪は実は偽髪で、それを取り払った彼女の本当の髪は美しい白銀だった。
しかも短く纏められた、見ようによってはボーイッシュとも取れる髪型だ。
美しい顔つきはそのままなんだが、さっきまでの穏やかで優雅な笑みじゃなく、瞳に怒りの炎を湛えて俺を睨みつけていた。
「私の名は、『フェスティーナ=マテリアルクローン=プロトタイプ=Mk8』。我が主フェスティス様より頂いた高貴で崇高な名であり、僕たる女神の一柱なの! 今後は決してお前……などと言う無礼な物言いは許しませんからね!」
手を腰に当てて胸を逸らしてふんぞり返る女神は、高らかに自分の名を口にした。
それにしても。
あの謎の半球体に納まっていた時はもっとグラマラスな女性だと思ったんだが……。
今俺の前で反り返っている彼女は、良く言えばスラリとしたスマートなスタイル。悪く言えばどこか幼児体形に見える。
身に付けている衣服もこの世界で一般的な麻や綿、絹と言った繊維じゃあなく、今までに見た事も無い滑らかでテラテラした素材で出来ていた。
それが彼女の身体にピッタリと張り付いているものだから、その貧弱と言って良いボディラインを惜しげもなく見せつけている。
「え―――……っと? フェ……フェス……マタリ……プロット……?」
まぁ残念なのか幸いなのか、俺に幼女趣味は無い。
それよりも、これまでに聞いた事の無い様な発音や韻を踏んだ言葉に、俺は1回で彼女の名を覚える事が出来なかった。……そっちの方が問題だな。
「フェスティーナ! フェスティーナ=マテリアルクローン=プロトタイプ=Mk8よ! ……ったく、もう『フィーナ』で良いわ。本当はこう呼んで良いのはお姉さまだけなんだけど……どうせ短い付き合いだし、あなたにお前呼ばわりされるよりましだしね」
二度も名前を聞かされたと言うのに、それでも俺は彼女の名を発する事が出来ず、それを見かねたフィーナがそう提案して来た。
実に有難い提案なのだが……。むぅ……どうにも腑に落ちない。
「そうか、フィーナ。済まないな」
だがそこは大人の対応って事で。
俺が下手にそう答えたもんだから、彼女の機嫌も随分と回復した様で、さっきまでの火のような気勢は完全に鳴りを潜めてしまっていた。
「それで? 勇者アレックス? さっきは何故、転移を止めたの? 早くここから現世に戻りたいでしょう?」
何だかフィーナは、それまで使っていた丁寧口調を止めた様で、一気に砕けた言葉遣いになっていた。
おいおい……臨機応変にもほどがあるだろに。
「そ……そりゃ―――、早いとこ元の世界に戻りたいぜ。それで……だ。さっきは何て言ったんだ?」
「え……? さっき? さっきって言うと……。フィーナと呼んで良いわよって……」
「いやいやいや、もっと前だよ。そんなとこで、絶句したりしねぇだろが」
何なんだ? この女神さまは、天然属性か?
俺がフィーナの答えを否定した事で、彼女は暫し考えるポーズを取っていた……が。
「……ああ、確か……『ようこそいらっしゃいました。心よりお待ちしておりましたよ』……でしたっけ?」
「何でそこまで戻るんだよ。ってか、それはここにきて最初にフィーナが言った台詞だろうが」
あかん……本当に天然だ……。
このまま押し問答していたら、いったいいつ肝心の台詞に辿り着けるか分かったもんじゃあない。
「さっき言っただろ? 15年前に転送させるって」
だから、俺の方から答えを言ってやったんだ。
「ああ! そう、そうね。言った言った、言いました」
ウンウンと首を上下させて同意の意を示して、フィーナは納得顔でそう答えた。
ついさっき言った事さえ忘れてるのかよ……まったく。
俺にとっては、非常に重要な言葉だったんだけどな。
「……それが……何?」
そして、その意味を全く把握していない事に、俺は再び唖然とさせられたんだ。
もっとも、ここで黙っていては本当にガキの頃まで戻されちまう。
「いや、だっておかしいだろが! 俺は……俺達は昨晩、記録をしにゴッデウス教会に来たはずだ! そしてそこで、大枚はたいて記録を行った筈だ!」
俺は即座に意識の手綱を握り、彼女に猛抗議を開始した。
決して安いとは言えない……それどころか大金を払って記録したってのに、その代償が15年前何て納得出来る訳がない。
「はぁ……。確かにあなた達は、ゴッデウス教会の記録所までやって来ていますね。そしてそこで、記録を行ったとなっています」
俺の剣幕に驚いて……何てことは全然なく、フィーナは小さく溜息を付くとあの半球体に戻り、手元のボタンを操作した後にそう返答した。
何だか見た事も無い機械だか装置なんだが、今はそんな事なんてどうでもいい。
彼女が俺の言葉を認めた事で、幾分俺の気持ちも落ち着きを取り戻した……んだが。
「でも、アレックス……。あなたの記録はその時にはされなかったみたいね」
続いてフィーナが口走った言葉に、俺の意識は真っ白になったんだ……。
俺は、目の前の美女が告げた言葉を受け入れる事が出来ずに、間抜けな声を発して動きを止めてしまっていた。
「それでは、すぐにでも手配いたしますね? 準備は宜しいでしょうか?」
そんな俺の状況を知ってか知らずに、彼女は着々と俺の蘇生……ではなく、記録場所への移送を開始しようとしていた。
「ちょ……ま……待てっ! 待て待て待て―――っ!」
放っておくと、俺の意思確認など無視してとっとと転送してしまいそうな勢いの彼女を、それはそれは慌てて引き止めた!
余りに取り乱した俺の態度に、当の彼女は怪訝な表情を浮かべている。
「一体どうなさったと言うのですか? 一刻も早く現世へと戻りたいとは思わないのでしょうか?」
そして彼女は、薄っすらと浮かべた笑みを崩すことなく……いっそそれは、無表情と言っていい顔のまま、その表情と同じような声音で疑問を口にしたのだった。
いや、俺だって早くこんな所をおさらばして、冒険の続きをしたいと思ってるよ。
でもそれは、ついこの間記録した場所からの再開を指している。
「いや、どうしたも何も、お前こそさっき何て言ったんだっ!? 15年前がどうとかなんとか言ってなかったかっ!?」
そう……。決して、15年も昔に戻ってやり直すと言う事では無かった筈だ!
「お……お前……ですって?」
俺の静止のお蔭で、彼女が俺を15年前に飛ばすと言う愚行は履行されなかった。
ほっと一安心……と言う筈なんだが、どうやら彼女は別の所に引っ掛かっちまったようだ。
「アレックス様……。あなたは私が丁寧な口調を使用しているからと言って、何か勘違いなさっているのではないでしょうか……?」
あ……あれ?
彼女の行動を阻止する事は出来たんだが、何だか雲行きが怪しくなって来たな……。
だいたい彼女は、記録した者を記録した場所へと送り届ける職員か何かだろう?
まぁ言い方は悪いが、客である俺達に彼女が敬語を使うのも、ある意味では間違いじゃあないんじゃないのか?
そして客である俺達が、彼女達に謙った態度を取る必要も感じない。
さっきの会話の何処に、俺が勘違いしていると取られる要素があるってんだ?
「か……勘違いって……何だよ? お前は……」
しかし、俺の反論は最後まで口から発せられる事は叶わなかった。
彼女の発する雰囲気は凄まじい勢いで悪くなってきており、それは勇者として研鑽を積み高いレベルに達している筈の俺をも圧倒する程だ。
「……良いでしょう。本当ならば私の名をあなた方に告げる事は禁じられておりますが、特別に名乗って差し上げます」
そして、彼女はそれまで収まっていた半球体の中から立ち上がった。
「……なっ!?」
それと同時に、彼女の長く美しい金髪が……ずり落ちた。
謎の半球体から飛び降りた彼女は、それまで見ていた姿とは程遠い恰好をしていた。
超長い金髪だと思った髪は実は偽髪で、それを取り払った彼女の本当の髪は美しい白銀だった。
しかも短く纏められた、見ようによってはボーイッシュとも取れる髪型だ。
美しい顔つきはそのままなんだが、さっきまでの穏やかで優雅な笑みじゃなく、瞳に怒りの炎を湛えて俺を睨みつけていた。
「私の名は、『フェスティーナ=マテリアルクローン=プロトタイプ=Mk8』。我が主フェスティス様より頂いた高貴で崇高な名であり、僕たる女神の一柱なの! 今後は決してお前……などと言う無礼な物言いは許しませんからね!」
手を腰に当てて胸を逸らしてふんぞり返る女神は、高らかに自分の名を口にした。
それにしても。
あの謎の半球体に納まっていた時はもっとグラマラスな女性だと思ったんだが……。
今俺の前で反り返っている彼女は、良く言えばスラリとしたスマートなスタイル。悪く言えばどこか幼児体形に見える。
身に付けている衣服もこの世界で一般的な麻や綿、絹と言った繊維じゃあなく、今までに見た事も無い滑らかでテラテラした素材で出来ていた。
それが彼女の身体にピッタリと張り付いているものだから、その貧弱と言って良いボディラインを惜しげもなく見せつけている。
「え―――……っと? フェ……フェス……マタリ……プロット……?」
まぁ残念なのか幸いなのか、俺に幼女趣味は無い。
それよりも、これまでに聞いた事の無い様な発音や韻を踏んだ言葉に、俺は1回で彼女の名を覚える事が出来なかった。……そっちの方が問題だな。
「フェスティーナ! フェスティーナ=マテリアルクローン=プロトタイプ=Mk8よ! ……ったく、もう『フィーナ』で良いわ。本当はこう呼んで良いのはお姉さまだけなんだけど……どうせ短い付き合いだし、あなたにお前呼ばわりされるよりましだしね」
二度も名前を聞かされたと言うのに、それでも俺は彼女の名を発する事が出来ず、それを見かねたフィーナがそう提案して来た。
実に有難い提案なのだが……。むぅ……どうにも腑に落ちない。
「そうか、フィーナ。済まないな」
だがそこは大人の対応って事で。
俺が下手にそう答えたもんだから、彼女の機嫌も随分と回復した様で、さっきまでの火のような気勢は完全に鳴りを潜めてしまっていた。
「それで? 勇者アレックス? さっきは何故、転移を止めたの? 早くここから現世に戻りたいでしょう?」
何だかフィーナは、それまで使っていた丁寧口調を止めた様で、一気に砕けた言葉遣いになっていた。
おいおい……臨機応変にもほどがあるだろに。
「そ……そりゃ―――、早いとこ元の世界に戻りたいぜ。それで……だ。さっきは何て言ったんだ?」
「え……? さっき? さっきって言うと……。フィーナと呼んで良いわよって……」
「いやいやいや、もっと前だよ。そんなとこで、絶句したりしねぇだろが」
何なんだ? この女神さまは、天然属性か?
俺がフィーナの答えを否定した事で、彼女は暫し考えるポーズを取っていた……が。
「……ああ、確か……『ようこそいらっしゃいました。心よりお待ちしておりましたよ』……でしたっけ?」
「何でそこまで戻るんだよ。ってか、それはここにきて最初にフィーナが言った台詞だろうが」
あかん……本当に天然だ……。
このまま押し問答していたら、いったいいつ肝心の台詞に辿り着けるか分かったもんじゃあない。
「さっき言っただろ? 15年前に転送させるって」
だから、俺の方から答えを言ってやったんだ。
「ああ! そう、そうね。言った言った、言いました」
ウンウンと首を上下させて同意の意を示して、フィーナは納得顔でそう答えた。
ついさっき言った事さえ忘れてるのかよ……まったく。
俺にとっては、非常に重要な言葉だったんだけどな。
「……それが……何?」
そして、その意味を全く把握していない事に、俺は再び唖然とさせられたんだ。
もっとも、ここで黙っていては本当にガキの頃まで戻されちまう。
「いや、だっておかしいだろが! 俺は……俺達は昨晩、記録をしにゴッデウス教会に来たはずだ! そしてそこで、大枚はたいて記録を行った筈だ!」
俺は即座に意識の手綱を握り、彼女に猛抗議を開始した。
決して安いとは言えない……それどころか大金を払って記録したってのに、その代償が15年前何て納得出来る訳がない。
「はぁ……。確かにあなた達は、ゴッデウス教会の記録所までやって来ていますね。そしてそこで、記録を行ったとなっています」
俺の剣幕に驚いて……何てことは全然なく、フィーナは小さく溜息を付くとあの半球体に戻り、手元のボタンを操作した後にそう返答した。
何だか見た事も無い機械だか装置なんだが、今はそんな事なんてどうでもいい。
彼女が俺の言葉を認めた事で、幾分俺の気持ちも落ち着きを取り戻した……んだが。
「でも、アレックス……。あなたの記録はその時にはされなかったみたいね」
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