5 / 33
2.嵌められて、戻されて
裏事情、公開
しおりを挟む
勇者ってのは、本当なら尊敬される存在だ。
実際、各国の権力者たちから、様々な恩恵を得る事が出来るんだからな。
しかし有用なのは……それだけだった。
勇者イコール強力な職業と言う訳では無く。
勇者の使える様々な技や魔法は、現状俺達が知っていたジョブと比べて何ら優位性のあるものじゃあなかったんだ。
その上、勇者に職業変更した途端に、レベルが半分に減衰した。他のジョブではそんな事は起こらないと言うのに……だ。
職業自体が強い訳では無く。
名声を得たからと言って、それがすぐにこちらの利益になる訳じゃあない。
その上、レベルが減衰すると言う事は……俺がレベルを上げるまで、その他の奴らの行動が制限される事になるんだ。
クラス・チェンジする為に様々な条件を熟したりアイテムが必要だった事を考えれば、勇者と言うクラスが特殊なのは容易に考えつく。
勇者と言うクラスに強さは無い。
それでも、クラス・チェンジする為の手間暇には何かあると思わされ。
それを考えれば、俺をパーティから放り出す事は出来なかったこいつ等の不満や苛立ちと言ったら……想像に難くないだろう?
それでも「勇者がこの世界で最強の職業」だと言われているのには訳がある。
この世界のだれもが知っているおとぎ話や、ゴッデウス教団が出来る前から存在する古文書。これらには、勇者の華々しい活躍が記されていたんだ。
世界中のだれもが知る話や逸話を、さしものゴッデウス教団も無下には出来ない。
実際はともかくとして、職業としての勇者が畏敬の念を集めるのも、この世界では当然なんだ。
そう……現実はともかく……な。
そして、そんな虐げられた立場でも、俺の方もこいつ等から離れる事は出来なかった。
「まぁ……確かにしゃべり過ぎで喉が渇いたな。この続きは、酒でも飲んでするか」
「ふむ……。一理あるな」
「いいですなぁ―――……。それでは、いつもの酒店へと行きますかな」
「……この……生臭が」
俺自身は彼等に嫌悪されていても、俺の意見は採用された様だ。
熱くなっていたグローイヤがそう口にすると、酒や女が何よりも好きなシラヌスがそれに賛同し、次いで僧侶である筈のスークァヌが同意した。
もっとも、酒は好きだがどこか潔癖な所もあるヨウ・ムージは、そんなスークァヌに聞こえないくらいの小声でそう毒づいていたんだが。
俺が彼等から離れない理由、それは……その羽振りの良さだった。
彼等が、この世界でも指折りの強者である事は間違いない。
こいつ等に付いて行けば、俺は安全に落ちたレベルを上げる事が出来、事実レベル85にまで戻す事が出来たんだ。
そんな事を除いても、彼等の生活は高水準で、今から行く「酒店」も超高級酒場なんだ。
こんな生活に慣れてしまったら、今更生活レベルを落とす事なんて考えつかない。
例え……こいつ等から罵られようとな。
どうせ俺達は、協力関係でしか無いんだ。
俺が「勇者」と言う稀有なクラスである以上、こいつ等もおいそれと俺を追い出したりは出来ないからな。
そして俺達は意気揚々と酒場へ向かい、その夜もドンチャン騒ぎと洒落込んだんだ……。
その後酒に酔った俺達は、とりあえず「記録」する事で同意して更に盛り上がり。
そして俺には、それからの記憶がごっそりと抜け落ちてしまっていたんだ……酔い潰れてな。
「それで……。結局は肝心な部分を覚えてないって事なのね?」
俺の回想を聞いたフィーナは、半ばあきれ顔でそう口にした。
そして俺はと言えば、そんな彼女の台詞に反論する事など出来なかったんだ。
とは言え。
「そ……それでもあの時、『記録』するって事で全員意見は一致したんだ! 俺だけされてないなんてそんな……そんな事は……」
何か言い返さなければと思い口にした言葉だったが、それも最後まで言い切る事が出来なかった。
よく考えれば……いや、よく考えなくとも、俺だけが「記録」されなかった可能性はある。
しかし……しかしだ。
俺達は“一応”仲間であり、俺は稀有な「勇者」だ。
奴らが、そう安易に俺を手放す筈はない。
そんな想いが俺の顔に滲み出ていたんだろうか、それを見ていたフィーナが再び溜息を付いて言葉を綴り出す。
「……仕方ないわね。本当は禁止されてるんだけど、あんたには“その時”を見せてあげる。……特別よ。それを見て転生するのか、そのまま生を終えるのか決めなさい」
そう言うが早いか、フィーナはさっきの不思議な映像を出した。
そこには、教会の受付にたむろしているグローイヤ達と……グデングデンに酔い潰れて引き摺られる様に連れてこられた俺の姿が映っていた。
フィーナの台詞に言葉を挿もうとした俺だったけど、すぐに意識はその映像に釘付けとなったんだ。
『……しっかし、やっぱりメチャクチャ高いな』
『……うむ。教会への貢献度が上がってスークァヌの株は上がるであろうがな。我等としては大損だ』
『そ……それでも……命の保険には……なる』
眠りこけてる俺をソファーに寝かせたまま、グローイヤとシラヌス、ヨウの「記録」が終わった様だ。
勿論スークァヌも既に済ませており、奴は何か話がある様で教会の奥に行っている。
『さて……残るは……』
『ああ……こいつだけだなぁ……。しかし……こいつにあそこまで大金掛ける価値って……あるかぁ?』
背後の長椅子に横たわる俺を見る事無く、グローイヤが親指で俺を指してそう口にした。
それを聞いたシラヌスとヨウが、釣られる様に俺の方へと視線をやる。
そんな会話が交わされてるなんて知らない俺は、でかいイビキを掻いて夢の中だ。
『べ……別に……。あいつは必要ないんじゃ……無いのか?』
真っ先に意見を述べたのは……ヨウッ! しかも、俺に「記録」は必要ない……延いては、俺なんて必要ないと言いやがった!
今でこそこいつは俺を見下しているが、俺がクラス・チェンジするまでは随分とコイツのフォローをしてやってたってぇのに……。
立場が変わった今は、俺に向ける眼はまるで虫けらでも見るようだ。
『そうだな。此奴が居らんでも、我等の冒険には何ら問題など無い。まぁ確かに、魔族相手に効果の高い攻撃を繰り出せる事は魅力だが……。それでも、我等の今の攻撃力でも同じ結果が出せるからのぅ』
それに同意したのは言うまでもなく……シラヌスッ!
こいつの思考は単純に有益無益、有用無用、有効無効……と、完全に2択でしかない。
そして奴の出した結論は、俺は無用だと……要なしだと言うものだった。
『なら、決まりだな。こいつに「記録」は行わない。1人分浮いて、だいぶ支出を抑えられるしな』
『しかし……だ。明日からの魔王城攻略はどうするのだ? 此奴は連れて行かないと、そう言う事か?』
『ああ? そんなもん、連れて行きゃあ良いんだよ。それで死んだらそれはそれ、こいつの命運が尽きたって事でいいだろが』
『な……なるほど』
グローイヤッ! この守銭奴がっ!
こいつとは、出会った時からソリが合わなかったが、ここまで俺を軽んじていたとは……。
だいたい、勇者になる資格ならグローイヤも、ヨウも持っていたんだ!
それを固辞するもんだから俺が引き受けたってのに……この仕打ちか!
そして一同は、戻って来たスークァヌに事情を説明した。
最初は難色を示していたスークァヌだったが、彼の中で何かとの折り合いがついたんだろう、最後はグローイヤ達の提案を受け入れていたんだ。
もちろん、スークァヌの奴が懸念したのは、教会への寄付金で会って俺の安否じゃあない。
そんな奴も、今ごねてメンバーの気分を損ねるよりも、今後も恒久的に寄付させるほうを選んだんだろう。
そして結局、俺だけがその場での「記録」をされる事無く……今に至る。
俺は呆然と、その映像を見ていた……いや、見終えた。
確かに、俺が勇者となってからはこのパーティのお荷物的存在となっていた。
それでも、俺達は長年旅を一緒にして来た……同志だ。
そんな俺を、俺の意思も聞かずに切り捨てるなんて……何て奴らだ!
「……ねぇ、アレックス。あんたの世界で、勇者ってどう思われてるのよ?」
一緒に映像を見ていたフィーナが、何事か思案を巡らせながら俺に問いかけてきた……んだが。
頭に血が上ってる俺は、今は冷静に返答できる状態じゃあなかった。だから。
「ああ!? 見てた通り、勇者なんて誰もやりたがらない、パーティのお荷物だよ! 今まではその存在が稀有で、勇者になる条件も謎な部分が多かっただろうが……それもシラヌスが公表しちまうだろうな! そして勇者を手に入れた他のパーティたちが勇んで魔王城に行くのを観察して、その犠牲の上に攻略法を確立する! そんなとこだろ!」
つい喧嘩腰の言い方をしちまったんだ。
もっとも、そんな俺のきつい言い方を受けても、フィーナの方には何のリアクションも無かったんだが。
それが逆に、熱くなった俺の頭の温度を下げる結果となった。
「……ったく。ラフィーネってば、一体何やってるのよ……」
そんな俺の怪訝に窺う視線など気にした様子もなく、フィーナは独り言をつぶやいていた。
それに漸く気付いたんだろう。
「……ああ、そうだった。そんな事より、まずはあんたの事ね。とりあえず、この時に記録されていないって事実は今見てもらった通り。で、あんたには2つの道がある。1つは、15年前に転生されるのか。そしてもう1つは、このまま生を終えて天に召されるか……ね」
彼女は俺に、改めて選択を迫って来たんだ。
ウインクしながらそう語るフィーナだが、俺としては何処にも嬉しい要素なんて無かったんだが……。
実際、各国の権力者たちから、様々な恩恵を得る事が出来るんだからな。
しかし有用なのは……それだけだった。
勇者イコール強力な職業と言う訳では無く。
勇者の使える様々な技や魔法は、現状俺達が知っていたジョブと比べて何ら優位性のあるものじゃあなかったんだ。
その上、勇者に職業変更した途端に、レベルが半分に減衰した。他のジョブではそんな事は起こらないと言うのに……だ。
職業自体が強い訳では無く。
名声を得たからと言って、それがすぐにこちらの利益になる訳じゃあない。
その上、レベルが減衰すると言う事は……俺がレベルを上げるまで、その他の奴らの行動が制限される事になるんだ。
クラス・チェンジする為に様々な条件を熟したりアイテムが必要だった事を考えれば、勇者と言うクラスが特殊なのは容易に考えつく。
勇者と言うクラスに強さは無い。
それでも、クラス・チェンジする為の手間暇には何かあると思わされ。
それを考えれば、俺をパーティから放り出す事は出来なかったこいつ等の不満や苛立ちと言ったら……想像に難くないだろう?
それでも「勇者がこの世界で最強の職業」だと言われているのには訳がある。
この世界のだれもが知っているおとぎ話や、ゴッデウス教団が出来る前から存在する古文書。これらには、勇者の華々しい活躍が記されていたんだ。
世界中のだれもが知る話や逸話を、さしものゴッデウス教団も無下には出来ない。
実際はともかくとして、職業としての勇者が畏敬の念を集めるのも、この世界では当然なんだ。
そう……現実はともかく……な。
そして、そんな虐げられた立場でも、俺の方もこいつ等から離れる事は出来なかった。
「まぁ……確かにしゃべり過ぎで喉が渇いたな。この続きは、酒でも飲んでするか」
「ふむ……。一理あるな」
「いいですなぁ―――……。それでは、いつもの酒店へと行きますかな」
「……この……生臭が」
俺自身は彼等に嫌悪されていても、俺の意見は採用された様だ。
熱くなっていたグローイヤがそう口にすると、酒や女が何よりも好きなシラヌスがそれに賛同し、次いで僧侶である筈のスークァヌが同意した。
もっとも、酒は好きだがどこか潔癖な所もあるヨウ・ムージは、そんなスークァヌに聞こえないくらいの小声でそう毒づいていたんだが。
俺が彼等から離れない理由、それは……その羽振りの良さだった。
彼等が、この世界でも指折りの強者である事は間違いない。
こいつ等に付いて行けば、俺は安全に落ちたレベルを上げる事が出来、事実レベル85にまで戻す事が出来たんだ。
そんな事を除いても、彼等の生活は高水準で、今から行く「酒店」も超高級酒場なんだ。
こんな生活に慣れてしまったら、今更生活レベルを落とす事なんて考えつかない。
例え……こいつ等から罵られようとな。
どうせ俺達は、協力関係でしか無いんだ。
俺が「勇者」と言う稀有なクラスである以上、こいつ等もおいそれと俺を追い出したりは出来ないからな。
そして俺達は意気揚々と酒場へ向かい、その夜もドンチャン騒ぎと洒落込んだんだ……。
その後酒に酔った俺達は、とりあえず「記録」する事で同意して更に盛り上がり。
そして俺には、それからの記憶がごっそりと抜け落ちてしまっていたんだ……酔い潰れてな。
「それで……。結局は肝心な部分を覚えてないって事なのね?」
俺の回想を聞いたフィーナは、半ばあきれ顔でそう口にした。
そして俺はと言えば、そんな彼女の台詞に反論する事など出来なかったんだ。
とは言え。
「そ……それでもあの時、『記録』するって事で全員意見は一致したんだ! 俺だけされてないなんてそんな……そんな事は……」
何か言い返さなければと思い口にした言葉だったが、それも最後まで言い切る事が出来なかった。
よく考えれば……いや、よく考えなくとも、俺だけが「記録」されなかった可能性はある。
しかし……しかしだ。
俺達は“一応”仲間であり、俺は稀有な「勇者」だ。
奴らが、そう安易に俺を手放す筈はない。
そんな想いが俺の顔に滲み出ていたんだろうか、それを見ていたフィーナが再び溜息を付いて言葉を綴り出す。
「……仕方ないわね。本当は禁止されてるんだけど、あんたには“その時”を見せてあげる。……特別よ。それを見て転生するのか、そのまま生を終えるのか決めなさい」
そう言うが早いか、フィーナはさっきの不思議な映像を出した。
そこには、教会の受付にたむろしているグローイヤ達と……グデングデンに酔い潰れて引き摺られる様に連れてこられた俺の姿が映っていた。
フィーナの台詞に言葉を挿もうとした俺だったけど、すぐに意識はその映像に釘付けとなったんだ。
『……しっかし、やっぱりメチャクチャ高いな』
『……うむ。教会への貢献度が上がってスークァヌの株は上がるであろうがな。我等としては大損だ』
『そ……それでも……命の保険には……なる』
眠りこけてる俺をソファーに寝かせたまま、グローイヤとシラヌス、ヨウの「記録」が終わった様だ。
勿論スークァヌも既に済ませており、奴は何か話がある様で教会の奥に行っている。
『さて……残るは……』
『ああ……こいつだけだなぁ……。しかし……こいつにあそこまで大金掛ける価値って……あるかぁ?』
背後の長椅子に横たわる俺を見る事無く、グローイヤが親指で俺を指してそう口にした。
それを聞いたシラヌスとヨウが、釣られる様に俺の方へと視線をやる。
そんな会話が交わされてるなんて知らない俺は、でかいイビキを掻いて夢の中だ。
『べ……別に……。あいつは必要ないんじゃ……無いのか?』
真っ先に意見を述べたのは……ヨウッ! しかも、俺に「記録」は必要ない……延いては、俺なんて必要ないと言いやがった!
今でこそこいつは俺を見下しているが、俺がクラス・チェンジするまでは随分とコイツのフォローをしてやってたってぇのに……。
立場が変わった今は、俺に向ける眼はまるで虫けらでも見るようだ。
『そうだな。此奴が居らんでも、我等の冒険には何ら問題など無い。まぁ確かに、魔族相手に効果の高い攻撃を繰り出せる事は魅力だが……。それでも、我等の今の攻撃力でも同じ結果が出せるからのぅ』
それに同意したのは言うまでもなく……シラヌスッ!
こいつの思考は単純に有益無益、有用無用、有効無効……と、完全に2択でしかない。
そして奴の出した結論は、俺は無用だと……要なしだと言うものだった。
『なら、決まりだな。こいつに「記録」は行わない。1人分浮いて、だいぶ支出を抑えられるしな』
『しかし……だ。明日からの魔王城攻略はどうするのだ? 此奴は連れて行かないと、そう言う事か?』
『ああ? そんなもん、連れて行きゃあ良いんだよ。それで死んだらそれはそれ、こいつの命運が尽きたって事でいいだろが』
『な……なるほど』
グローイヤッ! この守銭奴がっ!
こいつとは、出会った時からソリが合わなかったが、ここまで俺を軽んじていたとは……。
だいたい、勇者になる資格ならグローイヤも、ヨウも持っていたんだ!
それを固辞するもんだから俺が引き受けたってのに……この仕打ちか!
そして一同は、戻って来たスークァヌに事情を説明した。
最初は難色を示していたスークァヌだったが、彼の中で何かとの折り合いがついたんだろう、最後はグローイヤ達の提案を受け入れていたんだ。
もちろん、スークァヌの奴が懸念したのは、教会への寄付金で会って俺の安否じゃあない。
そんな奴も、今ごねてメンバーの気分を損ねるよりも、今後も恒久的に寄付させるほうを選んだんだろう。
そして結局、俺だけがその場での「記録」をされる事無く……今に至る。
俺は呆然と、その映像を見ていた……いや、見終えた。
確かに、俺が勇者となってからはこのパーティのお荷物的存在となっていた。
それでも、俺達は長年旅を一緒にして来た……同志だ。
そんな俺を、俺の意思も聞かずに切り捨てるなんて……何て奴らだ!
「……ねぇ、アレックス。あんたの世界で、勇者ってどう思われてるのよ?」
一緒に映像を見ていたフィーナが、何事か思案を巡らせながら俺に問いかけてきた……んだが。
頭に血が上ってる俺は、今は冷静に返答できる状態じゃあなかった。だから。
「ああ!? 見てた通り、勇者なんて誰もやりたがらない、パーティのお荷物だよ! 今まではその存在が稀有で、勇者になる条件も謎な部分が多かっただろうが……それもシラヌスが公表しちまうだろうな! そして勇者を手に入れた他のパーティたちが勇んで魔王城に行くのを観察して、その犠牲の上に攻略法を確立する! そんなとこだろ!」
つい喧嘩腰の言い方をしちまったんだ。
もっとも、そんな俺のきつい言い方を受けても、フィーナの方には何のリアクションも無かったんだが。
それが逆に、熱くなった俺の頭の温度を下げる結果となった。
「……ったく。ラフィーネってば、一体何やってるのよ……」
そんな俺の怪訝に窺う視線など気にした様子もなく、フィーナは独り言をつぶやいていた。
それに漸く気付いたんだろう。
「……ああ、そうだった。そんな事より、まずはあんたの事ね。とりあえず、この時に記録されていないって事実は今見てもらった通り。で、あんたには2つの道がある。1つは、15年前に転生されるのか。そしてもう1つは、このまま生を終えて天に召されるか……ね」
彼女は俺に、改めて選択を迫って来たんだ。
ウインクしながらそう語るフィーナだが、俺としては何処にも嬉しい要素なんて無かったんだが……。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる