無自覚最強な魔導書士が図書館を作るお話

甘夏蜜柑

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魔導書士、草を刈る

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「薬草採取…」
「まあ、なんだニコライ、Gランクの依頼ってのはこういうものだ」
 さきほどまでの私のはしゃぎっぷりを思ってか、どうもレイラさんの言い方が優しい気がするが、
「いえいえレイラさん、薬草採取、やりがいがあるじゃないですか!」
「そ、そうか。お前には物足りないと思うが…」
「何を言いますか!これで人のためになるならなんてことはありません」

 そんなことを言いながら、町を抜け、しばらく歩いたところにある平原にやってきた。
「よし、ニコライ着いたぞ」
「ここは?」
「ここはクスリ平原と言ってな、様々な薬草が生えていてな…、お、これは!」
 レイラさんはその場に屈み、草を一つ摘んだ。
「これが依頼品の癒し草だな。この平原のあちこちに生えているから、手分けして集めることにしよう」
「分かりました」
 なるほど、この草が癒し草か。じゃあ、この方法が良いかな。
「では集めますね」
 鞄から緑色の魔導書『シルフのささやき』を取り出しかまえる。
「うん?戦闘じゃないんだ。何で魔導書を…?」
「まあ、見ていてください。出でよ、シルフ!」
 私が唱えると、それに応えるように魔導書が柔らかな緑色の光を放ち、
「わぁ」「ニコライ」「久しぶりだね」「旅に出たんだね」
 シルフたちが現れた。
「やあ、皆久しぶり。早速で悪いんだけど、この草を沢山摘んできてもらえますか」
「なにこれ?」「知らないの?」「毒消し草よ!」「違うわ、癒し草よ!」
 シルフたちはワイワイと言いながら、あっという間に平原の四方に飛んで行った。
 相変わらず賑やかな子たちだが、素直で動きも機敏で、体も小さいから、薬草採取には最適だろう。
「さあ、これでしばらく待っていれば、シルフたちが摘んできてくれますよ。…レイラさんどうしました?」
 横を見ると、レイラさんが口を開けてプルプルと震えていた。
「い、今のは風の大精霊シルフなのか?」
「あ、はい、そうです。いやー、実家にいるときも、よく野菜の収穫なんかを手伝ってもらってましてねー」
 そう言うと、レイラさんが頭を抱えながらばたりと倒れてしまった。
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