無自覚最強な魔導書士が図書館を作るお話

甘夏蜜柑

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魔導書士、事情を聞く

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「皆さーん、大丈夫ですかー」
 トカゲを追いかけていた冒険者の元へ駆け寄る。
「あ、ああ、おかげで助かったが…、お前、レイラか!助かったが、何だったんだ、さっきの魔法は?」
「ガイウス、あなた達だったのか。さっきのは彼の魔法だ」
 そう言ってレイラさんが私の背中をずいっと押した。
「彼はニコライ。魔導書士で、今日デビューのGランク冒険者だ」
「あ、ニコライです。よろしくお願いします」
 ぺこりとお辞儀をして挨拶をする。レイラさんを呼び捨てで呼べるあたり、彼らも相当熟練の冒険者なのだろう。
「はぁ?魔導書士ぃ!?でGランク!?冗談も大概にしろよ!」
 怒鳴られてしまった。
「…言いたいことは分かるが、事実そうだから仕方がないだろう。で、あなた達は一体何があったんだ?」
 ガイウスさんの怒声をスルーしてレイラさんが冷静に尋ねる。
「…ああ、実はギルドからのクエストで、魔獣の谷に生息するイエローリザードを退治するはずだったんだ」
「イエローリザード、Cランクの魔物だな。危険な魔獣の谷とは言え、Bランクのあなた達のパーティーならそれほど困難ではないでしょう」
「ああ、その通りだ。もちろんクエストは慎重に進め、イエローリザードの巣を見つけ討伐したのはしたんだが、そのとき奴が現れた」
「サンダードラゴン、Aランクでも上位の魔物で、半ば伝説ともいわれる竜種だな。最初見たときは目を疑ったが」
「ああ、俺らもそうだったよ。魔獣の谷の前人未踏の最深部ならいざしらず、ほどほどの深度の所であんな奴に会うなんて思ってもみなかったからな」
「それで、奴を退治しようとしたら、暴れて町に向かっていったといったところか?」
「いや、違う。奴と出会ったとき、こっちに一瞥をくれただけで、まっすぐに谷の入り口に向けて走り出してな。あんな奴、谷の外に出しただけでも一大事だ。まして町に向かうなんざ想像もしたくないってところで、慌てて追いかけて行ったんだ」
「なるほど、我々はそこに遭遇したわけか」
 レイラさんがふむと考えている。話の感じだと、どうもなかなか危険の獣だったらしい。

「それで、そっちは説明してくれるんだろうな?」
「説明?」
「さっきの魔法のことだよ!」
「いや、さっき説明した通りなのだが」
 何やら私の使った魔法に問題があったのだろうか。やはり、Bランク冒険者から見ると、至らないところがあったのだろうな。
「とにかく、魔獣の谷で何かが起きているのかもしれないし、俺らはいったんギルドに報告に行く。そこの魔導書士のことも話すから、一緒についてきてくれ」
 そうして私たちは、ガイウスさんたちと一緒にギルドに報告に向かった。
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