無自覚最強な魔導書士が図書館を作るお話

甘夏蜜柑

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魔導書士、昇級する

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「おう!お疲れだったな!」
 魔獣の谷の掃除を終えた我々がギルドに帰ると、受付の親父さんが笑顔で迎えてくれた。
「外にいたやつらが騒いでいたぜ。魔獣の谷から物凄い光の柱が立ち上がっていたってな。ニコライの仕業か?」
「ああ、そうだ。そばで見ていたが、凄まじいものだった。魔獣の谷の瘴気がきれいさっぱり浄化されたよ」
 親父さんとガイウスさんが話していると、受付の奥から支部長が出てきた。
「きれいさっぱりですか!それはそれで魔獣の素材が採取できなくなるので困りましたねぇ」
「あっ、すみませんでした!」
 思わず謝る。そうか、そのあたりのことまでは考えていなかったな。
「ふふ、冗談ですよ。他の場所でも魔獣が出ますし、魔獣がいないなら人の手で開拓できるということです。王都にも報告して、今後の開拓方針を決めてもらいましょう」
 そう言って支部長は懐から、黒いタグが付いたネックレスを取り出した。
「そしてこれがお約束の、Aランクの証です。魔獣の谷を浄化するなんて所業は前代未聞。あなたには十分すぎるほどこれを受け取る資格があります」
 そうして私の首にそれを掛けてくれる。
「王都に行かれるということでしたね。益々の活躍を楽しみにしていますよ!」
「良かったなニコライ」
 そう言ってレイラさんが喜んでくれる。ああ、これで念願の王都の図書館に行けるのか…!
「そしてレイラさん。ガイウスさんとともに、よくニコライさんを魔獣の谷の深部まで導いてくれました」
「えっ!いや、しかし今回私は、派手な功績もないが…」
「いえ、ランクとは派手な功績ばかりがすべてではありません。果たすべき時に果たすべきことを果たすこと。信用と実績を積み重ねること。そうした総合的な観点から考えると、私は今回の実績でもって、あなたをBランクにするには十分だと考えています」
 そして懐から紫のタグが付いたネックレスを取り出した。
「…分かりました!過分ではありますが、その輝きに負けぬよう、一層精進したいと思います」
 レイラさんが頭を垂れ、支部長がネックレスを掛ける。
「はい。一層頑張ってください」
 こうして私はAランクへ、レイラさんはBランクへと昇格した。
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