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魔導書士の失望と決意
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「これが王立図書館!」
城下町をしばらく歩いてたどり着いたそこは、赤い石造りの巨大な建造物。
隣の王城のような煌びやかさはないが、その静かでどっしりとした佇まいからは、歴史と知性が感じられる。
「よし、入りましょう」
「王立図書館へようこそ」
入館すると受付の女性に声を掛けられた。
「あの、すみません、はじめて来たんですけど」
「初めてのご利用ですか。それではこちらの受付簿に記入をお願いします」
「あ、分かりました。ところで、利用方法や、どんな本があるかといったことを教えていただきたいんですけど」
昔の物語によると、全世界のあらゆる本が集められ、日夜様々な議論が行われていると言う。私も早くその議論に加わってみたいものだ。
「はい。こちらは、国民が読むにふさわしい本を収集しております。また、閲覧は館内のみとなっております」
「国民が読むにふさわしい本?すみませんが、世界中の本が集められると聞いたんですけれども」
「世界中の本ですか?しかし運営資金にも限りがありますし、王立である以上、国の運営方針を受けますので、そのようなことはとてもとても…」
おかしい。思っていたのと違う。そういえば、議論が行われているという割には、館内は人気もなくやたら静かだ。
「そういえば、ここでは様々な事柄について議論が行われていると聞きましたが、それはどの部屋に行ったら参加できますか?」
「議論ですか?当館は私語厳禁となっておりますので、そのようなことは行われておりませんが…」
「おいニコライ、なんだか話と違うんじゃないか?」
レイラさんがひそひそと話してきた。
「…いえ、しかし本がたくさんあるのは事実です。とにかく利用してみましょう。すみませんがレイラさんは、どこかで適当に時間を潰してきてもらえますか?」
「ああ、分かった。2時間後にまた来よう」
そして2時間後、図書館の入り口でレイラさんと合流した。
「おお、ニコライどうだった?堪能できたか?」
「…」
「ニコライ?」
「…本は、数は沢山ありましたが、王制を賛美するようなものばかりでした」
「うん?」
「歴史書にしても、王制に都合の悪い記述がある本はありませんでした。科学書は、お抱え学者たちが書いたようなものばかりでしょう。小説も軍国主義的なものばかり…」
「どういうことだ?」
「受付の女性が言っていた通りですよ。それが『国民が読むにふさわしい本』ということなのでしょう。不都合な歴史からは目を背け、科学の反証性に唾を吐き、娯楽小説で心を癒し育てることは不要だと、そういうことです…」
言いながら、心の中で怒りがふつふつと沸いてきた。
「そうだったのか…。憧れた図書館だったのに、残念だったな…」
「いえ、おかげで1つ決心をしました」
そう、怒りが1周したのだろう。
「夢の図書館はありませんでした。なので、私が作ります!」
城下町をしばらく歩いてたどり着いたそこは、赤い石造りの巨大な建造物。
隣の王城のような煌びやかさはないが、その静かでどっしりとした佇まいからは、歴史と知性が感じられる。
「よし、入りましょう」
「王立図書館へようこそ」
入館すると受付の女性に声を掛けられた。
「あの、すみません、はじめて来たんですけど」
「初めてのご利用ですか。それではこちらの受付簿に記入をお願いします」
「あ、分かりました。ところで、利用方法や、どんな本があるかといったことを教えていただきたいんですけど」
昔の物語によると、全世界のあらゆる本が集められ、日夜様々な議論が行われていると言う。私も早くその議論に加わってみたいものだ。
「はい。こちらは、国民が読むにふさわしい本を収集しております。また、閲覧は館内のみとなっております」
「国民が読むにふさわしい本?すみませんが、世界中の本が集められると聞いたんですけれども」
「世界中の本ですか?しかし運営資金にも限りがありますし、王立である以上、国の運営方針を受けますので、そのようなことはとてもとても…」
おかしい。思っていたのと違う。そういえば、議論が行われているという割には、館内は人気もなくやたら静かだ。
「そういえば、ここでは様々な事柄について議論が行われていると聞きましたが、それはどの部屋に行ったら参加できますか?」
「議論ですか?当館は私語厳禁となっておりますので、そのようなことは行われておりませんが…」
「おいニコライ、なんだか話と違うんじゃないか?」
レイラさんがひそひそと話してきた。
「…いえ、しかし本がたくさんあるのは事実です。とにかく利用してみましょう。すみませんがレイラさんは、どこかで適当に時間を潰してきてもらえますか?」
「ああ、分かった。2時間後にまた来よう」
そして2時間後、図書館の入り口でレイラさんと合流した。
「おお、ニコライどうだった?堪能できたか?」
「…」
「ニコライ?」
「…本は、数は沢山ありましたが、王制を賛美するようなものばかりでした」
「うん?」
「歴史書にしても、王制に都合の悪い記述がある本はありませんでした。科学書は、お抱え学者たちが書いたようなものばかりでしょう。小説も軍国主義的なものばかり…」
「どういうことだ?」
「受付の女性が言っていた通りですよ。それが『国民が読むにふさわしい本』ということなのでしょう。不都合な歴史からは目を背け、科学の反証性に唾を吐き、娯楽小説で心を癒し育てることは不要だと、そういうことです…」
言いながら、心の中で怒りがふつふつと沸いてきた。
「そうだったのか…。憧れた図書館だったのに、残念だったな…」
「いえ、おかげで1つ決心をしました」
そう、怒りが1周したのだろう。
「夢の図書館はありませんでした。なので、私が作ります!」
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