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強者出現
161 再会 2
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「助けてくれたのは嬉しいし、感謝もしている。あんな事までしてくれたのだから、些細な言動は見逃すつもりだった」
「あの、その……」
そんなに抱きつかれると胸がですね。近いんですけど!
振りほどこうにも目の前にあるものが邪魔で、腕を掴むが抵抗されて更に近づいてくる。
「アレス。貴方が無事で良かった」
「ありがとうございます。とりあえず離れてください」
「おや、目が覚めたのかい?」
「ええ、アナタ。今ちょっと抱きしめていたところよ」
いやいやいや、旦那の前で何やっているんですか?
何で旦那さんも止めない。
目の前でこんな事になっているんだぞ? でも俺から望んだことじゃないので、そこは考慮してください。
「私は、ルブルドだ。アレス君は学生なんだし、積もる話もあるだろう。ゆっくりしていってくれ。それじゃ、失礼するよ」
「ありがとうございます。じゃなくて、これはその事故のようなものでして」
行ってしまった……この状況を見てお咎めなしって、普通に考えておかしいだろ?
この人もだ、なんで自分の旦那がいるのに全く気にしていないんだ?
てか、そろそろ。いい加減離してくれないのかこの人は……
「あのそろそろ離してくれませんか?」
「ねぇ、アレス。こうしていると懐かしいわね」
「あの……今がわからないのですが? 昨日初めてお会いしましたよね? それとも誰かと間違えていませんか?」
離れたと思ったら、今度は両頬をつねられている。
手を離したと思ったら、ぶたれ、またつねられている。
上下だったりと結構痛いんですけど……。
「いふぁいでふ」
「ほっっっとうに嫌な子に成長したわね。もういいわ」
やっと手を離してくれたので、抓られていた頬を擦りさっきとは打って変わって、優しい笑顔をしていた。
「そうよね、前に出会ったのはアトラスの結婚式だっけ」
「兄上の結婚式……ああ、その時にお会いしていたんですね」
「わかった、もういいわ。おかえり、アレス。私の可愛い弟」
その時俺の体に衝撃が走った。
あのブラコンバカ姉貴が、すっごい美人の変貌していたのだ。
しかも冒険者だったあれは……この人と本当に同一人物なのだろうか?
今は綺麗に着飾り、お礼を言っていた時はまさに淑女そのもの。
一方、昨日の格好は女らしさの欠片もない佇まいで、言葉も乱暴で蛮族と言っても問題なかった。
「あ、あの。聞き間違いだったりします? 特に弟って辺りが」
俺は渾身のビンタを食らった。
「百回ぐらい頭を、殴れば思い出せるかしら? 大体、初等部を飛び級したと思ったら、ダンジョンに篭ってばかりで、何時戻っても居ないし。それに、私の結婚式にもダンジョンにいるから連絡の取りようもなかったわよね。仕方なく放ったらかしで、出てきたと思えば、今度はダンジョン攻略者になっているのに、やたらと太ってて憎たらしいわね。それにさっきのダンジョンでも、私をちゃんと見てもいなかったでしょ?」
何も言い返せない。
会ってなかったから、そもそも姉上って居たの? ってレベルで忘れていた。そんな事を言えば、死ぬ。悟られても、死ぬ。
死亡フラグなのか?
「い、いやあれは……俺が悪いとは思うけど」
「けど? けどって何?」
「いえ、その節は大変ご迷惑を掛けました」
「分かればいいのよ。全く、しょうがない子ね」
今度は軽く、コツンと叩かれ、許してくれたことに少し嬉しかった。
姉上だったのか……不思議な感じがしていたのはそのせいだったのか。
「遅くなってごめん。ただいま、姉上」
「おかえり。アレス、あまり無茶をしたらダメよ」
ここでようやく抱きしめ返すことが出来た。
しかし、俺は忘れていた。
姉上の腕力は普通の人ではないことを……それは、幼少の時と比べて当然成長をしているということに。
「ぎゃゃゃぁああ」
「あらあら、アレス。私と会えて嬉しいのね」
「あの、その……」
そんなに抱きつかれると胸がですね。近いんですけど!
振りほどこうにも目の前にあるものが邪魔で、腕を掴むが抵抗されて更に近づいてくる。
「アレス。貴方が無事で良かった」
「ありがとうございます。とりあえず離れてください」
「おや、目が覚めたのかい?」
「ええ、アナタ。今ちょっと抱きしめていたところよ」
いやいやいや、旦那の前で何やっているんですか?
何で旦那さんも止めない。
目の前でこんな事になっているんだぞ? でも俺から望んだことじゃないので、そこは考慮してください。
「私は、ルブルドだ。アレス君は学生なんだし、積もる話もあるだろう。ゆっくりしていってくれ。それじゃ、失礼するよ」
「ありがとうございます。じゃなくて、これはその事故のようなものでして」
行ってしまった……この状況を見てお咎めなしって、普通に考えておかしいだろ?
この人もだ、なんで自分の旦那がいるのに全く気にしていないんだ?
てか、そろそろ。いい加減離してくれないのかこの人は……
「あのそろそろ離してくれませんか?」
「ねぇ、アレス。こうしていると懐かしいわね」
「あの……今がわからないのですが? 昨日初めてお会いしましたよね? それとも誰かと間違えていませんか?」
離れたと思ったら、今度は両頬をつねられている。
手を離したと思ったら、ぶたれ、またつねられている。
上下だったりと結構痛いんですけど……。
「いふぁいでふ」
「ほっっっとうに嫌な子に成長したわね。もういいわ」
やっと手を離してくれたので、抓られていた頬を擦りさっきとは打って変わって、優しい笑顔をしていた。
「そうよね、前に出会ったのはアトラスの結婚式だっけ」
「兄上の結婚式……ああ、その時にお会いしていたんですね」
「わかった、もういいわ。おかえり、アレス。私の可愛い弟」
その時俺の体に衝撃が走った。
あのブラコンバカ姉貴が、すっごい美人の変貌していたのだ。
しかも冒険者だったあれは……この人と本当に同一人物なのだろうか?
今は綺麗に着飾り、お礼を言っていた時はまさに淑女そのもの。
一方、昨日の格好は女らしさの欠片もない佇まいで、言葉も乱暴で蛮族と言っても問題なかった。
「あ、あの。聞き間違いだったりします? 特に弟って辺りが」
俺は渾身のビンタを食らった。
「百回ぐらい頭を、殴れば思い出せるかしら? 大体、初等部を飛び級したと思ったら、ダンジョンに篭ってばかりで、何時戻っても居ないし。それに、私の結婚式にもダンジョンにいるから連絡の取りようもなかったわよね。仕方なく放ったらかしで、出てきたと思えば、今度はダンジョン攻略者になっているのに、やたらと太ってて憎たらしいわね。それにさっきのダンジョンでも、私をちゃんと見てもいなかったでしょ?」
何も言い返せない。
会ってなかったから、そもそも姉上って居たの? ってレベルで忘れていた。そんな事を言えば、死ぬ。悟られても、死ぬ。
死亡フラグなのか?
「い、いやあれは……俺が悪いとは思うけど」
「けど? けどって何?」
「いえ、その節は大変ご迷惑を掛けました」
「分かればいいのよ。全く、しょうがない子ね」
今度は軽く、コツンと叩かれ、許してくれたことに少し嬉しかった。
姉上だったのか……不思議な感じがしていたのはそのせいだったのか。
「遅くなってごめん。ただいま、姉上」
「おかえり。アレス、あまり無茶をしたらダメよ」
ここでようやく抱きしめ返すことが出来た。
しかし、俺は忘れていた。
姉上の腕力は普通の人ではないことを……それは、幼少の時と比べて当然成長をしているということに。
「ぎゃゃゃぁああ」
「あらあら、アレス。私と会えて嬉しいのね」
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