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強者出現
187 重なる思い 2
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でも、なんで!?
どうしてそこまで俺にこだわると言うんだ? もういいだろ?
お前の目の前にいるアレスは、本来のアレスじゃないんだ……だというのに、顔が火照っているのを感じる。
俺はミーアを抱きしめていた。
「申し訳ございません。また、このようなはしたない事をしてしまい」
「いや、それは別に、だな……」
「実はこれで二度目なのですよ?」
「ああ、あの時か……別に皆を突き放しているつもりはないが……すまない」
何という不意打ち。くそっ、顔が熱い。
一体どうなっているんだ? ミーアはこんなに積極的じゃなかっただろ?
それなのに、鼓動は早く心が少しだけ軽くなり嬉しいと思ってしまった。
もっとミーアと一緒に居たいとさえ思ってしまう。そんな事はありえないとわかっていても、それでも失いたくないとはっきりとそう感じる。
「アレス様が呪いで倒れている時……です。幻滅されましたか?」
「え、は? ちょっと待て。え? え?」
「あの時も今のように……その、苦しそうにされていましたので、少しは元気出ましたか?」
俺達は互いに顔を赤くしたまま。ミーアは隣へ座り俺に体を寄せ、胸に頭を乗せていた。
目を閉じて恥ずかしいのだろう。でも、安心しているようにも見える。
こんな不安定な時に……歯止めが効かなくなりそうで怖い。
側に居てくれるだけでこんなにも……。
『どうかお側に居させてください』
あの誓いにも似た想いは、以前と変わらずミーアの中にあるのだろうか?
俺は怖かった。
ミーアに近づけば近づくほどに、心惹かれているのが分かってしまったから。
あの時に感じた淡い恋心が、結局はゲームの設定という恐怖が付きまとい、自分の事ですらシナリオによって作られているんじゃないのかと、それを受け入れるのが怖かった。
今こうして、隣にいて高鳴る鼓動も、抱きしめることで感じられる心地よさも、何もかもが作られたものでしか無いのだと。
「少し嬉しいのです」
「な、何がだ?」
「アレス様の鼓動が聞こえます。私と同じ様に鼓動が早くなってます。それがなんだか嬉しいのです」
こんな状態になれば、誰だって胸の高鳴りぐらいする。
好きな人が隣りにいて、身を寄せてくれる。
俺はミーアが好きになっている。だけど……この想いは作られたものではない。
手から感じるミーアの髪の毛の感触。頬の柔らかさ、溢れ出てくる欲望の数々。
『本当に好きだから、お側に居たいのです』
ミーアの想い。
それはあの頃、出会ったあの頃から変わっていなかったんだ。
俺が初めてミーアを抱きしめたあの日から……ミーアをゲームのキャラではなく、一人の女性として見ていたんだ。
だから、離れていても想いは大きくなり、出会い、一緒にいることで心から好きだと実感し、それから逃げ続けていた。
それは、自分が失敗した時の逃げ道を作っていただけに過ぎない。
ゲームのシナリオだからと諦め、それを口実にメアリがパメラがと逃げているだけでしか無かった。深く関わらなければ、受ける傷も小さくなると勘違いをして……。
「私はアレス様だけをお慕いしております。私はアレス様をお守りしますので、アレス様も私を守っては頂けないでしょうか?」
「今言うのはずるいだろ」
俺はなぜミーアを守りたいのか、離れることは何時でもできていたのに、離れることを選べなかった。
その答えは決まっていたが、ただ逃げていただけだ。
「ミーア。ありがとう」
本当は伝えるべきだと思う。
その言葉を……でも、いつかきっと、ミーアに……好きだと伝えたい。
もたれかかるミーアを引き離し、ゆっくりと顔が近づく。
ミーアはそのまま目を閉じ、初めて俺から彼女にキスをする。
俺はミーアに誓うよ。
絶対に死なせたりしないと、必ず守るとそう心の中で誓った。
どうしてそこまで俺にこだわると言うんだ? もういいだろ?
お前の目の前にいるアレスは、本来のアレスじゃないんだ……だというのに、顔が火照っているのを感じる。
俺はミーアを抱きしめていた。
「申し訳ございません。また、このようなはしたない事をしてしまい」
「いや、それは別に、だな……」
「実はこれで二度目なのですよ?」
「ああ、あの時か……別に皆を突き放しているつもりはないが……すまない」
何という不意打ち。くそっ、顔が熱い。
一体どうなっているんだ? ミーアはこんなに積極的じゃなかっただろ?
それなのに、鼓動は早く心が少しだけ軽くなり嬉しいと思ってしまった。
もっとミーアと一緒に居たいとさえ思ってしまう。そんな事はありえないとわかっていても、それでも失いたくないとはっきりとそう感じる。
「アレス様が呪いで倒れている時……です。幻滅されましたか?」
「え、は? ちょっと待て。え? え?」
「あの時も今のように……その、苦しそうにされていましたので、少しは元気出ましたか?」
俺達は互いに顔を赤くしたまま。ミーアは隣へ座り俺に体を寄せ、胸に頭を乗せていた。
目を閉じて恥ずかしいのだろう。でも、安心しているようにも見える。
こんな不安定な時に……歯止めが効かなくなりそうで怖い。
側に居てくれるだけでこんなにも……。
『どうかお側に居させてください』
あの誓いにも似た想いは、以前と変わらずミーアの中にあるのだろうか?
俺は怖かった。
ミーアに近づけば近づくほどに、心惹かれているのが分かってしまったから。
あの時に感じた淡い恋心が、結局はゲームの設定という恐怖が付きまとい、自分の事ですらシナリオによって作られているんじゃないのかと、それを受け入れるのが怖かった。
今こうして、隣にいて高鳴る鼓動も、抱きしめることで感じられる心地よさも、何もかもが作られたものでしか無いのだと。
「少し嬉しいのです」
「な、何がだ?」
「アレス様の鼓動が聞こえます。私と同じ様に鼓動が早くなってます。それがなんだか嬉しいのです」
こんな状態になれば、誰だって胸の高鳴りぐらいする。
好きな人が隣りにいて、身を寄せてくれる。
俺はミーアが好きになっている。だけど……この想いは作られたものではない。
手から感じるミーアの髪の毛の感触。頬の柔らかさ、溢れ出てくる欲望の数々。
『本当に好きだから、お側に居たいのです』
ミーアの想い。
それはあの頃、出会ったあの頃から変わっていなかったんだ。
俺が初めてミーアを抱きしめたあの日から……ミーアをゲームのキャラではなく、一人の女性として見ていたんだ。
だから、離れていても想いは大きくなり、出会い、一緒にいることで心から好きだと実感し、それから逃げ続けていた。
それは、自分が失敗した時の逃げ道を作っていただけに過ぎない。
ゲームのシナリオだからと諦め、それを口実にメアリがパメラがと逃げているだけでしか無かった。深く関わらなければ、受ける傷も小さくなると勘違いをして……。
「私はアレス様だけをお慕いしております。私はアレス様をお守りしますので、アレス様も私を守っては頂けないでしょうか?」
「今言うのはずるいだろ」
俺はなぜミーアを守りたいのか、離れることは何時でもできていたのに、離れることを選べなかった。
その答えは決まっていたが、ただ逃げていただけだ。
「ミーア。ありがとう」
本当は伝えるべきだと思う。
その言葉を……でも、いつかきっと、ミーアに……好きだと伝えたい。
もたれかかるミーアを引き離し、ゆっくりと顔が近づく。
ミーアはそのまま目を閉じ、初めて俺から彼女にキスをする。
俺はミーアに誓うよ。
絶対に死なせたりしないと、必ず守るとそう心の中で誓った。
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