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強者討伐 失われた武器
262 迷路の危険性 2
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メルトのダンジョン。
中に入って少し覚えが残っている。その理由は、ここの場所はダンジョンと言うよりも、迷路みたいな作りになっていた。
この世界に来て十年は経っている。随分と昔のことだから、前世での記憶は曖昧な部分も出てくる。
それでも、ゲームのことを常に考えていたおかげで、アレだけは今でも鮮明に思い出せる。
子供の頃に、書き写しでもしていれば、覚えていた情報は多かったかもしれないな。
「面倒だけど……やるしか無いよな」
ダンジョンの奥へ進み、いつものように索敵を展開する。
報告でもあったが、ここに居た魔物はそれなりに強かったが、全く倒せないって程でもなかったらしい。
こんな場所に来れる冒険者なら、あの眷属はそれほど強くはないだろう。それでも、普段と違うだけで、何が起こるのかわからないし……何より強者ともなれば、相手になるとは思えない。
「ここからだと魔物が確認できないな。一度見ておく必要があるのだが……迷路だと袋小路が多くて危険だな」
ここはこれまでと違って壁面は石のレンガが、床や天井にも敷き詰められている。
ゲーム画面で見覚えもなくはないが、そんな事よりも索敵を使ったとして相変わらず階段の位置が分からないのが手痛い。
前世の記憶があるとは言え、これだけ入り組んだマップ、というよりも全てのダンジョンを覚えておくのは不可能だ。
それで、この大量の袋小路の数々。ネットのあった地図を見ていたと思う。
「いっそ、壊せないものだろうか? 触った感じは石だよな?」
氷の剣を作り出し、壁に一撃入れてみたが、何とも嬉しいことに傷一つすらついていない。
エアスラッシュも同様で、俺は肩を落とすしか無かった。
こんな仕様がなければもう少しぐらい楽になれると期待したが、そもそもバーストロンドをあれだけぶちかましていたのだから、落盤がなくてむしろ助かるか。
「まずは、一匹目。いやいや、これはない。緑の魔物って毒々しくて気持ち悪いな」
「キシャーー」
「うるさい」
強さを図るために、剣で倒そうかと思ったがその見た目からして近づくことを躊躇って、風球を投げつけていた。一撃で魔物は塵となっていく。
眷属の強さはこれまでと対して変わらないと思うが、大半の冒険者が倒せていたとなると弱い分類なんだろうけど……それだけ俺も強くなっているんだろう。
アスタロトだけではなく、他のダンジョンも何個も攻略している。そのダンジョンのほぼ全てと言っていいほどに、魔物共は殲滅させている。
ゲームの設定がそのままだとすれば、限界レベル九十九。だけどこのゲームはその状態でもレベルは上がる。
数字は変わりはないが、ステータスの上昇はある。
そのためステータスの上限に行き着くのが本当のカンストにもなるのだが……ここに至るまでに、ひたすらステータス吟味して、ロードを続けたほうがよっぽど効率がいい。
レベルカンストになれば次のレベルに必要な経験値がとんでもない事になっているので、ゲーム終了までに一か二上げられれば良いほうだ。
やりこみ重視の話であって普通じゃないのだが……。
ラスボスの推奨レベルが八十というのもおかしい。ラストダンジョンが始まる頃には、残り時間がたったのニヵ月しか残されない。そのためレベル上げをしてからという悠長なことが出来ない。
行こうと思えば六十でも来れなくはないが、そこで確実に詰む。
あのスォークランを突破したと思ったら、今度はボスの強さに何度も途中からやり直し何度も何度も同じことを繰り返して、ようやく進めると行った仕様だ。
低レベルなんて、どう足掻いてもボスを突破できない。
とにかく全体攻撃が多いため、ミーアはひたすらに回復。ハルトと王子が主力で、アレスはアイテムで回復か、たまに魔法攻撃。
ミーアの攻略対象だから外せないし、アレスが一番足を引っ張るんだよな。
今思えば一番不遇なんじゃないのか?
HPは低いからよくやられる。魔法を使っても耐性持ちには全く役に立たない。
攻撃しようにも、腕力は低く弱い。かと言って、レフリアのような補助魔法も使えないし……ゲームのミーアは何であれが良かったんだ?
それは今は対して変わらないか……アレスの悪い所を上げたらきりがないな。
「魔力量からしても、レベルはもうカンストしていても不思議じゃないよな」
何処までゲームの仕様が影響しているかわからないが……強者最強のアイツさえ倒せればラスボスもなんとかなるかもしれない。
それからは、この無駄に複雑なダンジョンを突き進み。
最下層に強者が出現してくれるのを願いつつ降りて行く。
どの強者でも、袋小路に追い詰められたら流石に勝てる気がしない。
中に入って少し覚えが残っている。その理由は、ここの場所はダンジョンと言うよりも、迷路みたいな作りになっていた。
この世界に来て十年は経っている。随分と昔のことだから、前世での記憶は曖昧な部分も出てくる。
それでも、ゲームのことを常に考えていたおかげで、アレだけは今でも鮮明に思い出せる。
子供の頃に、書き写しでもしていれば、覚えていた情報は多かったかもしれないな。
「面倒だけど……やるしか無いよな」
ダンジョンの奥へ進み、いつものように索敵を展開する。
報告でもあったが、ここに居た魔物はそれなりに強かったが、全く倒せないって程でもなかったらしい。
こんな場所に来れる冒険者なら、あの眷属はそれほど強くはないだろう。それでも、普段と違うだけで、何が起こるのかわからないし……何より強者ともなれば、相手になるとは思えない。
「ここからだと魔物が確認できないな。一度見ておく必要があるのだが……迷路だと袋小路が多くて危険だな」
ここはこれまでと違って壁面は石のレンガが、床や天井にも敷き詰められている。
ゲーム画面で見覚えもなくはないが、そんな事よりも索敵を使ったとして相変わらず階段の位置が分からないのが手痛い。
前世の記憶があるとは言え、これだけ入り組んだマップ、というよりも全てのダンジョンを覚えておくのは不可能だ。
それで、この大量の袋小路の数々。ネットのあった地図を見ていたと思う。
「いっそ、壊せないものだろうか? 触った感じは石だよな?」
氷の剣を作り出し、壁に一撃入れてみたが、何とも嬉しいことに傷一つすらついていない。
エアスラッシュも同様で、俺は肩を落とすしか無かった。
こんな仕様がなければもう少しぐらい楽になれると期待したが、そもそもバーストロンドをあれだけぶちかましていたのだから、落盤がなくてむしろ助かるか。
「まずは、一匹目。いやいや、これはない。緑の魔物って毒々しくて気持ち悪いな」
「キシャーー」
「うるさい」
強さを図るために、剣で倒そうかと思ったがその見た目からして近づくことを躊躇って、風球を投げつけていた。一撃で魔物は塵となっていく。
眷属の強さはこれまでと対して変わらないと思うが、大半の冒険者が倒せていたとなると弱い分類なんだろうけど……それだけ俺も強くなっているんだろう。
アスタロトだけではなく、他のダンジョンも何個も攻略している。そのダンジョンのほぼ全てと言っていいほどに、魔物共は殲滅させている。
ゲームの設定がそのままだとすれば、限界レベル九十九。だけどこのゲームはその状態でもレベルは上がる。
数字は変わりはないが、ステータスの上昇はある。
そのためステータスの上限に行き着くのが本当のカンストにもなるのだが……ここに至るまでに、ひたすらステータス吟味して、ロードを続けたほうがよっぽど効率がいい。
レベルカンストになれば次のレベルに必要な経験値がとんでもない事になっているので、ゲーム終了までに一か二上げられれば良いほうだ。
やりこみ重視の話であって普通じゃないのだが……。
ラスボスの推奨レベルが八十というのもおかしい。ラストダンジョンが始まる頃には、残り時間がたったのニヵ月しか残されない。そのためレベル上げをしてからという悠長なことが出来ない。
行こうと思えば六十でも来れなくはないが、そこで確実に詰む。
あのスォークランを突破したと思ったら、今度はボスの強さに何度も途中からやり直し何度も何度も同じことを繰り返して、ようやく進めると行った仕様だ。
低レベルなんて、どう足掻いてもボスを突破できない。
とにかく全体攻撃が多いため、ミーアはひたすらに回復。ハルトと王子が主力で、アレスはアイテムで回復か、たまに魔法攻撃。
ミーアの攻略対象だから外せないし、アレスが一番足を引っ張るんだよな。
今思えば一番不遇なんじゃないのか?
HPは低いからよくやられる。魔法を使っても耐性持ちには全く役に立たない。
攻撃しようにも、腕力は低く弱い。かと言って、レフリアのような補助魔法も使えないし……ゲームのミーアは何であれが良かったんだ?
それは今は対して変わらないか……アレスの悪い所を上げたらきりがないな。
「魔力量からしても、レベルはもうカンストしていても不思議じゃないよな」
何処までゲームの仕様が影響しているかわからないが……強者最強のアイツさえ倒せればラスボスもなんとかなるかもしれない。
それからは、この無駄に複雑なダンジョンを突き進み。
最下層に強者が出現してくれるのを願いつつ降りて行く。
どの強者でも、袋小路に追い詰められたら流石に勝てる気がしない。
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